「グッドライアー偽りのゲーム」　★★★～おおよその予想はつくけど悪くない

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

おおよその予想はつくけど悪くない ★★★

（2019年／アメリカ／109分／The Good Liar） 【　製作・監督　】 ビル・コンドン【　原作　】ニコラス・サール

【　出演　】

ヘレン・ミレン
イアン・マッケラン
ラッセル・トーヴィー
ジム・カーター

【あらすじ】

　老齢のベテラン詐欺師ロイ・コートネイは、SNSを使って資産家のベティ・マクリーシュに目を付ける。夫を亡くし悲しみに暮れていたベティから信頼を勝ち取っていったロイは、彼女から全財産を騙し取る計画を立てていた。

　仲間を使い周到に準備を進め財産を奪うことに成功したかに見えたが、ベティの隠された過去から意外な方向へ進んでいく―

【コメント】

　さて、今回行きつけのTSUTAYAで手に取ったのは、今年2月に劇場公開された騙し騙されの詐欺師ものである本作。劇場公開時、面白そうだなーとちょっと気になっていて観に行こうかと考えてたんですが結局スルー。今般めでたくレンタル開始ということで、さっそく鑑賞してみた次第です。

　うむ、まずまず面白かったです。ぶっちゃけて言ってしまうと、クライマックスのどんでん返しはおおよその予想がついちゃうわけですが、ライアーゲームものとしては及第点の面白さだったと思います。本作を面白くしているのは、やっぱり主演のヘレン・ミレンとイアン・マッケランというベテラン俳優の存在感と演技力あってのものでしょう。

　情け容赦なしの稀代の詐欺師がウブな資産家の未亡人に近づき全財産を奪おうと画策する。未亡人には誠実でジェントルマンな爺さんを演じ信頼を得ていきながら、裏では嘘の投資話で人を騙しては金を巻き上げていく。本編は大体その過程が描かれているのですが、そこらへんの描写も観てて楽しい。

　キレイなものしか見たことが無いようなお花畑の未亡人が、孫からの再三の忠告も聞かずにジェントル爺さんにハマっていくんですが、この二人が実は・・・というのが本作一番の見どころであるクライマックスのどんでん返し。カンの鋭い人ならば、早々に未亡人とその孫が只者ではない、というのはすぐ分かると思いますが、その動機がちょいとエグい。婆さんになっても、この恨みはらさでおくべきか、そんな根の深い内容でしたね。