「透明人間」 ★★★★~現代風アレンジの好例 | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

『シネマ報告書2020』の掲載にあたって

 
現代風アレンジの好例
★★★★

(C)2020 Universal Pictures

 

(2020年/アメリカ・オーストラリア/124分/The Invisible Man)
 
【 脚本・監督 】
リー・ワネル
 
【 原作 】
H・G・ウェルズ
 
【 出演 】

エリザベス・モス
オリヴァー・ジャクソン=コーエン
オルディス・ホッジ
ストーム・リード

ハリエット・ダイアー

 


 

【あらすじ】

 

 セシリアは、光工学の科学者である富豪のエイドリアンの過度な束縛し苦しめられており、ある日の夜、妹エミリーの協力を得てセキュリティが張り巡らされた彼の豪邸から脱出した。

 それから2週間後、エイドリアンが手首を切って自殺したとのニュースが飛び込んできた。しかも彼は遺産500万ドルをセシリアに残したのだった。 莫大な財産を手にしたセシリアだったが、エイドリアンの自殺がどうしても信じられなかった。

 しばらくして、セシリアの周辺で怪現象が頻発するようになり、セシリアはエイドリアンの仕業と確信したが、被害妄想としてだれも信用しようとしない。そしてついに、セシリアの周りで人が殺され、セシリアが犯人扱いされてしまう―

 

 

【コメント】

 

 さて、今回劇場で鑑賞したのは、誰もが名前だけなら知っている古典的SF小説「透明人間」を現代風にアレンジした作品。

 本作を監督したリー・ワネルは、「SAW」シリーズや「インシディアス」シリーズの製作に携わっている敏腕の映画マンであり役者としても活躍しているというハイブリッドで、最近の注目株の人材です。僕も最近、去年公開されたリー・ワネル監督作品『アップグレード』を鑑賞しましたが、これがなかなかに面白かったですね。

 本作については、劇場で予告を一度観て「ちょっとおもしろそうだな」と感じたので、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

 

(C)2020 Universal Pictures

 

 面白い!こりゃあ久しぶりに手応えがある作品を観させていただきました!古典SFを良い形で現代風にアレンジした好例だったと思います。これはマジでビビるし面白い。リー・ワネル監督の手腕が大いに発揮された作品ですね。

 マジでビビる、と言ったとおり、静けさの中に突如デカい音が鳴って驚かせるいわゆるビックリ映画です。僕の考えとしては、怖がらせる=音でビックリさせる、といった昨今のホラー映画の演出方法はいかがなものかと思うし、本作も確かにそれに該当します。しかしながら本作は、そんな安直なビックリ演出を差し引いてもなお演出や構成で怖がれせてくれる。主人公セシリアが徐々に精神崩壊していく様や、本当に透明人間がいるのか、セシリアの妄想というオチなのではないか、といった観客の先読みができない演出の巧みさ、そして何とも言えない後味で終わるラスト。随所にビックリ演出をちりばめつつも、一体どう結末を迎えるのだろうかというドキドキとワクワクで一瞬たりとも目が離せない、のめり込んでしまうこと間違いなしのスリラーでしたね。

 2000年にポール・バーホーベン監督、ケヴィン・ベーコン主演の『インビジブル』という同様の透明人間を扱った佳作がありました。ネタバレになりますが、『インビジブル』では薬物で透明人間になるのに対し、本作は透明になる全身タイツを使ったもの。エイドリアンが光工学科学者という設定ですから、なるほどねと感じるとともに、ひょっとして本当に実現できるんじゃね?といった妙なリアリティもあって、現代アレンジがうまくされているなーとも感じました。さすがに、イクラ食って透明人間にはなれないですがね。

 

(C)2020 Universal Pictures

 

 そんなわけで、久々に手ごたえのある面白い作品が観られてうれしい今日この頃。古典的SFものも、アレンジの仕方によってこれほどまでに面白くなるといった良い例だったと思います。なんといってもそれはリー・ワネルという才能のなせる業。リー・ワネルという人物は今後要チェックということになりますね。

 

 

【2020年度 Myランキング】(7/12時点)

 

 本作は、本年度のベスト10中3位(暫定)にランクイン。

 派遣社員教育。

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:1917 命をかけた伝令 ★★★★★

  2位:ミッドサマー ★★★★

  3位:透明人間 ★★★★

  4位:Fukushima 50 ★★★★

  5位:パラサイト 半地下の家族 ★★★☆

  6位:イップ・マン 完結 ★★★☆

  7位:AI崩壊 ★★★☆

  8位:ジョジョ・ラビット ★★★☆

  9位:フォードvsフェラーリ ★★★☆

 10位:リチャード・ジュエル ★★★☆

  次点:ランボー ラスト・ブラッド ★★★☆

      

 

 (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:エスケイプ・ゲーム ★★

  2位:ジェイコブス・ラダー ★★☆

  3位:ドローン ★★☆

 

<その他ランク外一覧>

カイジ ファイナルゲームナイト・オブ・シャドー 魔法拳9人の翻訳家 囚われたベストセラーナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密前田建設ファンタジー営業部バッドボーイズ フォー・ライフドアロックスマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼初恋レ・ミゼラブル仮面病棟カット/オフインビジブル・ウィットネス 見えない目撃者リトル・モンスターズハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYジュマンジ ネクスト・レベルハード・ナイト霊幻道士X 最強妖怪キョンシー現る侵入する男(未)ミッション:60ミニッツ(未)チャーリーズ・エンジェルKILLERS キラーズ 10人の殺し屋たち野獣処刑人 ザ・ブロンソンサイバー・ゴースト・セキュリティガール・コップス(未)ブレイキング・イン(未)男たちの挽歌 REBORN(未)ペット・セメタリー2019スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班テッド・バンディエスケープ・ルームANNA アナデッド・ドント・ダイプロジェクト・グーテンベルク 贋札王水曜日が消えたグッドライアー 偽りのゲームスケアリーストーリーズ 怖い本アントラム 史上最も呪われた映画


 
『透明人間』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

 

 
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