B級お~でぃお色ざんげ (旧 B級お~でぃお珍道中)

B級お~でぃお色ざんげ (旧 B級お~でぃお珍道中)

わたくしを通り過ぎた、お~でぃお機材(中古ばっかり)たち(笑)


はなからこんな話を書くのも、まったくもって気が引けるものの。。。



ひところの日本びくたー様の、機械の見た目や広告センスは、
それを良く言えば「中身で勝負」、臆せず本心申し上げるなら、
「ださださ」 だったと思うのです。



私が記憶している限りでの、最たるものをここに書くなら、
確か90年代中期の、シアターコンポのパンフのコピー、



“置いて半畳、効果は劇場”



それを目にしたわたくしの、心の内を満たしたもの、
それは“劇場”のほの暗さでなく、



どす黒いまでのメラメラ“激情”ドクロだったのです。
※ 感覚がOyazyな上司やクライアントの説得って大変ですのぉ。。。




でも、
万年課長に諂い続けた、鬱積ぶちまけるが如く、
ごくごく稀には突き抜けた、意匠の機械も出てくるようで、
こたび紹介のこのひとも、そんな御品と思われるのです。
海外向けのミニコンなんかは毎度突き抜けまくっとりましたがのぉ



B級お~でぃお色ざんげ (旧 B級お~でぃお珍道中)


2003年は年の瀬の頃、柿生 の奥のリサイクル屋で、
その存在は知ってたけれど、始めて目にした実物の、

巷間目にする謳い文句は、「大理石調」らしいけど、
※ちなみに、Fシリーズのハイコンポとセットで4000円
(→そっちは速攻で中古おーでぃおショップ行&12000円の利益キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!)



正直言ってわたくしの眼には、

このひと だったりこのひと の、

髪の毛に見えて仕方なく。。。



でもそれなりに気品を持たせて、まとめているのは艶黒仕上げの、
「あるまいと」 製ばっふる板が持つ、質感が故なのでしょう。
※ というか、このバッフルを使うが上で「冒険」したのでしょうなぁ



激しく魅かれたわたくしは、当初の用事もどこへやら、
このひとを購め家に持ち帰り、さっそく鳴らしてみたところ、



見た目に違わず独特の、お声を聴かせてくれたのです。



能率面では実はそんなに、高いわけではないけれど、
「籠り」などとは全く無縁の、捌けた鳴りが小気味よく、
そこに加わる伝統深き、「しるくどーむ」 の塩梅の良い、
湿りの加減もなかなかで、でもそれだけなら優等生の、
音の括りで終わりのところ、



どうしたわけか、中音域で、
渋めの 「艶」 を感じたのです。



率直に書けばその艶を、手なずけるはやや難しく、
下手なアンプをあてがおうなら、虚空に浮かぶ音像の縁も、
どこか滲んでふやける始末。
フットワークの軽いウーファーも、裏を返せば無駄な動きを、
抑えられなくば 「ゆるフン」 調の、流れに勢い傾くのです。



されどひとたび足腰の、強い相方にドライブされれば、

滲みは一転 “痘痕も笑窪” の、不思議な魅力に転化するようで、
当時メインで使っていたのは、やまはのAX-1200様
その力強き中低域と、おっとりと丸い高域は、
このひとのキャラと相性が良く、

2年ほど後に手に入れた、らっくすのL-540様 も、

各々が持つ歌い回しを、引き立てあうかのようでした。



ところで、この文章を書きながら、

ひょっとしたら?と頭を掠めたことがあり。。。



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当時の広告見た感じだと、このバッフルの採用意義は、
強度の確保はもちろんのこと、ウーファー周りの制振および

(ついでにエンクロージャー共振の)、干渉排除と思えるのです。


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恐らく当初はそのつもりだった、

でも実際に作ってみたらば、逆に盛大な鳴きがでて、

処理に困ったんじゃなかろうか?


されど、

”ひょっとしたらばいい塩梅で、美音に転化できやしないか?”と、



後年に出た高級機である、SX-V1様 の、
広告のほうは「響き」のほうを、大々的に売りにしてるけど、

実は行き当たりばったり的な、着想による開発では?などなど、
巡る邪推は果てしなく。。。
A103 様ではコピー修正が間に合わなかった?



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そのまま暫くサブのシステムに、組み込まれていたこのひともまた、
2007年にわたくしを、突如襲った財政難の、
質草に消えてしまったけれど、



まっとうな音と見せかけて、個性あふれるその存在は、

飼いならされたニッパーくんの、「牙」に思えてならないのです。
※サイズ含めてかわいいもんですがの(笑)


今は遥かな「ばぶる」のご時世、

されどわたくしの財布の中身は、XL-Z531様貢いだ時点で、

底を尽こうとしていたのです。
※財政逼迫は今も似たようなもんですがの(泣)



だから勢い使いこなしに、興味が向いたその矢先、
警備のバイトで巡回中の、中学校の図書室において、
こたび紹介のこちらの御本を、目に留めたるが運の尽き。
のび太 の欲しいものの中に「ステレオ」の文字も見えた時代でしたからのぉ



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例えば、
「ぼりゅーむ」 よりも 「あってねーた」 が、具合が良ろしと知ったのも、
「FET」 とかいうのを使った、あんぷに興味が向いたのも、
何より 「真空管」 というものが、過去の遺物じゃないっつーことも、



そういったことは、ほぼ全部、
この本からの入れ知恵なのです。

※ あんまり使いこなしとは関係ありませんがのぉ



書かれてることの1/3は、「あなろぐれこーど」の話題であって、

たぶん近年どつぼにハマった、“れこーどぷれーや”への妄執も、
その分野への偏愛(笑)溢れる、記事の洗脳が故に違いなく。
でも、この当時「あなろぐれこーど」は、過去の遺物の扱いであって、

同じく出番の減りつつあった、「てーぷでっき」やら「ちゅーなー」へ、

割かれたページもまた多く、
そんな御本にエロ本なんぞ、まるで及びもつかない程の、

興奮覚えたその訳は、
※ ちなみに初版=1979年って、わしまだ毛も生えてなかったっす。



高価なはずの「すてれお」セット、
命の次に大事(笑)なそれを、

まるで子供のおもちゃの如く、


いじくり倒せ!!!


と書かれてたからに他ならず、

※反面、“耳を掃除しろ”などと、微笑ましいのもありましてのぉ(笑)




曰く、
“「わいやーらっぷ」の接点はハンダ直付けにするがよろし”
※ さっそく開腹 → 墓場へ直行


曰く、
“水:アルコール=2:1の液体を、れこーど盤に垂らすがよろし”
※ 35度の「焼酎」垂らして「かーとりっじ」&「ぷれーや」とも台無し


曰く、
“とらんすのカバー内にある「しょーとりんぐ」は取るがよろし”
※ これはさすがに怖くて、できなかったっす



他にも、やれ、“●●にある○○抵抗をXXX型に変えろ”だの、
“△△△のコンデンサーを■■型に変えろ”だの、

著者が大手の雑誌などでは、見かけぬ名前だったたことなども、
XL-Z531様の一件 で、不信を抱いたわたくしにとって、

アクセルのごとく働いてしまい、

でも、内容もろくに理解せぬまま、「安く」良い音楽しみたいと、

その一念で伝家の宝刀、CDS-999様 に、

あの手この手を加えた結果は、



サブタイトルにある 「キミの音」 まで至ることなく、
かえって高く(号泣)ついたのです。



いえ、

このわたくしの「おーでぃおらいふ」に、与えたであろう影響は、
そんなものでは、済まなかったのです。



この当時は、どうしたわけか、
まだまだ充分使えるコンポが、電柱脇やら空き地なんかに

転がっていた(笑)ものだから、
壊した機械をそれらに代えて、ひとまず当座をしのぐうち、

またこの御本の随所に見える、「電気の音」と「生の音」との、

違いについての力説に、感化を受けて性懲りもなく、

「美容整形」 の実験を続け、声の「聴き分け」にハマったものが、

どうやら後の「珍道中」の、基本の形に違いなく、




だから、あくまで、

“わたくしなりに”、ではありますれども、
こちらの御本に出会ってなければ、あれほど「充実」していた日々とも、
無縁だったと思われる(感涙)、



。。。というのも、一面に過ぎず、



そうした過程で身に付いた、
ハンダごてによるSM嗜好や、路上生活者的悪習、
何よりそれだけ情熱掛けても、

日銭も稼げぬ!!!と気が付いたとき、



“やっぱり、読まなきゃよかったわい。。。”



などと、少なくはない後悔の念も、
抱かずにいられないのです。
※ホント大学受験からこっちこんなことに感けなければきっと今頃(Ry


先回のXL-Z531様 と並び、いま手元にある機材の中で、
最古参になるこのすぴ~か~は、今を去ること20年前、
近所にあった電気屋の裏で、寿命の尽きた家具調テレビや、
エアコンの群れに混じってたのです。
※いうなれば「捨てニッパー」(笑)だったわけですなぁ



当時の無知なわたくしが、その生い立ちなど知る由もなく、
されど
CDS-999様 の、無骨なお顔のすぴーかーとは、
随分異なる明るい白木の、優しいお顔に品良く並ぶ、
つぶらな瞳のごとき「ゆにっと」が、濡れていたように見えたから、



おっちゃん、裏のすぴーかー、

持ってっても、え・ぇ・か・の・ぉ?ドキドキドキドキドキドキ



と、
顔馴染み (=兄の同級生のお父様) だった店主に 「一応」

身請けの許しを請うたのです。

※以降は永代許可(だったはず(^_^;))



されど自宅に持ち帰り、いざセッティングと息巻いた、
そのときになってようやくのこと、このわたくしめは気がついたのです。



なんか。。。おかしな顔じゃのぉ。。.


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※ツィーターのカバーは引っ越しで破損&紛失したのです。。。



電気屋の裏にあったときには、片方後ろを向いており、
だから気付かなかったけど、すぴーかーなら左右対称が、
当たり前だと決め込んでいた、わたくしにとってその光景は、
受け入れ難いものでした。



捨てようとしてたくらいなんだから、実は「紛いもの」じゃなろうか?

ただより高いものはない!!

あの食わせ物の

電気屋め!!!




好意で名機を譲ってもらった、そんな僥倖と知らぬばかりか、
この落とし前どうしてくれる\(*`∧´)/

と、どす黒いものも覚える始末。




。。。でも気の小さいわたくしが、だからいまさら戻せる訳なく、
せめて如何ほどの音なのだろか?と、気を取り直して鳴らしたところ、




最初の恨みはどこへやら、
すっかり虜になってしまったのです。




そもそも、
ラジカセだったりテレビなんかの、プラスチッキーな音の世界しか、
知らずに育ったわたくしにとって、「すてれお」という名前の機械は、


でっかい音を鳴らすもの」 であり、


だからそのとき唯一知ってた、CDS-999様の、

それは、しゃっきり伸びた高域と、ドスを効かせた低域の、

うぶな素人がそれだけ聴いたら、これぞ「はいふぁい」と思うであろう、

これ見よがしな「すぴーかー」でさえ、じゅうぶん満足できていたのです。
※ 実際「うぶ」だったわたくしは、そう思ったわけでございます。




でも、このひとが奏でた音は、
家電の延長にある機械からは、決して聞こえることのなかった、
丸みを帯びた柔らかい艶と、深いビロードの襞を持ち、
これほどまでに綿密で、潤い豊かな声の襞やら、
中域あたりの温かみなど、聞いてしまった後となっては、
999さまのすぴーかの音は、それこそ「シャ●」でも決めたかのような、
それで悪ければ水気を吸って、シャッキリとした歯ごたえを得るも、
すっかり旨みを吐き出し切った、千切りキャベツと思えたのです。




まぁ最初のころこそ低域が、ちょっとばっかり篭っておって、
それは小型の密閉箱に、ぎゅうぎゅうに詰めた吸音材(うーる100%)が、
何かの拍子にうーふぁーを、圧迫しすぎたからなのでしょう。
そこがだんだんこなれるにつれ、999様のすぴーかが唯一、
勝って聞こえた低域の、重心も実はこのひとの方が、
低かったことに気付くにいたり、




音はいいのに、何だってこうも
な、レイアウトかのぉ。。。



と、

最初の嘆きが改めて、頭をもたげてしまったのです。
※ 元々かような構成と知って、恨みが晴れたはその半年後(笑)




。。。ともあれ、

メインの地位にいた期間こそ、最初の数年だけだったけど、
いずれにしてもこのひとの声が、以降わたくしの音の好みに、
強く影響したことは、否定できない事実であって、
このひと自身もすんでのところを、永らえたことを考えたとき、



お前、いい子だのぉドキドキ

(&いい飼い主に拾われたのぉわんわん)。。。



と、自意識過剰なコメント付きで、
頭を撫でずには、いられないのです。



CDS-999様 の、誘惑に深く溺れていたら、
十個も受けた大学の、「九つ」までを滑り落ち。。。
※9尽くしの呪い?


どうにか一つ引っかけて、胸なでおろしたわたくしは、
たまった鬱憤晴らさんとして、さっそくショップの行脚を始め、
でも群れをなす単品コンポの、奏でる音に触れたが早々、
憂いに染まってしまったのです。



どうして、うちの「こんぽ」の音は、
高いほうが「丸まっちい」のじゃろう。。。



所詮「みにこん」である以上、それは当然の話であって、
されど「あんぷ」と「すぴーかー
」には、ひとかたならぬ思い入れがあり、
おのずとCDぷれーやーへと、その矛先が向かった次第。
当時は既に陳腐化していた、「4倍おーばーさんぷりんぐ」の、
でじたるフィルターだということも、疑いの目が向いた理由で、
そこで白羽の矢を立てたのは、デビュー間もなき「1びっとDAC」、
中でも評価が飛びぬけていた、このひとの姿だったのです。


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バイトで稼いだ金を握り締め、お茶の水の某老舗しょっぷへ、

再度出向いたはその半年後。

ちょうど期末のセールとやらで、定価598のこのひとを、
4万円を僅かに切った、破格の値段で手中に収め、


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これこそまさに最先端の、技術だ音だと言わんばかりの、
他では見れない「がんめたる」色の、ガタイもさすがに堂々として、
えらいセンセが揃って褒めてる、「絶品」の音はいかばかりか?と、
Playボタンを押してみたらば、




特に木管の独奏だったり、アカペラなんかを聴いたとき、

柔らかくかつスッキリとして、優しく耳に囁くような、

ブレスの掠れの艶かしさや、滑らかに踊る抑揚の、

そんな表現はこのひとの、独壇場でありました

※さすがに今となっては寄る年波にかないませんがのぉ



でも、


な~~~んか、腰が入らないのぉ。。。



と、

思いもかけず湧き出てしまった、ポジティブと言えぬ感情を、

縊り殺すのにも、苦労したのです。
※だってなけなしの銭叩いたのによぉ。。



それは往時の「1びっと」ならば、宿命的に持っていた、
弱点だったに違いなく、その「柳腰」を逆手に取って、

羽二重の如くたゆたう音に、仕立てた機械もあった中では、

このひとの音の厚みは確かに、健闘していた部類なのでしょう。


しかし極めて低い音域の、腹の据わった「手ごたえ」などは、

むしろ999様のほうがしっかり聞かせてくれたようなのです。

※ まぁ当時はまともなセッティングしてなかったので、余計に腑抜けとったのでしょうなぁ



。。。で、このとき覚えた疑問と混乱、すなわち、

大手雑誌の評価であるなら、嘘など微塵もないはずと、

若さが故の純粋無垢な、思いが揺らいだその瞬間こそ、

現在に至る珍道中の、始まりだったに違いなく、


爾来二十有余年、数多の機材が通り過ぎる中、
このひとが生き永らえた訳は、美質を認めるその一方で


“ひとの言うことは鵜呑みにできん!!!”


という、

自らへの戒めのためでも、あったりするのです。




なんだか、またずいぶんと、

間を空けてしまいましたこと。。。


さておき、

爺様の代に建てられた、今では物置代わりの家作を、
年末年始に片付けていたら、懐かしいものが出てきたのです。


B級お~でぃお色ざんげ (旧 B級お~でぃお珍道中)


このひと達こそ、このわたくしを、半ば脅迫観念めいた、
B級お~でぃお試練の道に、引きずり込んだ張本人。
出会った当時のわたくしは、花も恥らう
※「花」は最初「鼻」と変換(←思春期男子の体臭を予測するわしのPC賢すぎ...)


友人たちのお勧めだった、「ヴぁん・へ~れん」やら「がんず」とやらが、
奔流のごとく飛び出してくるは、彼らの部屋に鎮座まします
「みにこん」せっとからでした。

それを持たないわたくしの内には、日に日に歪んだ羨望が、

それはそれは重く、圧し掛かっていったのです。


そんな、ある冬のこと、

このひと達の弟機である、CDS-777様を、
当時地元で営業していた「The ぷらいす 」で見かけたのです。
※ 店名が代々木忠監督作品 みたいですのぉ。。。


「あいわ」(←”哀話”と変換)と、「でぃすかうんと・しょっぷ」。


本来これ以上ないという、「ゴールデン・コンビ」のはず、
にもかかわらず、その雰囲気は、また随分と場違いでした。
ミニコンならば「ぐらいこ」が、付いて何ぼ?というものを、
このひと達ではオプションとした、「ぴゅあ」嗜好強きコンセプト。
高級コンポの代名詞、「さいどうっど」も侍らせて、
何よりこの目を惹いたのは、青く灯ったこのボタンでした。


B級お~でぃお色ざんげ (旧 B級お~でぃお珍道中)
※ おお、点いたわ!!!(さすがに音は出なかったけど)


ぶるーLEDなど無い頃だから、当時は滅多に見ない色であり、
でもボタン上の「DIRECT」という、言葉が意味するであろう世界を、
それは深くて透明な、水底を覗き見るかのような、
そんなイメージを象徴するに、まこと相応しく思えたのです。



そうして、その印象がわたくしの内に、深く刻まれたその1年後、


当時池袋のパルコにあった、「そにーShop」の店頭で、
「投げ売り」されてた777様と、思わぬ再開を果たしたのです。
※ 大量に売れ残っちゃったのは、やはりブランドイメージが故でしょうなぁ


思わず足を止めたわたくしに、忍び寄ったは悪徳店長。
ひとしきり述べた売り口上の、後に囁やく悪魔の言葉、


”実はこの上の機種(すなわち999様)を、ですねぇ、


「一台だけ」「特価」 (14まん)にて、


お譲りできるんですよドキドキ
※ 手元のパンフ上の希望小売価格 = 24まんえん(!)



受験に疲れたわたくしは、まんまと罠にはまってしまい、
生まれて初めて長期ローンを、学生だけれど入れるやつを、
組まされる羽目に陥ったのです。
でも誘惑を断てなかったのは、「ばぶるこんぽ」を象徴する、
そのスペックが故でもあり、



●あんぷの最大出力: 150W × 2!!!
※蓋を開けたら「とろいだる・とらんす」入り(容量310VA!)

●「りぼん(りーふ?)式すーぱー・つぃーた」付・4うぇいすぴーかー!!!
※うーふぁー「だいあとーん様OEM」(←店長の耳打ちによる

●「4倍おーばーさんぷりんぐ・でじたるふぃるたー」付CDでっき!!!



なかでも打ちのめされたのは、カセットでっきに他ならず、

流石はでっきのあいわ様、ダブルリバースの片割れは、

掟破りの「3へっど」式!!!

※ 中道様のご本尊と「名目は」同じですなぁ。。



もう一方のでっきにしたって、高級機器の代名詞、
LC-OFC捲線の、「あもるふぁす」へっど搭載で、
両でっきとも「ばいあす」が、「めたるてーぷ」は無理だったけど、
調整できたりしたことも、「みにこんぽ」という立場からすれば、
常軌を逸した仕様だっだのです。



B級お~でぃお色ざんげ (旧 B級お~でぃお珍道中)



まぁ、まとまって聞いた印象を、思い返せば残念ながら、
「ドンシャリ」の域を超えた音では、なかったものと思うのです。
でもその主因はすぴーかーの、お粗末極まるネットワークと、
薄い板厚が故と思われ、
※加えて高域Fレンジ感の、演出だったに違いなく


従いまして他のすぴーかを、繋いだならばミニコンの、
範疇を超えたぶ厚い音を、奏でてよこしたものであり、
また各々の構成機器を、その後仕入れた単品コンポに、
繋いでもさほど見劣りもせず、渡り合ってたようなのです。


とまぁ、すっかり浮かれたわたくしは、
受験勉強そっちのけ!!!
※ その膨大なツケが今なお重く。。。(泣)


コンポの仕様がいくら良くても、何の役にも立ちゃしないのに、

それで厳しい戦いまでも、勝ち抜いたような錯覚を覚え、

その学力はもちろんのこと、生活習慣そのものも、


ダビング (の他は 「一人●っちにひひ」 )三昧の、日々へと蝕まれていったのです。

※ いぢり過ぎで今じゃ両方とも使い物にならず(orz...)


先の戦いの結果 を見れば、各所に小さな不満は残れど、
古女房のらっくす様を、やはり手元に残そうか、
されど折角縁あって、招き寄せたる2つのあんぷ、
どこかで敗者復活の、機会を与えてやれないものかしら?と、
※ 物欲の妄執による言い訳のオンパレード(笑)


考えあぐねた頭の中に、ある閃きが射したのです。


各々の 「ふぉのいこ出力」 を、
違う各々の 「らいん入力」 に、


導いたならば、どうなるかしらん?



そう、「組み合わせの妙」なるものを、

試しきっては、いなかった!

試みがうまく行ったなら、かの曹操を迎え討つ、
劉備/孫権連合の如く、そこに孔明の知略を加え、
赤壁で見事くじいて見せた、そんな世界が開けるじゃないか!!!
※ そうまでして「ぷりめいん」どうしでシステム組む意味って。。


と、言った按配で、

性懲りもなく、また 「おっ始め」 ちゃったのです。
※ お相手の機器は前編 をご覧くださいまし。



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でも、またしても、
初っ端に興を殺ぐお話を、せねばならないこの辛さ。

このとき聞いた限りとはいえ、こと907DRさんは
(以下、前編 と同じなので中略)



DRさんのふぉのいこは、残る二つのあんぷに繋いでも、
軟い低域と丸い高域の、やっぱり冴えない鳴りかたでした。


それなら 「らいん入力」 に、残る2つのふぉの出力を、
導いたならどうなるかしら?と、


入力レベルも上がったし、内部干渉も減っているはず、
期待した音は言うまでもなく、スピード溢れる疾走感と、
クリアに捌けたステージ感。

確かにその点改善された、けれどこの耳が捉えた音には、


ニュアンスを決める微細な「毛羽」が、
削がれてしまっていたようなのです。


そして、繰り返し聞くうちに、わたくしは思い出したのです。
歴代607さんを、聞き比べて得た感触 を、
姿かたちは伸びやかで、すっきりしていて美しい、
でも作りたての剥製のような、「生乾き」っぽい感触を。


突き詰めて言えばそれはおそらく、単に好みの問題であって、
だからわたくしは山水様とは、合わない「星」の生まれなのでしょう。
あるいは「ばらんす」接続で、「高級ふり」や「単体ふぉのいこ」を、
繋いでみたなら別の世界も、開けるのやも知れませぬ。

※けれど恐らく金銭的に、為し得る域をば超えてまいまする。。。


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。。。と、いうことで、山水さんにはまたもお引取り願い、
あきゅふぇーず様とらっくす様の、コラボレーション発掘に、
専念することにしたところ、
互いにまるで対照的な、結果となって現れたのです。


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E-305様 のふぉのいこを、L-540様 に導いたときは、
晩生の野郎を引き込んでしまい、盛り上がらない合コンのごとく、
はしゃぎたい540様が、どんだけいじって見せようと、
滑ってその場が凍りつく、気まずい空気のようでした。


いっぽう、L-540様のふぉのいこを、E-305様に導いたときは、
俄かには信じ難いことに、あの堅物の305様が、
陽気なオーラを発したのです。


それは、まるで、


理系ばかりの殺伐とした、「荒野」に降り立つ女神のごとく、
(これはKP-1100  + AT33E の組み合わせで)
または美形のホステスさんから、イロハを教わる教師生活25年 のごとく、
(こちらは PL-50 W.O.S の組み合わせで)


305様の「ぱわーすてーじ」が、恐らく歩んできただろう、
真面目ひと筋の人生の中、初めて味わう楽しさだったり、
歓喜の声とも聞こえたもので、

そんなシーンのあるドラマなら、だいたいは堕落しちゃうもの、
しかし流石にあきゅふぇーず様、らっくす様で完結したなら、
少々甘きに流れた部分も、きっちり纏めて仕上げたのです。
※ そういえば全編でV15TypeⅢ の印象を書かなかったなぁ。。。


==============================


こうして、
E-210様が呼び水 となり、始まったこの一連の、
戦いはついにあきゅふぇーず様と、らっくす様の連立をもって、
一応決着を見たのです。


でも、その日々も長くは続かず、
またしてもその頭をもたげた、浮気心に突き動かされて、
導入してみた別のあんぷに、まずあきゅ様が居場所を奪われ、
名残惜しくて手元に残した、らっくす様の出番も減って、


そう、まさに三国時代の終焉よろしく、
降って沸いた「別のあんぷ」 が、天下統一を為したのです。
※ そのお話はまた別の機会に


SMGa親方の、ぶつかり稽古の相手探しは

またも無残な結果だったけど、一つでよろしいあんぷを三つも、

同時に手元に置いたその訳は、実はもう一つあったのです。


なぜなら、この頃わたくしは、
あなろぐれこーどの嗜みに、どっぷりはまった真っ只中。
針やぷれーやの音はもとより、「ふぉのいこらいざ」 の音の違いにも、
気が向き始まっていた折で、


CDぷれーやーの出現の後、各めーかーは 「ふぉのいこらいざ」 に、
さほど注力しなくなったけど、それでも名家のあんぷであれば、
幸いばぶるの頃までは、満足な音が得られたようだと、
それならここに揃えたあんぷが、それぞれあなろぐれこーどに、
どんなあしらいを見せるのかしら?と、興味深々以下の機材と、
歌合わせをば行ったのです。


●ぷれーやー
ぱいおにあ PL-50
とりお KP-1100


●針
・MM:
 すたんとん W.O.S
 しゅあ~ V15TypeⅢ(VN35HE)
・MC:
 でんおん DL-103S
 お~でぃおてくにか AT33E


==============================


なのですが、
初っ端から興を殺ぐお話を、せねばならないこの辛さ。。。


このとき聞いた限りとはいえ、こと907DRさん は、
「あなろぐれこーど」のあしらいかたに、慣れてるように思えなかったのです。


もちろん、あくまで中古の機械。
個々の機材の個性や程度も、加味しなければならないでしょう。


けれども、
どれだけ暖機運転しようと、また繋ぐ針を変えようと、
ライン接続で魅せられた、中高域の爽快感やら、
見通しの良い音場などは、影を潜めてしまったようで、
一見はっきりしているけれど、何か確実にくぐもっており、
それはAVあんぷやら、安手の「ばすれふ」すぴーかなどに、
どこか通じる音でした。


==============================


そういうわけで、この戦いに関する限り、
907DRさんは、早々とお引取り願い、
気を取り直して次に据えたるE-305様


それはこのわたくしが、「あなろぐ」に、
無意識のうちに期待している、要素とは向きが違ったけど、


でも信号をごまかさず、




と言う、気迫に満ちていたのです。


特にKP-1100様に、でんおんDL-103S様を、
繋いで鳴らしたときなどは、本領発揮の最たるものか、
名機DL-103 の、でも丸針の「汚れた」感じを、
楕円の針が払拭してなお、そこに留まらぬ線の細かさは、
幾つもの手の一つひとつに、施されたる異なる細工を、
つぶさに眺めるようでした。


木の内に宿る「魂」を、彫り出し形を成さしめるような、
「求道者」の如きその気迫には、国宝だったり重文クラスの、
骨董品を眺めるうちに、いつしか自然と頭が垂れる、
そんな威厳をも見て取れたのです。
そんな世界に触れられたことは、この下賎なる身に余る、
「学び」の機会だったのでしょう。



でも、
れこーどを鳴らすたび、このわたくしのお部屋まで、


渋い金属光沢放つ、イケ面細マッチョな仏様 が、


「説教」に来るようなのです。

※ ストイックなくせに、キラキラきんきらきんキラキラっていうのも。。。


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ひとくちに同じ「やすらぎ」といえど、
「悟り」を極めて至るやつとか、「あの世」に行って得られるような、
抹香臭さを感じるやつとは、違ったものにしたいなぁ。。。
その点、慣れたL-540様 が、好みのツボには一番近く、


改めて耳にした音は、春風駘蕩のどかな巷を、
流れ行く川の温和さの中、コブシの利かせどころも踏まえた、
気持ちが華やぐ部分も見せて、ついでに言えばソースや針の、
多少の粗には目をつぶる、大人の風格感じさせ、


中でもPL-50様に、AT33E様を繋ぎ、
鳴らしたときは互いの気質が、いっそう引き立つでようあり、
匂い立つような倍音の、その耳触りも花びらの如く、
滑らかな中に後光にも似た、暖かい「気」を放つようでした。



でもまぁ、贅沢を言い始めるときりがなく、
E-305様を知った後では、もそっとくっきりせんかのぉ、などと、

特に中域は密度感こそ、十分なれどあと一息の、
締りがあったら申し分ないのにぃ。。。と。


それと(むしろこちらが大事)、
物憂げでなきゃいけない曲さえ、何故か 「ほのぼの」 に持ち込んでしまう、



やや過剰気味な演出にも、気づいてしまったようなのです。
(→次回につ・づ・くドキドキ

年の瀬を控えその忙しさに、かまけて続きをうっちゃっていたら、
新年どころか旧正月をも、迎える始末だったのです。


されど、賎しくも「三國志」を冠する以上、
自宅おーでぃおの「覇権」を巡って、起こった二つの争いを、
書かないままでは捨て置けず、

まずは当ブログ最初期に、ご紹介した「まぐねぱん」様は、
SMGa親方
相手の、「ぶつかり稽古」のお話に、
お付き合い頂きたいのです。


なぜなら、
ここに至る数年間は、この親方の特徴である、
大面積の振動「膜」の、「暴虐非道」 をどうあしらうかが、
おーでぃお面での課題であって、
戦国時代さながらに、あんぷをとっかえひっかえした理由の、
半分は先に書いた けど、もう半分はそれが故であり、
されど築いた屍の、山もなんとまた多いことやら。。。
※ あえなく散ったお歴々については、こちらこちら もご覧くださいまし。


でも、ここに揃えた俊英は、いずれもバブル絶頂期の、
名だたる高級ぷりめいん。
※ 異論はありましょうが、「安さらりーまん」のご愛嬌っつーことで。


金のかけ方がきょうびのあんぷと、一線画すはもちろんのこと、
何よりSMGa親方の、デビューは確かバブルの入り口。
相性面での期待も高く、「勝算あり」と踏んだ訳であり、


3台並んだその精悍さは、巨漢の宰相董卓を、
討ちてしやまんと結集したる、群雄の如き面構えであり、
あるいは暴勇呂布に立ち向かう、張飛に関羽、劉備のごとく、
火蓋が切られた戦いの、一部始終をば書き連ねると。。。


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最古参のL-540様 と、SMGa様はそれまでにも、
幾度となく相見えておって、改めて対峙した印象も、
それまでのものと大きく変わらず、
下手に鳴らせば湿度の高い、ぬるい雰囲気に傾くところを、
多少フォーカスは甘いけど、必要以上に線を崩さず、
適度な潤い残したままで、女盛りの柔肌の如き、
熟れた歌声を聴かせたのです。


それだからこそ幾年の、激戦をくぐり抜けてきたわけで、
これでもう少し低域に、きびきびとした俊敏な腰が、
加わったならわたくしとしては、非の打ち所がない音だったけれど、
でもその点はセッティングやら、再生機器やら変えたところで、
埋めがたいもののよう でした。。。
※ 逆に申せばその恨みを晴らさんとしたが故の遍歴だったわけでして。


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と、まずは、慣れたあんぷで、その傾向を確認してから、
敏な指揮ぶりを期待して、E-305様 をあてがったところ、


SMGa親方からは、それまでに耳にしたことのない、
整然とした音が鳴ったのです。
加えて期待を違えない、芯の入った低域で、
一糸乱れぬ統率をもって、振動「膜」を従えたという、
そんな印象を持ったのです。

そうした意味では「おーでぃお」的に、優等生ではあろう、

けれども、


特徴的な肉感や、気配の如き存在感、
何より平面型に共通の、美質と見えた楽天的な、
開放感は生きているか?と、


そこの部分で期待する向きと、方向を異にしたようなのです。
確かに規律の良く行き届き、恐らくまずは失敗しない、
それはハードな戒律を、モットーとする宗教のような、
「制御」ぶりではあったけれど、厳しい躾に徹するあまり、
表情乏しく育った子供の、「きゅうくつ」感にも似た雰囲気を、
どこかに感じてしまったのです。


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もっとも、ここまでは予想の範疇で、
だからわたくしは、めげなかったのです。


なぜなら、
理想の伝送を追い求め、カジュアルな歌も忘れない、
907DRさん の、開放的な声があったから。


されど結果は 「大番狂わせ」 としか、

言いようがないものでした。。。


中高域の美しさやら、透明感や浸透性など、
907DRさんの、面目躍如でありながら、
でも肝心の中域以下は、実際のところ出ているのだろう、
されど薄めに聞こえてしまい、


だから音楽の安定感をば、欠いた腰高な表現として、

わたくしには感じられたのです。


これとよく似た印象は、下位機種である607さんの、
歴代のラインナップ
で、すでに感じていたことでした、

でもそれは妹が故のことだと、

あれだけ巨大な電源に、支えられたるお姉さまなら、

万が一にも、と思っていたけど、

その大掛かりな電源は、「ばらんすあんぷ」を支えるが故の、
すなわち「すてれお」あんぷに倍する、4つのあんぷに食わせるが故の、
従いまして巷間流れる、噂は的を得ていたようで、

SMGa親方の持つ、「4おーむ」 という 「いんぴーだんす」 は、
やや分が悪いようでした。


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かくして、ぶつかり稽古の相手選びは、
今回もまた、決め手を欠いたのです。


でも、実を申せば、

振り出しに戻った相手選びも、
実を申せばその半年後、悩みの元が消えてしまったのです。


なぜなら、
押入れの中に匿い忘れた、SMGa様のお姿を、
目ざとく見つけた女房が、「これは何なのっ?」 と騒ぎ立て、



無駄遣いばっかりして!

やっと借金も片付いたのに!!


。。。以下、2時間半にわたる押し問答と女房のヒートアップを中略。。。


自宅リフォームをきっかけに、断捨離かなったわたくしの部屋が、
再び足の踏み場にも、事欠いたことを咎められ、

おーでぃお上の「覇権」なんぞは、どこ吹く風と権勢を振るう、

わたくしの家の「絶対君主」に、逆らうことはままならず、


「そんなもの」、

いらないでしょ!!!


の、一言に、

泣く泣く手放す羽目になったから、なのです。
※ でもおかげで3つのあんぷには矛先が向かず(笑)

此度ご紹介のこのひとには、2004年は葉月の頃から、

連れ添う仲にも拘らず、ずいぶん不義理を働いたのです。


言い訳すれば早い時期から、結ばれたことで世間知らずに、

なってしまうという危機感に、突き動かされたわけでして、

なかでも先回までにご紹介した、あきゅふぇーず様山水さん の、

値段も時期も程近い、2つのあんぷを囲ったことは、

このはしたない浮気遍歴の、象徴のごとき 「罪」 なのです。

※ 他に大物だけでもこんなの こんな連中 、小物も入れたらそれこそ数知れじ。。。


B級お~でぃお色ざんげ (旧 B級お~でぃお珍道中)


ともあれ、

出力にして15わっとまで、A級動作領域という、
実質的に 「ぴゅあA級」 と、呼んで差し支えないこのひとを、
初めて自宅のセットに組み込み、奏でた音を聞いたときこそ、


「高級あんぷ」 (※ 購入価格は下記参照) の醸し出す、

「至福」 の縁に初めて触れた、瞬間だったに違いないのです。
※ 中古で 園也!!!

(しかもメーカーメンテ済み。買い物自慢 (笑)の中でも、トップクラスのお値打ち品 ヾ(@^▽^@)ノ )



それは、少なくともその時点で、

耳にしていたどの 「あんぷ」 より、


陰影豊かな中低域に、支えられたる濃ゆい密度の、
でも暑苦しくない 「ある・でんて」 などと、呼んで見たくなる中域に、
ぎらぎらとした強調感とは、まるで無縁の中高域は、

上手に入れた紅茶が醸す、香りのように華やかなれど、

気品に満ちた趣で、


一言で言えば、
「ナチュラルメイクな (プチ) セレブのマダム」 (そこはかとなくフェロ悶々)


という印象を持ったのです。
※ ぜんぜん一言じゃないっすね。


もちろん、

金さえ積めばこのひとよりも、絶対的に 「お高い」 音を、

奏でるあんぷも星の数ほど、見出せるには違いなく、

目をつぶってても指差させるような、「鮮度」 だったり溌剌とした、

若やぐ感じはこのひとよりも、優れて聞こえる面々も、

他にいくつも思い出せるのです。

加えて言えば 「生音」 の、再現こそが、「おーでぃお」 道の、

本分であると求めたときにも、ちょっと違って聞こえるでしょう。


でも、

電気信号に変換された、音を新たに再現するとき、

結果が 「リッチ」 に聞こていれば、値段は関係ないんじゃないの? と、

また信号の 「歪み」 にばかり、気を奪われるその前に、

あるいは音の 「逞しさ」 ばかり、求めてしまうその前に、

「音楽」 そのもののエッセンスをば、 再現してこその 「おーでぃお」 じゃない?と、



奏でられたる音の随所で、そんな囁きが聞こえるのです。



そこには、

「とらんじすた」 が再生し得る、世界に聳える 「特性」 を知り、

たぶん生真面目に音を追ったら、途方もないほど金が掛かって、

実際のところ売れる値段には、とうてい収まりきれないだろうと。

それなら無論基本を踏まえた、最低限度の基礎体力は、

必要なれどそれさえ適えば、その特性を逆手にとって、

いい塩梅に味付けしちゃえ!!!、とか、

たとえ儲けが薄くとも、その枠内を楽しんじゃえ!!!、という、


予算不足がバレバレな、昭和中期の歌謡曲やら、

アニソンやらのバック演奏が、やたらと巧い理由にも似た、

思惑を見て取れた次第で、さりとて下品に流れないのは、

血筋が故の矜持というか、「躾」 のモラルなんでしょうなぁ。



そんなお声がちょうどその頃、肩肘張ってくたびれ始めた、

わたくしの耳に文字通り、 「福音」 の如く鳴り響き、

先述の通り 「世間知らず」 が、故の不義理も数多く積めど、

逆に申せば 「浮気」のおかげで、このひとを娶った幸福の、

価値をば確認できた次第で、


らっくす様の大名跡である、L-570 と同一の、

哲学的なパネルフェイスは、それから暫くわたくしの内の、

「おーでぃお」 という 「宗教」 上の、


まさに 「ご本尊」 となったのです。