はなからこんな話を書くのも、まったくもって気が引けるものの。。。
ひところの日本びくたー様の、機械の見た目や広告センスは、
それを良く言えば「中身で勝負」、臆せず本心申し上げるなら、
「ださださ」 だったと思うのです。
私が記憶している限りでの、最たるものをここに書くなら、
確か90年代中期の、シアターコンポのパンフのコピー、
“置いて半畳、効果は劇場”
それを目にしたわたくしの、心の内を満たしたもの、
それは“劇場”のほの暗さでなく、
どす黒いまでの“激情”だったのです。
※ 感覚がOyazyな上司やクライアントの説得って大変ですのぉ。。。
でも、
万年課長に諂い続けた、鬱積ぶちまけるが如く、
ごくごく稀には突き抜けた、意匠の機械も出てくるようで、
こたび紹介のこのひとも、そんな御品と思われるのです。
※海外向けのミニコンなんかは毎度突き抜けまくっとりましたがのぉ
2003年は年の瀬の頃、柿生
の奥のリサイクル屋で、
その存在は知ってたけれど、始めて目にした実物の、
巷間目にする謳い文句は、「大理石調」らしいけど、
※ちなみに、Fシリーズのハイコンポとセットで4000円
(→そっちは速攻で中古おーでぃおショップ行&12000円の利益キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!)
正直言ってわたくしの眼には、
髪の毛に見えて仕方なく。。。
でもそれなりに気品を持たせて、まとめているのは艶黒仕上げの、
「あるまいと」 製ばっふる板が持つ、質感が故なのでしょう。
※ というか、このバッフルを使うが上で「冒険」したのでしょうなぁ
激しく魅かれたわたくしは、当初の用事もどこへやら、
このひとを購め家に持ち帰り、さっそく鳴らしてみたところ、
見た目に違わず独特の、お声を聴かせてくれたのです。
能率面では実はそんなに、高いわけではないけれど、
「籠り」などとは全く無縁の、捌けた鳴りが小気味よく、
そこに加わる伝統深き、「しるくどーむ」 の塩梅の良い、
湿りの加減もなかなかで、でもそれだけなら優等生の、
音の括りで終わりのところ、
どうしたわけか、中音域で、
渋めの 「艶」 を感じたのです。
率直に書けばその艶を、手なずけるはやや難しく、
下手なアンプをあてがおうなら、虚空に浮かぶ音像の縁も、
どこか滲んでふやける始末。
フットワークの軽いウーファーも、裏を返せば無駄な動きを、
抑えられなくば 「ゆるフン」 調の、流れに勢い傾くのです。
されどひとたび足腰の、強い相方にドライブされれば、
滲みは一転 “痘痕も笑窪” の、不思議な魅力に転化するようで、
当時メインで使っていたのは、やまはのAX-1200様
。
その力強き中低域と、おっとりと丸い高域は、
このひとのキャラと相性が良く、
2年ほど後に手に入れた、らっくすのL-540様 も、
各々が持つ歌い回しを、引き立てあうかのようでした。
ところで、この文章を書きながら、
ひょっとしたら?と頭を掠めたことがあり。。。
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当時の広告見た感じだと、このバッフルの採用意義は、
強度の確保はもちろんのこと、ウーファー周りの制振および
(ついでにエンクロージャー共振の)、干渉排除と思えるのです。
恐らく当初はそのつもりだった、
でも実際に作ってみたらば、逆に盛大な鳴きがでて、
処理に困ったんじゃなかろうか?
されど、
”ひょっとしたらばいい塩梅で、美音に転化できやしないか?”と、
後年に出た高級機である、SX-V1様
の、
広告のほうは「響き」のほうを、大々的に売りにしてるけど、
実は行き当たりばったり的な、着想による開発では?などなど、
巡る邪推は果てしなく。。。
※A103 様ではコピー修正が間に合わなかった?
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そのまま暫くサブのシステムに、組み込まれていたこのひともまた、
2007年にわたくしを、突如襲った財政難の、
質草に消えてしまったけれど、
まっとうな音と見せかけて、個性あふれるその存在は、
飼いならされたニッパーくんの、「牙」に思えてならないのです。
※サイズ含めてかわいいもんですがの(笑)