CDS-999様
の、誘惑に深く溺れていたら、
十個も受けた大学の、「九つ」までを滑り落ち。。。
※9尽くしの呪い?
どうにか一つ引っかけて、胸なでおろしたわたくしは、
たまった鬱憤晴らさんとして、さっそくショップの行脚を始め、
でも群れをなす単品コンポの、奏でる音に触れたが早々、
憂いに染まってしまったのです。
どうして、うちの「こんぽ」の音は、
高いほうが「丸まっちい」のじゃろう。。。
所詮「みにこん」である以上、それは当然の話であって、
されど「あんぷ」と「すぴーかー」には、ひとかたならぬ思い入れがあり、
おのずとCDぷれーやーへと、その矛先が向かった次第。
当時は既に陳腐化していた、「4倍おーばーさんぷりんぐ」の、
でじたるフィルターだということも、疑いの目が向いた理由で、
そこで白羽の矢を立てたのは、デビュー間もなき「1びっとDAC」、
中でも評価が飛びぬけていた、このひとの姿だったのです。
バイトで稼いだ金を握り締め、お茶の水の某老舗しょっぷへ、
再度出向いたはその半年後。
ちょうど期末のセールとやらで、定価598のこのひとを、
4万円を僅かに切った、破格の値段で手中に収め、
これこそまさに最先端の、技術だ音だと言わんばかりの、
他では見れない「がんめたる」色の、ガタイもさすがに堂々として、
えらいセンセが揃って褒めてる、「絶品」の音はいかばかりか?と、
Playボタンを押してみたらば、
特に木管の独奏だったり、アカペラなんかを聴いたとき、
柔らかくかつスッキリとして、優しく耳に囁くような、
ブレスの掠れの艶かしさや、滑らかに踊る抑揚の、
そんな表現はこのひとの、独壇場でありました。
※さすがに今となっては寄る年波にかないませんがのぉ
でも、
な~~~んか、腰が入らないのぉ。。。
と、
思いもかけず湧き出てしまった、ポジティブと言えぬ感情を、
縊り殺すのにも、苦労したのです。
※だってなけなしの銭叩いたのによぉ。。
それは往時の「1びっと」ならば、宿命的に持っていた、
弱点だったに違いなく、その「柳腰」を逆手に取って、
羽二重の如くたゆたう音に、仕立てた機械もあった中では、
このひとの音の厚みは確かに、健闘していた部類なのでしょう。
しかし極めて低い音域の、腹の据わった「手ごたえ」などは、
むしろ999様のほうが、しっかり聞かせてくれたようなのです。
※ まぁ当時はまともなセッティングしてなかったので、余計に腑抜けとったのでしょうなぁ
。。。で、このとき覚えた疑問と混乱、すなわち、
大手雑誌の評価であるなら、嘘など微塵もないはずと、
若さが故の純粋無垢な、思いが揺らいだその瞬間こそ、
現在に至る珍道中の、始まりだったに違いなく、
爾来二十有余年、数多の機材が通り過ぎる中、
このひとが生き永らえた訳は、美質を認めるその一方で
“ひとの言うことは鵜呑みにできん!!!”
という、
自らへの戒めのためでも、あったりするのです。