JR横浜線の淵野辺にやって来て、およそ相模原市立博物館より絶対的に集客のある場所…と、またまたもったいぶってますが、何しろ改札口を出たとたんに大きなこの看板ですものねえ。

 

 

といって、JR武蔵野線の新座駅に鉄腕アトムがあったのは手塚プロが新座にあるというような所縁が、松本零士と相模原、淵野辺とあるではなくして、ただひたすらに松本漫画が宇宙を舞台にしているものが多い(個人的に松本漫画で真っ先に浮かぶのは『男おいどん』なのですけれど…)からなのでしょうけれどね。で、淵野辺と宇宙との関わりのほどは、「999」のお隣に設置された看板で分かるのでして。

 

 

相模原市立博物館も案内されてはおりますが、「はやぶさの故郷」ということで言えば「JAXA相模原キャンパス」ということになりましょうなあ。実は(もたいぶって)今の今まで触れていなかったものの、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の相模原キャンパスは市立博物館から道をひとつ隔てたお向かいにあるものですから、ここまで来て寄らない手は無いわけでありますよ。

 

 

 

先の看板にもありますように、淵野辺駅近辺などにそれと意識したマンホール蓋が幾種類かあるようでして、上のは「はやぶさ2」のカプセルが帰還した記念バージョン、下の方は「さがみん×はやツー君」デザインとのこと。ただ、今回はマンホールを巡って歩くのではなくして、一路JAXA(というか市立博物館というか)を目指したのでありますよ。道々のそこここに案内の標識があって、町としていかにJAXA推しであるかということが窺える気がしたものです。

 

 

いうことで(微妙に駅から離れてはいるものの)まっしぐらに門の前までたどりつくことができました。門柱には「国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 ISAS/JAXA 宇宙科学研究所」とありまして、あたかも往年の東宝特撮映画に出てくる場所でもあるような。

 

 

当然にして守衛所が待ち構えておるわけで、いささか臆しつつ守衛の方に「見学を…」と申し出ると、手慣れたふうに「あっちです」と。名前やら入退場時刻を記すといったこともなしに、です。敷居が低いですなあ。そういえば、しばし前に放送されていたNHK『ブラタモリ』の種子島編ではJAXAの宇宙センター(ロケット発射場があるところですね)を訪ねて、案内の方がその広大な芝地の敷地は普段自由に出入りができるてなことを言ってましたっけ。

 

多くの人に科学に親しんでもらおうというような考えもあるのかと思うところですが、立入禁止の建物はちゃんと設定されており、そこへの出入りを厳格にしておけば良いということなのかも。まあ、科学研究の分野では、霞ヶ関の官庁あたりが政治信条の違いからともすると襲撃されたりする虞があるてなふうに考えるところとは異なっているのかもしれませんですね。

 

ただ、個人的に(もちろん襲撃しようとは思いませんが)膨大な費用を要する研究だけに、国家予算をつぎ込んで競い合うように開発を行うよりも世界規模でやったらいいのだろうなあとは。もっとも、国という枠組みがある以上、そも国同士が仲良くしていないとできないことなのですけれどね。また、残念ながら?ヒトは何につけ競い合うほうが結果が出せる、てなところもあってしまうわけですねえ…。

 

 

ともあれ、守衛さんが指示した方に向かって、見学者受付のある「宇宙科学探査交流糖」という建物に到着…しましたですが、ここでまずは昼飯の腹ごしらえを。敷地内にある食堂は誰でも利用できるようですのでね。

 

 

ちなみにメニューはこんな感じ。見学者としては「いかにもそれらしい何か」を期待してしまうところですが(宇宙食試食セットとか?)、それらしいものは「スペースシャトルランチ」なる一品のみで、ついこれを頼んでします人が多いのか、わざわざ「スペースシャトルランチはお子様向け商品です」という断り書きがあったりも(笑)。

 

 

それ以外は、いわゆる方々の社食メニューと変わりはないようながら、それもそのはず、もっぱら見学者を意識しているのではなくして、普段からここで働いている人たちのための食堂なのですものねえ。が、変わったところといえば、メニュー・サンプルの並ぶテーブルの上に、かようなパネルがあったことでしょうか。

 

 

居並ぶ芸能人やらスポーツ選手やらの顔、顔、顔…。しかもひと頃の有名人の皆、若い頃の写真ではありませんか。あまりに懐かしいので、名前を挙げていってしまいますが、左上から石原裕次郎、松田聖子、アントニオ猪木、大原麗子、薬師丸ひろ子、沢田研二、キャンディーズ、長嶋茂雄、ドリフターズ、ピンクレディー、田原俊彦、吉永小百合、中森明菜、チェッカーズ、美空ひばり、ツービート…ふう。

 

最初は、JAXA(おそらく当時はNASDAか?)を訪ねて食堂を利用したことのある人たちであるかとも思ったところながら、それにしても古い。近くにあった説明書きによりますれば、驚くべき事実が?!というほどではないですが、この食堂は「レストランベル」と言って、株式会社マルベルというところに委託しているようなのですな。

 

と、ここで「!」と来た方もおいでと思いますが、株式会社マルベル、つまりは「ブロマイドのマルベル堂」として知られたあの会社が今では食堂受託運営の業務も手掛けているということなのでありますよ。やっぱり、驚きますかね(笑)。

 

 

「ふ~ん」と思いつつ、いかにも社食で出てきそうな定食にありついて、いよいよ見学施設へ…というところですけれど、本日はこのへんでお時間でございます。宇宙のお話はこれからですので、次回をお楽しみに。