2022年10月半ば頃に一人で廻った東北の温泉修行旅。
いくつか続いた小野川温泉シリーズ、今回が最後となります。この旅はもちろんまだまだ序盤ですが!
本編前にここまでの投稿を順番に並べたリンク集から。
泊まった旭屋旅館で早朝に湯を堪能した後、朝食(8時)迄の時間に別の宿の湯を1ついただくことに。
向かったのは共同浴場「尼湯」の左側を進んだところにある「高砂屋旅館」。
やはり唐破風の玄関構えが威厳と味わいのあるお宿。
こちらには旭屋旅館で買った湯巡り手形「夢ぐり」の独楽を使用。
写真↑は使いまわし。
おさらいすると、1200円で宿の湯に3つ入れる。
立寄り入浴料が300円や400円の宿もあるので使い方は要注意
小野川温泉 高砂屋旅館
7時過ぎに到着。
こちらの立寄り可能時間は7時~10時、15時半~20時で不定休。
黒い梁も魅力的な館内。
玄関入ってすぐ右にはお釜が2つ。
お釜も気になったがその向こうにたくさん掲示されている温泉分析書関係の書類がもっと気になる
結果的には脱衣所にもしっかり掲示してあったので、ここでしつこく撮影やメモする必要はなかった。
玄関入って左側には小あがりがあったり、その他も独特な雰囲気だけど全体的には調和がとれていると思った。
しばらく土足のまま進み、大きな古めかしい靴箱↓に靴(ぼくはクロックスだけど)を入れて、先へ。
寄りの写真はないけど、すぐ先の右が受付。
ご主人に立ち寄り入浴料500円の代わりに手形(独楽)を渡してシールを剥がしてもらう…なかなか剥がれないんですわ、これが。
今はスマホのアプリの手形もあるので、そちらもご利用あれ。
それでは階上にある浴場へ。
宿は全10室とのことだけど、なかなか大きく見えた。
二階に上がってからも少し進む。
浴場は男女別にそれぞれに内湯と露天風呂。
他に露天風呂付の客室が3つあるらしく、もちろんその部屋に泊まった人専用。
大浴場は宿泊した場合、朝は5時から入れるみたい。
7時過ぎの状況で、宿泊客と思われる先客が3人いたけど、しばらくしたら貸切状況となった
では浴室内へ。
内湯は一つの浴槽がゆるく区切られている。
先に明かすとそれぞれにあまり温度差はなかった。
洗い場はカラン&シャワーが数セット。
他と同様、源泉は出ない。
それでは内湯のお湯のお話。
ほぼ無色透明な湯は源泉名が「協組4号源泉、協組5号源泉」の混合泉。
混合泉状態の分析書があった。
それによると源泉温度44.5度、pH7.3の含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。
成分総計の表記はなく、蒸発残留物が4.879g/kg、溶存物質総量が4.181g/kg。
この状態で完全かけ流しにて使用している。
真ん中やや奥側にご覧の境が作られているが、中の湯はかなり行き来が自由になっていて、双方の温度差はほとんどない。
浴槽で体感40~41度ほど。
混合泉の状態で源泉の成分について簡単に抜粋。
陽イオンはナトリウム1003mg、カルシウム709.4mg、カリウム80.2mg、マグネシウム7.2mg、マンガン0.4mg。
陰イオンは塩化物2177mg、炭酸水素61.7mg、硫酸44.9mg、チオ硫酸8.7mg、フッ素2.2mg、硫化水素1.0mg。
遊離成分ではメタケイ酸80.2mg、メタホウ酸5.9mg。
その中で溶存ガスでは遊離二酸化炭素22.2mg、遊離二酸化炭素0.6mg。
総硫黄を計算すると約6.511mgとなり、計算上は4号単独よりも数値が高い。
混合泉でもタマゴ臭があり、タマゴ味と塩味、ダシ味がそれぞれするが、全体的に風味は淡めだった。
湯口の温度を測ってみると。。。
46.7度と分析書よりかは高いけど、十分入りやすい温度にまで混合されて下がっている。
試しに湯口の上を覗いてみると。。。
白い湯葉状の湯の花に覆われるように2つのパイプ、すなわちそれぞれの源泉のパイプが見えた。
浴感はやはりしっかりとしたスベスベ感。
浴槽内で白い湯の花の状況はそこそこの量。
それでは露天風呂へ。
小ぶりな露天風呂、こちらは混合泉でなく「協組4号泉」の単独使用
すなわち内湯と露天で違う状況の源泉に入ることができる。
熱い4号泉も完全かけ流しで使用。
浴槽の脇に何やら由来か由縁が書かれた木碑?があった。
字がかすんでいてなんと書かれているか分からない。
表題が「五つ星源泉宿」となっているのは読めた。
こちらのお宿、「五つの心の宿」というサブタイトルが付いており(この投稿一番上の写真)、それは「温泉の心・旅の心・自然の心・人の心・食べ物の心」のことらしいけど、このかすれた字がその話なのかは不明。まあいいか。
4号単独の源泉情報も他のものよりコピペ。
源泉温度78.8度、pH6.8の含硫黄-ナトリウム・カルシム-塩化物温泉。
蒸発残留物が6.349g/kg、溶存物質総量が4.456g/kg。
源泉の成分の抜粋。
陽イオンはナトリウム1010mg、カルシウム354.7mg、カリウム104.4mg、マグネシウム3.4mg、マンガン0.4mg。
陰イオンは塩化物2373mg、炭酸水素103.6mg、硫酸70.4mg、チオ硫酸5.4mg、フッ素1.0mg、硫化水素0.7mg。
遊離成分ではメタケイ酸66.3mg、メタホウ酸6.8mg。
その中で溶存ガスでは遊離二酸化炭素40.9mg、遊離二酸化炭素0.5mg。
総硫黄を計算すると約4.238mg。
浴槽の温度を測ってみると。。。
43.1度と内湯よりも熱い。
源泉の風味も内湯よりも濃いめ。
コクのあるタマゴ臭、タマゴ味に塩味とダシ味がくっきり。
湯口の温度を測ってみると。。。
湯口ロードの中ほどで62.0度。
最上部分だともっと高いでしょう。
少しでも源泉に近い温度といい、風味の濃さといい、やはり4号単独の露天の方が気に入った
とはいえ温度の違う内湯へとの交互入浴も時間の許す限りやってみたり。
この後、泊まっていた宿の朝食時間(8時)に滑り込むように戻り、それが「小野川温泉 旭屋旅館 <朝食編>」となるのでした。
小野川温泉のお話はこれで終了。
二泊目の宿も山形県なので、この後の温泉もしばらく山形県の湯。
それらの投稿の前にちょっと別ネタをいくつか挟む予定。
小野川温泉 高砂屋旅館
山形県米沢市小野川町2427
0238-32-2224
立寄り入浴料500円のところ、夢ぐり独楽のシール1枚
7時~10時、15時半~20時
【内湯】
<源泉名:協組4号源泉と協組5号源泉の混合泉>
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(低張性・中性・高温泉)
44.5度
pH7.3
溶存物質総量 4.181g/kg
蒸発残留物 4.879g/kg
ほぼ無色透明
タマゴ臭あり
淡タマゴ味、淡塩味・ダシ味あり
しっかりとしたスベスベ感あり
湯の花はそこそこ
完全かけ流し
【露天】
<源泉名:協組4号源泉>
ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(低張性・中性・温泉)
78.8度
pH6.8
溶存物質総量 4.456g/kg
蒸発残留物 6.349g/kg
無色透明
コクタマゴ臭あり
タマゴ味、バランスのよい塩味とダシ味あり
しっかりとしたスベスベ感あり
湯の花はそこそこ
完全かけ流し
2022年10月入湯
※数値はH23(混合)、H27(4号)の分析書より