褒める。
叱る。
企業では日常茶飯事の光景です。
本日は、同じ日常茶飯事の出来事を通して、人材育成がうまくいくケース、うまくいかないケースが分かれるのかなぜか。
うまくいっているケースをお伝えしたいと思います。
私の顧問先企業で、「激励」して人を育てている企業があります。
【激励】…励まして奮い立たせること。
それがこの言葉の意味です。
褒めるとも叱るとも微妙に異なるニュアンスですね。
その企業は、この”激励”を徹底的に行っています。従業員から、経営者から、役員から、それこそ全員です。
何か失敗した時でも、叱らずに励まし、次に活かす方法はないかをみんなで考えるそうです。
その結果、何が起こるでしょうか。
それは、「激励する文化」が自然に根付くこと。人は環境の動物ですから、最初は違和感があったものでも、習慣となり、慣れるとそれが当たり前になっていきます。
激励する文化や風土を構築し、士気の低下、なぁなぁな職場の空気になることを防ぐことにもつながるそうです。
「激励とは、その根底で、その人を信じてないとできないことです。けれど、信じてもらった側というのは、何とかこれに応えようとする人が多い。すると好循環が生まれる。だから、この文化も続いています。」
これはこの企業の経営者が話していた言葉です。
人材育成の要素としては、着目に値する要素かもしれません。
なお、厚生労働省が興味深い調査をしておりますので、一部紹介します。
「労使で重視するコミュニケーションは何か」という調査ですが、「職場の人間関係」が65.1%と高い数字となっています。
この数字は、賃金や労働時間の労働条件56%、昇格や昇給の人事33.4%よりも高い数字となっており、労使双方、表に出すか否かは別として、これだけ人間関係を重視していると言えるでしょう。
企業毎に風土や考え方は異なりますから、全員一致の正解はありませんが、自社にあった風土、文化を構築できると、類は友を呼ぶ、というように、その波長に合った人がだんだんと集まってくるものなのかもしれません。