小学校の教職員研修で自己肯定感の話をするにあたり、学習指導要領では、子どもたちがどんな力を身につけることを目指しているのか見てみました。(「第382話)自己肯定感を育てる」のつづき)
私は「学習指導要領」をざっくりと、次のように理解しました。
『自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、自ら判断して行動し、よりよい社会や幸福な人生を切り拓いていく力』
とてもいいと思いました。ただ、現場の先生方は、悩むだろうなと思いました。
「自ら」ということは、意欲があるということです。ということは、自己肯定感があることが前提です。「生きていてもしょうがない」と思っている子は、自ら学びたいとか、行動したいという意欲は持てませんから。
それに、自己肯定感や意欲は、「持ちなさい」と言われて持てるものではありません。「意欲を持ちなさい」だと、「意欲のない自分は、ダメな子だ」と自分を責めて、よけいに自己肯定感を下げてしまいます。
愛され、自己肯定感が育ち、まわりに感謝の気持ちを感じるようになった子は、「大切な人に喜んでもらいたい、社会の役に立ちたい」という気持ちがわき、それが学びたいという意欲につながります。
でも小さな子どもは、ただただ愛されることを求めています。これは人類の本能です。子どもは守られ、大切にされないと生きていけないからです。
「大切な人に喜んでもらいたい、社会の役に立ちたい」という気持ちが大きくなるのは、思春期以降です。
そうなると小学生が「自ら学ぶ意欲」を持つのは無理なのでしょうか?
やはり、ほめたり叱ったりして勉強させるしかないのでしょうか?
(つづく)
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