おはようございます!
年金アドバイザーのhirokiです。
本日のは以前ブログで書いた記事のアレンジです。
20歳になると国民年金に強制加入となり、20歳誕生月分の保険料から納付義務が発生します。
国民年金に強制加入となるから、その時に青色の年金手帳が交付されましたが、令和4年4月1日以降で20歳になり新規に国民年金に加入していく人に対しては年金手帳の交付は無くなりました。
つまり廃止されたわけですね。
今は新規の人には基礎年金番号通知書が発行されます。
20歳というまだまだ年金とは縁の無さそうな年齢から早速年金に加入するわけですね。
まだ年金なんて関係ないよ…と思いながら年金手帳が渡されると少なからず違和感があったものです^^;
しかし、老齢の年金はともかく、遺族年金や障害年金などは若いうちから受給してる人は普通にいます。
それこそ極端ですが、赤ちゃんくらいから遺族年金の受給権者になったりですね。
さて、それはともかく基礎年金番号が出来るまでは、年金制度毎に番号が複数あるというような状況だったのであります。
ちょっと昔に遡ると、厚生年金に加入してた人は昭和49年9月までは厚生年金被保険者証というのが発行されていました。
この被保険者証が交付されて、これに厚生年金番号が付けられていました。
基本的にその番号がずっと使われるはずなんですが、転職したような時に「前の被保険者証失くした!」みたいな事になるとまた新しい番号が付けられて再発行みたいな事になっていました(こうやって複数の番号を持つ)。
職が変わるたびに番号が増えていくという感じですね。
一方、国民年金は昭和36年4月1日から始まりましたが、昭和35年10月から国民年金手帳の配布が始まりました。
前置きの話なんですが、、昭和35、36年というのは、その直前にあった日米安全保障条約への安保闘争があった時代であり、岸信介首相が条約を強行採決した事に対し、社会党はじめ革新団体、学生の反対運動が激化していた頃でした。
30万人もの学生が国会を取り囲み国会への突入があったりと、連日反対運動と暴力が行われていました。
まあ、昭和30年代40年代というのは、労組の闘争とか何かと大規模な闘争が相次いだ時代でもありました。
議会で決めた事を暴力で覆そうとするような事が頻発したわけです。
あと、そういえば今の時代ってストライキっていう言葉をほとんど聞かなくなりましたよね。
会社が労働者の要望に応えないなら、俺たちは会社に行かない!働いてやらないぞ!っていう職場放棄。
これについては労働者の権利なので違法な事をしてるわけではないです。
従業員が働いてくれないと社長が困るから、労働者の要望を聞かざるを得ず、賃上げが毎年4月になると行われていました。
春闘と昔は呼ばれていましたが、そういう手段がよく取られていました。
当時は会社としては生産を増やすために多くの人手が欲しい時代でしたから、労働者の要求を聞いてそれに応えるようにしていました。
だから当たり前のように毎年給料が上がり、年功序列が機能していたわけです。
しかし、バブル崩壊後景気が悪くなり生産力が落ちてコストカットのために失業者が増えていくとか、代わりに機械が導入されてそんなに人材が要らなくなってくるとそこでも失業者が増えてきます。
そうなるとどんなに悪条件でも安給料でも働くという人で溢れかえるので、会社としては従業員を安く使えるようになっていきました。
そんな中で会社に対して賃金を上げろ!!と要求しても、「あ、じゃあ辞めてもらっても構わないですよ。安い給料でも働きたい人はいっぱいいますから」と会社側は強気になれますからね…。
なので、失業者とか後は派遣社員が増加するという事は社会としては給料が上がらない要因になります。
今の時代はストライキなんてする事は少数であり、最近は物価高だから賃金を上げるように労働組合が会社に交渉するという話がチラホラ上がってますよね。
少し感慨深く思いました。
物価が上がってるのに賃金上げてもらわないと困るからですね…
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話を戻しますが、昭和35年6月19日に新安保条約が自然承認され、今までの新安保反対運動のエネルギーが次は国民年金反対運動へと向かってしまう事になりました。
そんな時に昭和35年10月から年金手帳の配布が始まりました。
ちょっとタイミングが悪かったですよね…^^;
安保闘争から今度は国民年金反対運動へと矛先が向き、年金手帳を受け取るなー!というような呼び掛け運動も起こりました。
度重なる反対運動のせいで、年金への悪評が広まる事になってしまいました。
さて、国民年金は「国民の私たちにも年金を!」という世論がとても高まり、当時自民党と社会党が昭和33年の総選挙で最大の選挙公約として掲げられたものでした。
投票率はほぼ80%というものでした。
非常に関心を持たれました。
自民党が選挙に勝ち、国民年金創設へに向かって大急ぎで作られ、昭和34年4月(保険料徴収する正式なものは昭和36年4月から)に国民年金法ができました。
できたらできたで、安保闘争と重なって勝手に反対エネルギーのターゲットにされてどえらい反対運動が起こってしまいました。
とにかく、反対反対とか言う人達は意味も分からず反対反対言う事が多いから迷惑ですよね。
で、話を戻しますが国民年金手帳は昭和36年4月からは保険料を納めて、手帳に印紙を貼るという形でした。
印紙貼るのは5年分しかなかったから、5年毎に新しい手帳が発行されました。
色は水色とか灰色とか、黄色っぽいものなど統一はされていませんでした。
昭和49年10月になると国民年金も厚生年金も共通のオレンジ色の手帳で統一して管理するようになり、この手帳で国民年金や厚生年金の番号が記載されました。
そういえばよく、ネットニュースなんかの画像に水色とオレンジの年金手帳を持ってるおじいちゃんおばあちゃんの画像が使われてますよね。
あれは従来と現在の手帳ですね。
今使うのは水色だけ。
本当は年金貰ってるおじいちゃんやおばあちゃんが手にするのは年金手帳ではなく、年金証書ではありますが…(笑)
このオレンジの手帳が交付された以降は、違う制度に変わっても新たに手帳が交付される必要は無くなりました。
ただし、厚生年金の番号や国民年金の番号は、それぞれの制度毎に別々に管理でした。
職業が変わり、加入する制度が変われば新たに番号が付されて、加入する制度が同じであるならば番号は同じでいいんですが、実際はまた新しい番号を与えられてしまっていました。
だから、現代のように一人が一生で基礎年金番号一つというわけではなく、一人で複数の番号を持つという人も少なくありませんでした。
昭和61年4月に基礎年金制度ができて、平成9年1月に基礎年金番号を導入する時に、そういう過去の複数の番号が統合されていく事になりました。
1人に1つの基礎年金番号で統一しようという事になったので、過去の記録もその基礎年金番号に集約していこうと。
でも、平成18年6月時点で氏名や性別、生年月日等によって本人が特定できず、全記録である約3億件のうち5095万件もの誰のものかわかんない記録が該当者不明のまま残っていたことが判明しました。
5000万件のうち、3000万件は解明されましたがまだ2000万件は残ったまま。
年金記録漏れは、番号を2つ以上持っていたケース、結婚前の旧姓のままのケース、氏名の読み方や生年月日が違ってたという事で9割以上を占めています。
番号に関しては、青色ではない年金手帳が出てきたら、もしかしたら現在の基礎年金番号に統合されていないかもしれないので年金事務所に統合されているか確認しましょう。
過去の記録が統合されてないと、場合によっては本来の年金額よりも低い年金を受給してる可能性があります。
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本日3月15日の第285号.約40年前に発生した厚生年金からの遺族年金を貰ってる人と今の制度の人が全く別物の理由。
3月22日の第286号.共済と厚年期間がある人で平成27年10月以前に65歳になった人とは貰う年金が違う事例。
3月29日の第287号.共済と厚年の期間があるが死亡した時の2つの場合の遺族年金と、65歳時の妻の年金。
4月5日の第288号.年金貰うのを遅らせると年金が増えるけども、今の制度の前の2度の繰下げ制度事例比較。
4月12日の第290号. 60歳から65歳まで貰う老齢年金は何が「特別」かという点と、それに至った最重要過程。
3月1日の第283号.海外居住中や60歳から65歳までの年金に加入していない時の障害年金事例はやや特殊。を発行しました。
3月8日の第284号.年金積立金の現在の役割と進行する高齢化への対応、そして年金積立金の重要な歴史。
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