さてはて、久しぶりに温泉につかって帰ってまいりました。思い返せば、昨2022年の函館以来一年ぶりにもなりますかね、温泉につかったのは。ともあれ、今回の温泉行はあごあし付きのご招待!往路・復路とも東京駅とホテル間とを直通するかようなバスでありましたよ。

 

 

ということで、バスのデザインで見当のつく方もおいででしょう、目的地は福島県いわき市にあります「スパリゾートハワイアンズ」。個人的には今でも「常磐ハワイアンセンター」の方が馴染む気がしておりますが(笑)。

 

 

バスが常磐道のいわき湯本ICを下りたところから、すでに沿道には南国風の樹木が植えられていたりして、南の端とはいえ東北地方に位置するロケーションなだけに、暖かいところ好きの樹木には厳しい環境なのでは…と思ったり。映画『フラガール』でも、開園前の館内に植えた木々が冬場の寒さにやられてしまうからと、炭鉱住宅じゅうを周ってストーブを貸してくれとお願いしているエピソードが織り込まれておりましたですなあ。と、今回出かけるにあたっては予習?を兼ねて、直前に『フラガール』を再見に及んでいたもので。このエピソード、本当のことらしいですなあ。

 

 

とはいえ、1966年開業のこの施設、目玉となっている常夏のプールの現在はこのようになっておりまして、がんがんにストーブを焚いて守った南国育ちの樹木もおそらくは代替わりしておりましょうなあ。

 

 

これが夏休みシーズンになりますと、それこそ芋洗い状態になるのでしょう。プールはこの他、屋外温水プールもありまして、夏というにはまだちと早いこの時期でも入ることができます(ただし、上がると風がとても冷たく感じますが)。で、正面に見えているウォータースライダー以外にも、手前側(見えてませんが)にさらに大きく、ドーム型の天井を突き破ってさらに高くそびえる塔から滑り降りるものもあり、相当に人気があるようですな。ともあれ、子供連れにとってはあちこち連れまわる必要のない、完全無欠の遊び場と言ってよろしいかと。

 

で、「子供連れには…」と申しましたですが、ではそうでない向きには…やはり温泉ということになりましょうね。隣接ホテルそのものにも大浴場はありますが、こちらの(日帰り利用可の)プール施設に併設された大浴場こそメインと思しきところながら、ドーム型屋根に覆われて常夏を醸すプールエリアに近いものですから、そこらじゅう「むわっ」とした蒸し暑さに包まれており、温泉で汗を流してさっぱり…するはずが館内移動でまた汗をかくといった難はあろうかと。

 

ですので、大人向け(とは限りませんが)のもう一つの娯楽はやはりフラガールのショーということになりましょう。ま、映画にも描かれたとおりですけれど、ハワイアンを醸すだけに、ハワイといえばフラダンス、その踊り手はフラガールとなるも、その実、展開されるのは南太平洋各地の島々の民俗的なダンス紹介でもあるわけですね。フラは結構穏やかなものですが、締めくくりにはやっぱり威勢のいいタヒチアン(いわゆる腰振りダンスと言われてしまっていた…)が持ってこられているわけでして。

 

 

ただ、ですね。こういってはなんですが、ここで展開されるショーに実はさほど大きく期待するものでもなかったのですなあ。これも映画で見たいささかどんくさい(演出の)踊りが刷り込まれていたからかも。さりながら、見ていて「勘弁してください」と頭を下げたくなったものでありますよ。上の写真はタヒチアンでしてこれもよいですが、真ん中で踊るソロ・ダンサーの方がフラで見せたしなやかな手、指、腕の動きには感心しきりでありました。以前、バレエのことに触れて腕の動きにちとこだわったことを言ったりしてしまいましたですが(もしかして腕フェチか?)、ここでは細部にもこだわった踊りの修練の結果を見た気がしたものでありますよ。

 

このときのソロを演じたウアケア佳奈子(もちろんステージネーム)という方は、子供のときに見て以来、フラガールに憧れていたそうでして、確かになりたくてなりたくてなった、それだけに自らの動機付けになったように観客に喜んでもらえるよう上手くなりたいということがあったのでしょうなあ。周りの踊り手もそれを見て育っていくのでありましょう。ま、中には体格的にはハワイアンなタイプ(映画で言えばしずちゃんあたりの感じか?)の方もおいでなのは、ほのぼのとした感じを醸すことになってますですね。

 

ほのぼのといえば、施設全体でハワイアンを標榜しているだけにバスが到着して出向かるスタッフの第一声が「アロハ!」であるのはなるほどですが、少し説明が進むと「ん?福島弁?」と地元感が漂ってきたりもするような。それもまた良きかな、ですけれどね(笑)。