人材が離れていく時
企業が発展するお手伝いしている為、400社以上の企業と仕事をしてきました。様々な価値観をもった社長さんと楽しく仕事をさせて頂いていますが、繁栄する企業にはいくつか共通点があるものです。では、逆に、衰退してゆく企業には共通点があるのでしょうか。あるとすれば、どんな共通点でしょうか。いわば、反面教師ですが、今日はそんなことについて綴りたいと思います。衰退してゆく共通点はいくつかありますが、そのうちの1つの特徴として、「人が離れていゆく」ということが挙げられます。実際に、”あの企業は人がどんどん離れ始めた”と思っていると、時間をかけてゆっくり衰退してゆくケースが多くあります。人が離れていく問題の原因は企業により異なりますが、結果として屋台骨を支える人がいなくなると、ゆっくり崩れるか補強しながら縮小するしかありません。では、そうならない為にはどうすれば良いのでしょうか?1つの故事が参考になるかもしれませんので、ご紹介します。「やむを得ざるに薄(せま)りて、しかる後に諸(これ)を外に発する者は花なり」準備が整い、やむにやまれなくなって、花はつぼみを破って咲くものだ、という意味です。ここでいう花とは人のことですから、切羽つまり、瀬戸際に立った人は外へ行動を起こす。そういう意味としてもとれると思います。この言葉自体は、花であるその人が花開く時であり、奮起し、飛躍することにもつながりますので、良い意味でもあります。しかし、企業から人が離れてゆく時を想像すれば、上記の言葉から連想されるように、離れるということは、やはり理由があるものです。表面上ではいろんな理由を口にしますが、その企業では実現できない何かがある、どうしようもなり何かがあるから他の場所へゆくのではないでしょうか。その理由は、環境の変化かもしれません。経営者の人となりかもしれません。賃金かもしれません。経験、働き方かもしれません。やむにやまれぬ場合もあると思いますが、できるだけ、残ってほしい人には残ってもらいたいものです。そして、人が離れてゆく時は、残ってほしいと思う人から順に離れていきます。人がいなくなったので、募集して採用する。ただ単にそれを繰り返すのではなく、従業員それぞれが自社で花を咲かせられるように、知恵をしぼる。そんな企業が、地道ながら少しずつ発展してゆきます。発展するとは、衰退しない状態を維持することを前提としています。