「魅力のあるリーダー」とは、どのような人でしょうか。

多様な角度から多くの特徴を挙げることができますが、数多くの経営者や役員、管理職の方とお会いしてきた結果、私はやはり、「人となり」を第一に挙げたいと思います。

 

人となり、人格、器、人間力、様々な言葉で表現できますが、人としての魅力いうことです。

 

このような人がもっている特徴としては、

・1人1人が価値ある存在であるとして接している

・目の前の人を承認する

・自分も他人も尊重する

・自身の経験や知恵を分かち合う

・与える

・ビジョンをもっている

・打たれ強い

・視野が広い

・大きな目標や夢を見せて人をひっぱる

・一緒にいるとワクワクする

・無意味に怒らない

・出会う人の人生をより良い方向へ変える力がある

 

と、書ききれないほど、たくさんの項目を列挙できると思います。

 

そして、このような人達は、トラブルに遭遇した際も慌てることが少ないものです。

 

例えば、

・批判と中傷を混同せず見極める

・1人の批判を全体の意見だと勘違いしない

・感情的にならない

・深刻に受け止めすぎない

・同じ土俵で戦わない

・失敗から常に学ぶ

といった具合でしょうか。

 

普通の人であれば動揺してしまう事態に遭遇しても、慌てず平常心で対応する人が多いように思います。

 

では、そのような”人となり”はどのように体得すれば良いでしょうか。

こればっかりは、幾多の試練や経験から得た”生身の体験”が1番ものを言うでしょう。

 

自身で会社を経営したことのある人であれば、全く苦労したことのない経営者はいないでしょう。

 

ただ、「知っていること」と「自分で経験していること」。

これには雲泥の差があります。

どんな言葉で表現しても、共感できる深さ、アドバイスする時の重みが違うと思います。

 

えてして、そのような人は、多くの通常の人が経験していないような、とても大きな難題や絶望を乗り越えてきた過去を持つ人もいます。

 

しかし、生身の経験以外にも、歴史からも少しは学ぶこともできる、という観点から話したいと思います。

 

人としての魅力を学ぶお手本として、多くの過去に生きた人物の生き様から学びます。

平安鎌倉時代であれば、道元のような思慮の深さ、空海のような他者への思いやり。

戦国時代であれば、前田慶次のような豪快さ、立花宗茂のような勇猛さ、高橋紹運のような潔さ、真田昌幸のような賢さ。

幕末であれば、勝海舟のような視野の広さ、西郷隆盛のような無垢さ、中岡慎太郎のような行動力。

…それ以前の時代からもその後の時代からも、挙げればきりがない程、本当に個性あふれる様々な生き方をしていた人物がいます。

そして、時代は違えど、悩んでいた内容や苦しんでいた内容というものの根底は、現代とそう変わりません。

 

司馬遼太郎も、「私は現世の友達も多いが、それより歴史上の友達の方が多く、知恵を借りている」という言葉を残しました。

たまには、そんな過去を生きた人物から、今現在を生きる上でのヒント、人をひっぱってゆくリーダーの姿を学ぶことも良いのではないでしょうか。