中朝事實(乾)
大正元年 素行会 發行
その7.和綴じの準備
大正元年 素行会 發行
その7.和綴じの準備
中朝事実や素読とは掛離れるが、素読本の原稿の印刷(プリントアウト)に先だって、和綴じ製本のための用紙の選定と製本道具を探すことにした。手元にあるレーザープリンターはA4サイズまでなので、A4判の用紙を選ぶ。
プロの製本屋さんに依頼する方法もあるが、夏休みシーズンでもあるので、手作りに挑戦してみることにした。
学生時代に、情報提供会社でアルバイトをしていたが、当時はコピー機の印刷単価が高額な時代だった。バイト仕事のほとんどはドイツ製GH という輪転式ガリ版印刷機をまわして、紙のインクが乾くのを待って、二つ折りにして袋とじする作業だった。
報告書や企画書、時には放送台本などの製本で、紙の「さばき方」、ページ順にならべる「丁合い」、数枚ずつ重ねて折る「二つ折り」、「袋とじ」を徹底的に仕込まれた。現在でもプリンターに用紙を入れるときに、一度に二枚吸い込まれないように、束になった紙と紙の間に空気を入れる「紙さばき」を自然とやってしまう。
そもそも和とじ製本なんて素人に出来るのか? そこで「和綴 じ」製本についての基礎知識をYoutubeで探してみた。「和綴じ」で検索した中で「京の手創り体験」の和本全般にわたる内容を紹介した動画がわかりやすかったのでおすすめです。
実際に作るときは、能楽師の宇高竜成さんの動画が役立ちそうだ。特に「後編」の綴じ紐を通す順序とコツが良く解りました。紐通しの仕上げに紐の両端を結びますが、この紐結びの方法は秀逸でした。
ところで印刷用紙だが、できるだけ薄い和紙で、プリンターに巻込まれない用紙を選ばなければならない。また表紙は直接印刷しないので、和風な味わいを持った少し厚めのカラー紙を選ぶことにする。ただしメーカーによって紙サイズが微妙に違うので注意が必要だろう。
たくさんある中から、本文を印刷する白地の和紙を探してみた。白用紙100枚必要だが、失敗やプリントエラーを考えると、多少ゆとりをもって選びたいと思います。和本には題箋 や、背中の天地を固定する角衣 が欠かせない。
またキッチリ作ろうとすれば本文をまとめて仮止めする「こより」を作るく場合もある。こうして、切って使う和紙を最低1枚用意しておかなければならないでしょう。
表紙と裏表紙は印刷しないが、題箋 を貼ることを考えて、雰囲気のある柄物または生地模様に風合いのある少し厚手の用紙を選びたい。また和紙にこだわらず、表面に凹凸があるエンボス紙なども選択の対象になりそうだ。
製本するときに必要な道具は、「太目の縫い針」と「綴じ紐」、先端のとがった「ハサミ」が最低限必要だ。綴じ紐は宇高竜成さんの動画にあるように、太目の糸をより合わせて代用する方法もある。
その他、あると便利な道具は、留め穴に下穴を開ける「千枚通し」、ページがずれないように留めておく「クリップ」、年寄り向けには「糸通し」、正確に針を押し込む「指ぬき」、表紙などに折り目をつける「チャコ」、作業台を保護する「カッターマット」などがあれば便利でしょう。
中朝事實(乾) 連載リスト | ||||||||
1.きっかけ | 2.リアリズム山鹿流 | 3.漢文の訓点 | ||||||
4.よく見る旧字 | 5.名詞の基礎知識 | 6.印刷用原稿 | ||||||
⇒ | 7.和綴じの準備 |