「San、San、・・・」とインドネシアの人に呼びかけられることがたびたびあって、「San」がインドネシア語ではないようだし、英語にしても意味が通じない、何のことかなぁ、としばらくはわからないままにしていたことがあります。そして「San、San、・・・」と何回目かに呼びかけられたとき、それも私にではなく、そばにいた他の日本人にインドネシア人が話しかけているのを見て、やっとその意味が分かりました。

 

インドネシア語で敬称を付けて人を呼ぶときに、男性の場合は「Bapak(バパ)」、または略して「Pak(パ)」、女性には同じように「Ibu(イブ)」または「Bu(ブ)」を名前の前につけますが、後に続く名前を省略して「バパ」なり、「イブ」だけでも丁寧な呼びかけになるのです。これがさしずめ英語なら、敬称だから「Mr(ミスター)」なり「Mrs(ミセス)」になり、これも後に名前が続かなくても呼びかけに使えるので、同様に日本語にすると、敬称である「さん」でもって名前がわからなくても丁寧に呼びかけることができる、とそのインドネシア人は考えていたのです。

 

日本人と接することの多い日本食レストランのウェイトレスが、覚えたての日本語を使って話すときによくこのような過ちをします。日本語では「さん」だけでは使わないよ、名前の後に「さん」を付けるのだよ、と教えてあげるのですがなかなか理解しにくいようです。

 

否定疑問に対する否定の答え方が、日本語では「はい」であるのに対し英語だと「No」となるのが、日本人にとっては混乱するのと似たようなものかなぁ、と思ったりしました。ちなみにこの場合インドネシア語では、日本語と同じように「Ya(はい)」と答えます。

 

(子供たちは写真が大好き@パダン)

 


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