猛暑日とは気象庁が2007年4月1日から使用し始めた気象予報に関する用語で,最高気温が35℃以上に達した日のことです。それまでは最高気温25〜29℃を夏日,同じく30〜34℃を真夏日という用語しかなかったわけですから、日本の夏は近年暑くなっているということでしょう。
猛暑日という言葉が指定されたころからでしょうか、夏にインドネシアへ行く日本人から、「インドネシアの方が日本より涼しい」とか、「インドネシアへ避暑に来たみたい」というようなことがよく聞かれるようになりました。先日も中部ジャワへ行っている友人が、「気温は30度くらいで夜になると何か羽織るものが必要になるくらい涼しい、日本にいる方々に申し訳ない」と言っていました。
私がジャカルタで生活していた1990年前半のころは、日差しは赤道直下に近いのでジリジリと熱かったものの、日陰は湿度が日本ほどではないせいか蒸し暑くはなく、朝方はそこそこ涼しかったような思い出があります。バンドゥンのような山あいの高地では夜はかなり涼しくなりますし、中部ジャワの古都ソロ辺りでは夜上着を着ていてもちょっと寒く感じたこともありました。
もちろんインドネシアでも海沿いの場所、例えばバリの観光地ヌサドゥアは湿度が高く、日本と同様蒸し暑いところもあります。海沿いの街は湿度が高くなる分暑くなりますが、昨今の日本の猛暑のそれこそ「体温超え」の暑さほどではなかったように思います。
(ジャカルタの灌漑施設に掛かる跳ね橋)
ジャカルタにいたころ雨季には突発的な雨と、ズシンと響き渡る雷に何度も遭遇しましたが、昨今の日本のゲリラ豪雨も似てきた感があります。ジャカルタの雨季は0メートル地帯ゆえに洪水がしばしば起こり、また雨に打たれた街路樹が道に倒れてひどい渋滞の原因になっていましたが、日本でも道が冠水して車が立ち往生したり、街路樹が倒れるなど昔の日本ではあまりなかったことが起きています。
ジャカルタでは洪水対策として、オランダが植民地時代に残していった灌漑施設の再整備をオランダの協力のもと実施する一方、首都機能の移管(第107話 遷都)を考えています。日本の街々も、従来の社会インフラのキャパを超える自然災害に手をこまねいてはいられません。