福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズに出かけたついでに小名浜港へと足を運んだのでありました。子ども連れであれば、プールやらウォータースライダーやらでもうお腹いっぱいというところでしょうけれどね。出向いたのはこちら、「環境水族館 アクアマリンふくしま」でありましたよ。

 

 

ちょいと前にEテレ『ザ・バックヤード』で世界で初めてサンマの飼育展示をしていることが細かに紹介されておりましたですが、なんだか傾向的にNHKの番組に釣られているような気も(笑)。ま、民放の番組をあまり見ないので、結果的にそんなことになっているのかもです。

 

 

ともあれ、このエントランス施設(ミュージアムショップが入っておりますな)を抜けると、ずいぶんと広い敷地で庭園なども設けつつ、奥に巨大な建物が建っているのですな。小名浜港、引いては太平洋に面した立地でこの広さの故は、もしかすると東日本大震災の折の津波で被害を得たその後の施設であるか…とも思ったですが、どうやら開館は2000年ということ。ではありますが、震災時には同館で飼育していた生きものの9割が命を落としたとは…。

 

 

本体の建物そのものへの損傷は少なかったようながら、館外周辺を見渡す限りにおいて、津波で根こそぎされた跡地に建物が建っていったのであろうなあという痕跡が窺える気がしたものでありますよ(敢えて写真を撮ることはしてませんですが)。

 

 

と、このドーム屋根を目指す前に、順路はエントランス施設の脇にあるトンネルのような通路へと来場者を導いておりましたよ。それにしても「ようこそ縄文の世界へ」とは?!基本的には水族館のはずなのですけれどね。同館HPには、その展示趣旨がこんなふうに記載されているのですな。

縄文時代は自然と共生しながら平和な暮らしを1万年も続けていました。「わくわく里山・縄文の里」は、人と自然のバランスのとれた縄文時代の自然環境を再現しています。自然が貧しくなった今、海に加えてそれにつながる川、上流にある山が一体となった場をつくることにより、自然の循環を考え、命の営みを考える場となることを願っています。

なるほど、おもての看板に大きく「環境水族館」と謳っているだけのことはありますですね。そこから考え始めますか。

 

 

 

トンネル状の通路の片側には縄文の森と水辺を再現したような風景があり、ところどころ囲った空間にはそこに暮らしてもいたであろう動物たちがちらほらと展示されてありましたですよ。

 

 

珍しいところではこのような。2022年まで「トウキョウサンショウウオ」とされてきたようですが、「遺伝子や身体の形などがちがうことがわかり」、新種とされたのですと。その名も「イワキサンショウウオ」と。

 

 

トウキョウサンショウウオ自体、レッドリスト状態にあるそうでして、イワキサンショウウオもまた。アメリカザリガニの餌にされてしまったりするてなことを聞きますと、アメリカザリガニ憎し感が募りますなあ。もっとも、子供の頃にはずいぶんとアメリカザリガニ釣りに興じたものではありますが(笑)。ともあれ、サンショウウオを言われて思い浮かべるオオサンショウウオの些かおどろおどろしい姿とは異なって、小さくかわいいイワキサンショウウオ、危機的状況が改善されるのを祈るばかりですけれど、地元の名前が付いた水棲生物なだけに、アクアマリンふくしまが飼育に一層力をいれるかもですね。

 

 

それにしても、さまざま生態系の中にあるヒトですけれど、縄文の頃にはヒトが世界を完全制覇しているような感覚ではなくして、文字通りに共生していたのであろうと。「縄文カレンダー」に数多の動植物に囲まれて描かれたところを見てなおのこと、そんなふうに思うのでありましたよ…と、水族館らしいお話までに至りませんでしたなあ。結局また、続く…ということで。