2019年10月の鹿児島ひたすら一人湯旅シリーズ。
初日最後は泊まった宿の温泉編。
そんな初日の行程はこんな感じ。
ラーメン楽天 日当山店 (食事)
居酒屋 ひろみち (食事)
温泉は当然夜にも入ったが、ここは翌朝のクリアな写真のみ使ってお送りする。
指宿温泉 温泉宿 元屋 <温泉編>
浴場は泊まった部屋のある建物とは別棟になる。
これが何ともシブい湯小屋
「温泉宿 元屋」の看板も凛々しい。
洗濯機は湯治客用なんだろう、おそらく。
入口から男女別に分かれており、基本的に宿泊客はいつでも入れる。
立寄り入浴は受け付けてない。
この湯に入るにはこちらに泊まるしかない、のみ不可の宿なのである。
基本的にグループごとに貸切使用。
さらに嬉しいことに自家源泉なのである
すぐ近くにある公衆浴場の「いぶすき元湯温泉」と同じ源泉なのかと思っていたが、どうやら違うようだ。
いぶすき元湯温泉は定休日で入れなかったので自分自身で確認はできなかったが。
細かいことは置いておき、こちらの浴場に入ろう。
そういうわけで、終始独り占めで入浴。
手作りかどうかは分からないが、自作感のある味わい深い浴場だ。
浴槽は3人ぐらいまでの規模だろうか。
洗い場には長期滞在客用と思われるタオルや私物がある。
シャワーはなく、水と源泉が出るカランが2セット。
もちろん源泉が出る。
では使用されている源泉を見ていこう。
源泉でほぼ無色透明、浴槽で微白黄色ささ濁りの湯は、分析表で温泉名「温泉宿 元屋」となっていた。
実際の源泉名はおそらく○○何号とかだと思われる。
源泉温度72.8度、pH6.8のナトリウム-塩化物温泉。
成分総計は12.70g/kgの高張性の温泉。
湧出量は動力揚湯で27リットル/分。
この量だからやはり自家源泉単独使用であろう。
なお分析表は男湯内にはなく、後程観察だけさせてもらった女湯に掲示されていた。
この熱い湯を加水することなく完全かけ流しで使用している
排湯口の析出物の層も素晴らしい。
ナトリウムイオンや塩素イオンの他に目立つ数値は、陽イオンならカリウム276.9mg、マグネシウム115.1mg、カルシウム672.9mgあたり。
陰イオンは硫酸イオン351.3mg、炭酸水素イオン109.2mgと大した数値ではないが、臭素イオン19.9mgはわりとある方か。
そしてメタケイ酸の317.3mgはなかなかの値だ。
熱い湯を加水しないでかけ流すため、湯口は「装置」となっていた
ぼくはこういう湯口が大好きだ
樋と扇風機で温度を下げつつ、さらに投入は浴槽直でなく垂直なパイプを経由させている。
析出物や沈着なども何とも美しい。
魅惑の焦げたダシ臭が芳しい。
強い塩味と淡いダシ味がする。
それぞれの地点での温度を測ってみる。
一番上流で62.1度。
そこから樋を流れ、浴槽内の垂直塩ビ管へ。
この時点でまだ53.7度ある。
ここから浴槽の底を通って浴槽内に行きわたると温度はどうなるか。
浴槽の湯は十分に温度が下がっていた。
何と40.1度。
そこまで下げなくてもよいレベル
加水しなくても湯口装置で22度も下げたことになる。
オレンジ色の湯の花が少し舞っていた。
そして塩化物泉らしいスベスベ感がある。
存在感のある指宿の湯を完全かけ流しでいくらでもじっくり味わえる秀逸な浴場だ
この湯に24時間入れて素泊まり2800円は安すぎる
湯小屋の女湯の入口が開いており誰も入ってなかったので観察だけさせてもらうことに。
男湯よりも広い気がする
少なくとも浴槽は広かった。
使用源泉は同じ。
湯口装置もほぼ同じ構造。
女湯を観察させてもらったから分析書を確認できたことは先に述べた通り。
指宿の湯を十分に堪能できる、まさに湯治のための宿。
源泉至上主義の湯マニアには絶対的にオススメできる
指宿温泉 温泉宿 元屋
鹿児島県指宿市湯の浜5-19-4
0993-24-2852
素泊り 2800円(税込み) ※立寄り入浴不可
ナトリウム-塩化物温泉 (高張性・中性・高温泉)
72.8度
pH6.8
成分総計 12.70g/kg
27リットル/分(動力揚湯)
源泉でほぼ無色透明
浴槽で微黄白色ささ濁り
焦げダシ臭あり
強塩味、淡ダシ味あり
スベスベ感あり
オレンジ色の湯の花少しあり
完全かけ流し
2019年10月入湯
※数値はH17の分析書より