2023年12月にこども家庭庁が発表した「こども大綱」の中には、「アタッチメント」という言葉が10回以上出てきます。
アタッチメント(愛着)が注目されたことは、とてもいいことだと思います。前回に引き続き、今回もアタッチメントをとりあげます。
「アタッチメント」が大事なのは乳幼児期と考えていいですか?
アタッチメント理論とは、『子どもは、親など特定の人に、甘え(アタッチメント行動)を受け止めてもらい、探索行動は見守ってもらうことで、心理的な結びつき(愛着:安心と信頼)を形成し、自己肯定感や自己効力感が育つ』というものでした。
乳幼児期に形成される愛着は、その子の一生を支えるといわれるくらい重要です。ただそれ以降も愛着を形成することはできます。また、「甘えを受け止め、探索行動は見守る子育て」は、思春期や成人になっても大事であることは変わりません。
◆ アタッチメント理論では、子どもを「船」に、親を「港」に例えることができます。
船は、設計図(個性)を持って生まれてきますが、まだ未完成です。親は、港の造船所で工事を続けて、船を進水させます。
船は進水すると、防波堤で守られた港内で試験航行(探索行動)とドック入り(アタッチメント行動)をくり返し、港の外に出ることができる船に成長していきます。幼児期の愛着が形成された状態です。
◆ 港から出る自信のついた船は、時々港から出て周囲を探索するようになります。
探索していて悪天候にあったり、燃料が少なくなったりして不安になると、港に戻ってきます(アタッチメント行動)。港で船を修理し、休養して、燃料を積み込んだら、また出港します(探索行動)。
それをくり返しながら、遠洋航海ができる外洋船に成長していきます。
◆ 大きな外洋船に成長したとしても、なにかあったときに帰れる港は必要です。いつでも帰ることができる港としてのあなたの存在は、お子さんの一生の心の支えになります。
親は、いつでも帰ることができる「港」であって、空港の「管制塔」ではありません。また、船の所有者でもないし、その船に伴走する補給艦でもありません。
いつどこに向かうかを決めるのは子どもです。
親は港……そのイメージを忘れなければ、子どもが何歳になっても、「甘えを受け止め、探索行動は見守る子育て」を続けることができるのではないかと思います。
このブログに書ききれないことを本にしました。
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(「子育て通信59」完)
👉次へ:子育て通信62)アタッチメント不足が心配です
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