マルトリートメントと私55.それでも"普通"になれない私 | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

私がなぜ、自分の生育歴を振り返るようになったのかは、

マルトリートメントと私1.私の1番古い記憶

をご覧ください。

 
幼少期のまでの記事はこちら。
小学生までの記事はこちら。
中学生時代の記事はこちら。

私を誰よりも大切にしてくれた男の子は、
私の生育歴とASD(自閉症スペクトラム)からくる、
間違った思考による言動により、
失うことになってしまいましたが、
そんな分不相応に有り難いものを手放してまで、
私が手に入れようとしていたのは、

「普通の中学生」

という肩書きでした。

この学校という、
小さく閉鎖された社会で生きていくためには、

「皆んなと違う」

という、ただその1点で、
とても大きな十字架を背負ってしまうことを、
小学生の頃、身をもって知った私は、
すでに母親からも見放されていたために、
自分1人の力で何とか、
その小さな社会で生きていかなければならず、
必死だったのです。

けれど、人生で初めて、
誰よりも自分を大切にしてくれていた人を、
傷つけてまで得ようとしていた

「普通」

という肩書きは、
やはり中学校でも手に入れることが出来ませんできた。

そのことを知ったのは、
中学校の入学式で、
その真意を言わない回りくどい話し方により、
家庭訪問で我が家を訪れた時でした。

家庭訪問には母親が対応したのですが、
仕事を休んで家を綺麗に掃除し、
万全の体制で待っていた母に対して、
その教師が開口一番に言ったのは、

「あなたのお子さんは変わっている」

という言葉でした。

私は母の隣に座って一緒に話を聞いていたのですが、
そんな私の姿など目に入っていなのか、
担任の教師は何か溜まっていた鬱憤を晴らすかのように、
私の母に向けて、
自分の考えを矢継ぎ早に話し出しました。

「あなたのお子さんは、人より1テンポとは言わないが、
半テンポ遅れている」

「地に足が着いて居ない」

「皆んなにあわせて行動することが出来ない」

「どこがどうと、はっきり言うことは出来ないが変わっている」

このような言葉を、
私は家庭訪問の予定時間をオーバーしてまで、
担任の教師から言われ続けました。

私の母も、そんな担任の教師の言葉に、

「ええ、昔からちょっと変わっているんです」

といって頷き、
私は身の置き所がありませんでした。

ここまで学校の先生の言葉で傷ついたことは、
小学生の頃、私を無視した先生からでさえ、
ありませんでした。

この頃にはもう、
私のことを理解出来ないと諦めていた母からは、
家庭訪問終了後に特に、
何も言われることは無かったため、
私はとても傷ついた心を隠して、
次の日に学校に登校した時に、

「人より半テンポ遅れているって言われちゃった〜」

と、
敢えて何でもない笑い話のように、
自分が所属していた女子グループの皆んなに、
話していたのですが、
そんな私に対して同じグループにいたすーちゃんが、
文句を言ってきたのです。

その文句というのが、

「先生が私の家庭訪問なのに、私のことを殆ど話さずに、
あなたが変わっているということばかり、
私の母親に話していた」

というものでした。

すーちゃんは私の後に、
家庭訪問を受けることになっていました。

すーちゃんと私は近所に住んでいて、
小学校の低学年の頃から、
家に一緒に帰ったりしていていました。

すーちゃんとは、すーちゃんのお母さんが、


と言って、
私との付き合いを禁止した時期があったものの、
他に歳の近い女の子がいなかったことから、
またしばらくして、
一緒に遊び出した経緯のある相手でした。

担任の教師は、
私とすーちゃんの関係を知っていた上で、
すーちゃんのお母さんに、
自分が変わっていると感じる私のことを、
話したかったのだと思います。

そして、そんな担任の教師に対し、

「えぇ、あの子は昔から、変わっているって近所でも言わているんです」

と、
すーちゃんのお母さんは、
答えていたということでした。

自分のことを、
担任の教師と友人の母親が、
そんな風に話していた事実を知った私は、
やはり、とても傷ついたのですが、
家庭訪問で、
自分のことを話して欲しかったすーちゃんに、

「あなたのせいだ!!」

と、とても責められ続けたため、
私は悲しみでいっぱいだった自分の心を押し殺して、

「本当にごめんね」

と、
すーちゃんの怒りが収まるまで、
ずっと謝り続けたのでした。



【追記】
この時の出来事は、私の自己肯定感を下げる、
大きな要因の1つとなり、
私がそれまでもずっと思っていた、

「私は人よりも劣っている」

という私の中の認知を強化してしまいました。

そのため、私が自分は発達障害ではないかと疑って、
発達障害の検査が出来るという心理士から、
田中ビネー知能検査を受け、
その検査の結果、
論理・推理という知能が、
人より劣っていると言われた時、

「やっぱり私は人より劣っているんだ」

と、
その事実をすんなり受け入れてしまったのです。 

※その時の私の検査結果

(この時の内容が詳しく知りたい方は、私のHPをご覧ください)

この認知は、私が自分で心理学を勉強するため、
編入した大学の心理学の先生から、

「発達障害のための検査ならば、
田中ビネー知能検査より、
WAIS(ウェクスラー成人知能検査)の方が断然いい」

と教えてもらい、
精神科を受診して、


ということを数値として見るまで、

「私は人より劣っている」

という認知は、
ずっと私の中の"真実"となっていました。

けれど、この真実は本当ではありませんでした。

ずっと、周囲の人から否定されてきて、
自分は劣っていると感じている、
自分は発達障害(あるいはグレーゾーン)ではないか、
と疑っている、全ての人達へ。

あなたが劣っていると感じているのは、
周囲の人がそう決めつけてしまったために、
あなた自身も、
そう思い込んでいるだけかもしれません。

もし、それが今のあなたの、
心の枷になってしまっているのなら、
ぜひ検査という、
客観的な評価を手に入れてみて下さい。

その結果が、
自分の思った通りだったとしても、
違っていたとしても。

他人の認知という色眼鏡の入った評価よりも。

今後の自分を生きやすくする、
とても有効な指針の1つになるはずです。