2019年10月の鹿児島湯巡りシリーズ、初日編はいよいよ泊まる宿のある温泉地へ。
恒例のこれまでの流れ。
1.重久温泉
2.ラーメン楽天 日当山店 (食事)
3.永盛温泉
4.湯の華温泉
5.大黒温泉
6.天然温泉 湯之山
7.川辺温泉
宿のある温泉地とは言わずと知れた鹿児島を代表する温泉の一つ、指宿温泉。
宿にチェックインする前に点在する指宿温泉郷の共同浴場に少し入っておくことにした。
まずはJRでいうと指宿駅の手前にある二月田駅から徒歩圏内の、二月田温泉「殿様湯」へ。
18時を少し過ぎて到着。
同時に日が暮れて来た。
営業時間は7時~21時。
毎週金曜が定休日だが、祝日や盆暮れ正月は営業しているらしい。
なお駐車場も10台分ぐらいはある。
2つの建物からなっており、手前で受付、向こう側が浴場である。
二月田温泉 殿様湯
さて、なぜ故に殿様湯なのかというと、「第27代島津斉興が天保2年(1831年)に長井温泉行館をここに移し、殿様が入ったため、殿様湯と呼ばれるようになった」byいぶすき観光ネット。
敷地内には当時実際に殿様が入った浴場が残されていたそうだが、日が落ちてしまい確認しなかった。
そんなお殿様が入っていた湯を共同浴場として一般開放されているのだ。
共同浴場として通常は銭湯料金(県の浴場組合)に準じているのだが、指宿温泉郷は他よりも料金が安く設定されている。
値上げして、350円であった。
それでは男湯へ。
いわゆる普通の共同浴場的な脱衣所。
この時点で殿様感は無い
18時を過ぎていたため想定はしていたが、先客が3人ほど。
真ん中の浴槽の左右にお湯と水のカランがある洗い場。
右は2セット。
左にも2セット↓。
源泉からくる茶系の沈着が床と壁に見受けられ、桶や椅子の棚の上には適応症や入浴者心得などが掲げられていた。
湯のカランからは源泉が出る
浴槽は2つに分かれているように見えるが、小さい方は熱い源泉を溜めるところ。
浴槽自体は数人が入れる規模。
微黄白色ささ濁りといった色合いの湯は、源泉名が「二月田 8号」。
源泉温度56.3度、pH6.4のナトリウム-塩化物温泉。
成分総計は5.502g/kg。
なお湯の色はタイミングによってかなり違うようで、もっと緑色っぽかったり、また青っぽいときもあるようだ。
源泉自体はほぼ無色透明。
熱い源泉は一度湯溜めに注がれて自然に冷まされる。
真上から見るとパイプが2本あることが分かる。
真ん中のパイプから源泉が出て、ある程度の量になったら手前側の少し長いパイプから湯口を通して浴槽に注がれる構造。
基本的には完全かけ流しなのだが、浴槽に向けられた蛇口からセルフで加水できるようになっている。
また温度計を忘れたのだが、ぼくが訪れたときで体感44~45度の熱めだった。
その状態でご覧のように↑、ごく僅か加水されている状況だった。
この加水がないと46~7度ぐらいになり、さすがに共同湯としても熱すぎるってことなのだろう。
そして沈着しっかりの湯口は島津家の家紋、十字紋。
ここで殿様感がグッと上がった
淡い金気臭と、コクのあるダシ臭がある。
いわゆる昆布ダシ味と塩味、僅かな鉄味が感じられた。
ナトリウムや塩化物イオンの他に目立つ数値だと、メタケイ酸の241.5mgあたりか。
たまに青くなるのはその影響だったりするのかもしれない。
硫酸イオン290mgに対し炭酸水素イオンは57.9mgなのでどちらかと言えば硫酸塩泉系だが顕著な数値ではない。
陽イオンだとカルシウムが282.4mg、鉄(Ⅱ)が2.5mgとか。
ここまでツルスベ系の湯が多かったが、ここにきてスベキシ、それもキシ寄りな感じの浴感。
熱くて総計もそこそこの塩化物泉、なかなかの入り応え。
浴後はなかなか汗が引かなかった。
建物の外に飲泉所があった。
ここでの風味はほぼ塩昆布味だった
この後は宿に向かう前にもう1湯だけ、激シブ共同浴場へ。
二月田温泉 殿様湯
鹿児島県指宿市西方1408−27
0993-22-2827
入浴料 350円 (指宿の銭湯料金)
7:00~21:00
定休日 毎週金曜(祝日、盆、年末年始は営業)
<源泉名:二月田 8号>
ナトリウム-塩化物温泉 (低張性・中性・高温泉)
56.3度
pH6.4
成分総計 5.502g/kg
源泉でほぼ無色透明
浴槽で微黄白色ささ濁り
淡金気臭、コクダシ臭あり
昆布ダシ味、塩味、微鉄味あり
スベキシ感あり
完全かけ流し (セルフ加水かけ流し)
2019年10月入湯
※数値はH21の分析書より