「囚われた国家」　★★～ちょっと何やってんのかわからない

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

ちょっと何やってんのかわからない ★★

（2019年／アメリカ／109分／Captive State） 【　製作・脚本・監督　】 ルパート・ワイアット【　出演　】

ジョン・グッドマン
ヴェラ・ファーミガ
アシュトン・サンダース

ジョナサン・メジャース

アラン・ラック

ケヴィン・ダン

【あらすじ】

　2027年。9年前に地球外生命体に侵略され、エイリアンの支配下に置かれたアメリカ政府。アメリカ市民は、政府を支持する富裕層と反対する貧困層に二極化され混乱していた。

　そんな中、貧困層によって結成されたレジスタンス・グループは、近々開催される統治者、政府および富裕層らの団結集会に爆弾テロを計画するのだが―

【コメント】

　先週に引き続きめぼしい劇場新作がない週末。今週末も行きつけのTSUTAYAで新作でも物色してみようかと立ち寄ったところ目についたのが本作。

　きしくも新型コロナに伴う自粛が叫ばれていた中でひっそりと公開されたかわいそうな作品で、地球外生命体に乗っ取られた地球というSFもの、そしてあの傑作『猿の惑星：創世記＜ジェネシス＞』を監督したルパート・ワイアットとあれば、これは期待しないわけにはいかないだろうと、さっそく手に取った次第です。

　うーん、大変ツマンネ。ちょっと何やってんのかわからない、最初から最後までずーっとそう思いながら観てました。上映時間中ほんと退屈の極み、劇場に観に行かなくて良かったです。本作を、あの『猿の惑星：創世記＜ジェネシス＞』を生み出したルパート・ワイアットが監督したのかと思うと、ちょいと信じられないですね。

　展開としては、主役らしい主役が存在しない、いわゆる群像劇というもので、レジスタンスがスタジアムで開催される団結集会に爆破テロを仕掛けるまでの工程が淡々と描かれているのですが、いかにもなＳＦらしい展開はほぼほぼ皆無。エイリアンこそ登場しますが、巨大な宇宙船との空中戦やらエイリアンとの銃撃戦やらといったド派手なシーンはありません。あくまでも人間側、レジスタンス側の展開が進んでいくだけなので、ポスターなんかに釣られると肩透かしを食らいます。

　エイリアンに支配された近未来、それに反旗を翻すレジスタンスといった視点で、群像劇としてのフォーマットは悪くないんですけどね、結局のところとっ散らかってしまっていて、いったい何がしたかったのか、監督の狙いはなんだったのかが分からないシロモノになってしまってましたね。

　そんなわけで、狙いが分からないまま、ちょっと何やってんのかわからないまま終わってしまったSFものでした。ルパート・ワイアット監督の実験的な作品だったのかもしれませんが、監督自身も「あれ？こんなはずじゃあ・・・」なんて思ったんじゃないでしょうかね。この手の映画は、うまく作ればめっちゃくちゃ面白くなるもの、本作はサスペンスフルなものが足りなかったように感じます。

【2020年度 Myランキング】（8/22時点）

　本作は、本年度のワースト3中2位（暫定）にランクイン。

　首が痛い。

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：1917 命をかけた伝令 ★★★★★

　　２位：ミッドサマー ★★★★

　　３位：透明人間 ★★★★

　　４位：Fukushima 50 ★★★★

　　５位：パラサイト半地下の家族 ★★★☆

　　６位：イップ・マン完結 ★★★☆

　　７位：AI崩壊 ★★★☆

　　８位：ジョジョ・ラビット ★★★☆