私は面接に同席させて頂くことが多いのですが、本当にいろんな人とお会いする機会に恵まれています。

株式会社○○の顧問社会保険労務士の伊藤です。

そんな自己紹介をすると、「?」といった表情をされる候補者の方もおりますが、採用の助言・立ち合いをしている社会保険労務士がほぼいないので、そういう反応になるのでしょうね。

そして、面接後の人事採用担当者や社長とは話が合います。

私自身、人事部にいた為、人事担当・経営者、双方の立場を経験しているからです。

 

さて、採用について。

採用の選考方法については多様な考え方があります。

 

その1つとして、かの松下幸之助が”運の良い人を採用する”と言っていたとされています。

もちろん、運が良ければその他全部Okかと言えばやや違和感を感じますが、選考方法に正解はありませんから、こういう選び方も一手でしょう。

 

面白いことに、面接に同席させて頂いた際、「この人は良い」という人材に出会うことがありますが、その人が過去に活躍した時の行動基準やその当時の考え方を質問していくと、「運が良かった面も多分にあります」とか「運が味方してくれました」などと答える局面があるから面白いものです。

 

これは、”運が良い”と言える程度に人間が熟しているか、根拠なきものを運が良いという表現を使うのかは見極める必要はありますが、選考方法としては有効な方法の1つなのかもしれません。

 

その他に、私達がお勧めしているのが、面接の際、こちらの質問に対し、画一的な回答や模範的な回答ではなく、その人自身の人生哲学や生き方を踏まえて回答してきた人は注意することです。

注意とは悪い意味ではなく、優れた人材になる可能性があるということです。

 

肌感覚で言えば、およそ5%程度いるかいないかだと思いますが、中には深く己を内省しており、”何の為に生きるのか””自分は○○の為に生きている”ということを考え抜いた結果、今、目の前に対峙している、ということもあり得ます。

 

このタイプの人は、情熱や人生に対する責任感、活動量が多いように見受けられますし、そのような人が面接に来たら、面接官の力量が試されます。

その人の働き方、生き方が自社の方向性とマッチするのか、入社した後にどんなことをしてあげられるか、を丁寧に説明しつつも、入社する意思をもってもらえるよう接しなければいけないからです。

 

いずれにせよ、選考中に現れる「ラッキーな人」は、1つのキーワードとして考えてみても面白いかもしれません。

 

なお、厚生労働省のデータによれば、昨年1年間の新規入職者数は約774万人です。

1年でこれだけの人が新たに仕事に就いていると思うと多いでしょうか。少ないでしょうか。

ちなみに、上記数字の内訳は、社員が約440万人、パートが330万人ですので、どちらの雇用形態でも、これだけの人が動いているとすれば、”運の良い人”に巡り合う可能性もあるかもしれません。