サンデー毎日掲載記事:「白い巨塔」で封じられた公益通報〜この国の正義を問う | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

サンデー毎日掲載記事:
 「白い巨塔」で封じられた公益通報〜この国の正義を問う
  (医学部大学等事件131)


 今回は、サンデー毎日2018.10.07号(9/25販売開始)の掲載記事

「白い巨塔」で封じられた公益通報〜この国の正義を問う
 (ジャーナリスト・長谷川学氏著)


より、一部を引用するとともに、補足情報をお示しします。

 金沢大学における不正経理と患者死亡を私が大学本部や厚生労働省に通報したところ、通報者情報がすぐに漏えいされて、次々に組織的嫌がらせが行われ、12年以上にわたって多くの民事裁判や刑事手続きなどに至っています。幾つかの裁判では私の勝訴や勝訴的和解(解決金支払いや教授会での名誉回復措置など)が成立しましたが、紛争は更に激化しており、そうした状況と公益通報者保護法の問題点などが、昨日のこの記事で報じられています。

 本題にはいる前に、私を攻撃するのに使われた「実行犯」で、裁判初日と本ブログ開始約1ヶ月後に亡くなられた、清水徹・金沢大学医学部教授・ハラスメント相談員と松本洋武・弁護士のご冥福を、ご生前の敵味方にかかわりなくお祈り申し上げます(「死人に口無し」を5の後半で後述)。

 なお、松本弁護士は、金沢地裁前の松本洋武法律事務所所長で、私と金沢大学との最初の簡易裁判所調停の調停委員だった方です。

●お2人の逝去や理事1名、教授2名の辞職など
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12374751759.html

●ハラスメント相談員・清水徹医学部教授急逝から3年
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12252118845.html

 それでは本題の記事引用等にはいりますが、今回は少々長いので、ご興味のある部分からどうぞ。

1、イントロ部分

<サンデー毎日記事より一部引用>
企業のデータ偽装が続発したのに続き、スポーツ界の不祥事が相次いで発覚している。いずれも「昔からあったこと」とされる。長らく隠蔽されてきたのは、告発の声が掻き消されたからだろう。守られない公益通報者たち。その一例をリポートする。

「今年4月以降、私は講義の担当から外されました。大学側はさまざまな口実を作って私を大学から追放したいようですが、決して負けません」
そう語るのは金沢大学医学部の小川和宏准教授だ。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

●学長の講義外し命令や、竹下博文警部補と大学のすり合わせ等の録音反訳
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12391724870.html

●一部の低得点学生を安藤仁被告が逆点させて合格に、小川は不公正行為に反対
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12307665268.html
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12311958844.html
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12309592412.html

●安藤仁被告が試験問題を作ってもらうための1回限りの学内規程を制定
 学長や理事による追試験妨害ハラスメントの相談の扱いなど
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12383267753.html

●ボクに連絡されても困ります(責任者だと大学が主張する安藤仁被告が)
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12372746215.html

2、2回の告発と、訴訟で勝訴や勝訴的和解

<サンデー毎日記事より一部引用>
小川氏は過去に2度、医学部内の不正経理や医療過誤を大学当局や厚生労働省に内部告発。2度とも大学側は記者会見を開いて、事実関係を大筋で認め、関係者の処分も行った。
だが“白い巨塔”の暗部を暴露した小川氏に対し、上司や大学側は容赦のない報復を繰り返した。小川氏を追い出すため、ありもしない傷害事件を上司がでっち上げたことすらあった。
小川氏は自分の身を守るため、大学と上司、大学関係者を次々に提訴して徹底抗戦。提訴した多くの訴訟で勝訴もしくは勝訴的和解を勝ち取ってきたという。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

●金沢大学と元教授への賠償命令
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12261144351.html

●被告の国が原告小川へ和解金
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12281153562.html

●産経新聞の判決記事
http://www.sankei.com/west/news/170330/wst1703300091-n1.html

3、通報者バッシング、厚労省も漏洩して加担

<サンデー毎日記事より一部引用>
小川氏の孤独な闘いは今年で12年になる。
小川氏は、こうした経緯を自身のブログに逐一掲載し、一般に公開しているが、監督官庁の厚労省は報復をやめさせようとしなかった。
そればかりか、少女の医療事故死を厚労省に通報した2度目の内部告発(後述)では、通報を受けた担当者が、小川氏の名前を大学側に漏洩し、小川氏バッシングに手を貸す形となった。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

●厚労省職員による漏洩メール(戒告処分を受け大学病院に戻った)
https://ameblo.jp/iryouziko/image-12070608348-13418735174.html

●少女死亡で教授ら書類送検(北陸中日新聞1面トップ記事)
https://ameblo.jp/jpmax/image-12030008532-13163637791.html

4、闘い続ける小川はどんな人物か

<サンデー毎日記事より一部引用>
不屈の闘いを続ける小川氏は、どんな人物なのか。
小川氏は京都大学薬学部、東北大学医学部と大学院を卒業し、同大学院で博士号を取得。北海道大学と東北大学の医学部助手を務め、05年に金沢大学医学部の助教授に就任。准教授および分野主任(研究室長)になり現在に至っている。
 小川氏は医師および薬剤師であるとともに、専門の薬理学分野での特許をいくつも持つ科学者であり、科学研究に関して日本学術振興会から2度の表彰を受けている。2度の表彰は金沢大学では小川氏1人だという。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

●2回の科学研究費審査委員表彰と、学長らによる授賞式取りやめ策動の録音反訳
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12393547913.html

●今年7/20にも特許権取得(金沢大学着任後3つ目)/Yahoo!ニュース特集掲載
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12394938428.html

5、不正経理を告発、隠蔽で嫌がらせ開始、調停を経て不正を認め懲戒処分
  調停委員の不正もあり裁判が長期停止、本ブログ開始直後に死亡


<サンデー毎日記事より一部引用>
小川氏の最初の内部告発は06年1月。発端は、助教授として金沢大学に着任してから間もなく、上司の教授が薬品業者と結託して「預け金」と呼ばれる裏金作りをしているのを知ったことだった。
<中略>
「<中略>、、、、黙認すれば不正に加担することになるため、やむなく大学本部に通報しました」
ところが大学側は、こともあろうに当の教授に小川氏による通報を漏洩。教授は「君とは一緒にやれない」と激怒し、小川氏と激しい言い争いになった。
預け金問題についても、大学側は形ばかりの調査でお茶を濁し「預け金はなかった」と結論付けたという。教授は責任を問われなかった。
これ以降、小川氏への嫌がらせが始まる。教授は、共同実験室、共同利用室への小川氏の入室を禁止。
<中略>
小川氏は、大学を相手取り、パワハラを止めさせて職場環境を改善するよう、金沢簡易裁判所に調停を申し立てた。
調停の過程で、発端となった預け金問題の再調査が必要ということになり、大学は渋々、外部委員も参加する調査会を立ち上げた。
その結果、525万円の預け金の存在が判明。大学は記者会見を開き事実関係を公表。教授は出勤停止2カ月の懲戒処分を受けた。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

 金沢大学に対する簡易裁判所調停を最初に申し立てたのが2006年8月、当時の教授を提訴したのが2007年5月であり、12年以上にわたって裁判所や警察・検察等での闘いになっています。

 冒頭で述べた松本洋武弁護士(故人)が、裁判所調停委員(非常勤の国家公務員)として、私を誹謗中傷する虚偽内容の報告書を裁判所へ提出し、裁判所がそれを労働基準監督署へ漏洩し、労基署が虚偽内容だと知りながら更に拡散させていたことが、後に判明しました(石川労働局や厚生労働省への個人情報開示請求などで)。

 その虚偽有印公文書作成罪・同行使罪の公訴時効までの7年間、上記の初めの裁判の進行が実質的に停まり、一審判決まで9年10ヶ月以上を要しました。

 松本弁護士は裁判所の調停室で「やりたくない!」と叫んでいて、私はこの人なんだろうと不思議に感じていたところ、裁判所前(歩いて20秒くらい)の法律事務所の所長弁護士であることと、上記の虚偽有印公文書作成を、後になって知りました。

 弁護士が好んで虚偽有印公文書作成をやるとは考えにくく、「やりたくない!」の叫びは本心だったと私は信じています。ただ、誰が松本弁護士を、やらざるを得ない状態に追い込んだかは、「死人に口無し」になってしまいました。

6、暴行傷害ねつ造

<サンデー毎日記事より一部引用>
出勤停止期間を終えて職場に復帰した教授は露骨な報復に出る。
教授は「小川氏に殴られた」と訴えて、同大OBの医師の診察を受け、OBは「顔面打撲」との診断書を書いた。
教授は、研究室の職員にも「(暴行現場を)見たね」と口裏合わせを促し、職員もそれに応じた。なお後の裁判で職員は「見ていなかった」と証言し、発言を撤回した。
教授は診断書と被害届を警察に提出、小川氏は警察の取り調べを受けた。
だが小川氏は無実だった。
<中略>
「<中略>、、、、、もし録音がなかったら、危うく暴行傷害犯にされるところでした」(小川氏)
この問題などで小川氏は教授と大学を金沢地裁に提訴。それから10年もかかって、17年、金沢地裁はようやく判決を出した。
判決は、暴行事件について「ことさら原告(小川氏のこと)を陥れる目的で、原告から暴行を受けた事実が実際に存在しないにもかかわらず、これを受けたとして」警察に虚偽の被害届を出した、と厳しく批判。
その他の嫌がらせも踏まえ、教授と大学に賠償金の支払いを命じた。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

●「殴られた、見たね、安田君!」「ハイ!わかりました」の録音反訳など
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12256757685.html

●小川を追いかけながら「助けて」と叫び、助けに来た人に黙るよう要求
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12096728510.html

 なお、安田氏は、私が金沢大学着任以来所属している薬理学教室で、上記の「殴られた、見たね、安田君」「ハイ、わかりました」の会話をして、私との訴訟の被告になり、殴るのを見ていないと認めるなどして、私へ解決金を支払って和解しました。

 現在、安田氏は、安藤仁被告の細胞分子機能学教室の所属です。

7、高裁裁判官が独自のストーリーを作出、
  司法が機能しない場合もあり、裁判所で焼身自殺も


<サンデー毎日記事より一部引用>
大学は判決に従ったが教授は控訴。
「奇妙なことに高裁は『教授は暴行されたと勘違いした』というストーリーを作り、教授の賠償責任をなしにした」(小川氏)という。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

 司法が適正に機能する場合と機能しない場合があり、2010年5月に神戸地裁で国家賠償訴訟(国などを被告として損害賠償を求める裁判で、原告の勝訴率は1%前後と殆ど勝てないとも言われる)の敗訴判決後に、原告の男性が裁判所で焼身自殺したり、国連で日本の司法は中性並みだと指摘されて日本の大使が怒って更に恥をかいたことも、新聞等で報道されています。

 30年以上裁判官を務め、その後、明治大学法科大学院教授に転じた瀬木比呂志氏は、次の2つの新書で、裁判所の赤裸々な事実をまとめています(その後にフィクションも書かれていますが、次の2冊は、個々の裁判の裁判官名など殆どを実名で解説している実話本です)。

●『絶望の裁判所』(講談社現代新書、2014.2発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062882507

●『ニッポンの裁判』(講談社現代新書、2015.1発行)
https://www.amazon.co.jp/ニッポンの裁判-講談社現代新書-瀬木-比呂志/dp/4062882973

8、高評価の授業を激減や皆無化の嫌がらせ、判決で認定される

<サンデー毎日記事より一部引用>
 なお、この裁判の間も、大学側は、小川氏の担当授業を減らすなど、様々な嫌がらせを行った。
金沢大では教育の質の向上を図るために、全教員の講義の質やわかりやすさを学生が採点。その点数表を見ると、小川氏の研究室では、教授を抑え、小川氏の評価点が最も高く、そのことは裁判でも認められた。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

●授業評価アンケート結果など
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12099587381.html

9、労災加害を組織的にねつ造、裁判でウソだと証明

<サンデー毎日記事より一部引用>
他にも嫌がらせは多々あった。別の大学職員が「小川氏からパワハラを受けた」として労災を申し立てたこともあったが、これについても教職員を小川氏が提訴。パワハラがなかったことが証明されている。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

 薬理学教室の助教だった小澤健太郎氏が「小川に『突き飛ばされた』と叫ばれたため不眠で労災」だという虚報が、当時の総務課長、本部事務局の職員、金沢労働基準監督署職員などによって組織的に作出され、私がすぐに小澤氏や総務課長らを提訴し、小澤被告や総務課長などが裁判で、

(ア)小川は「突き飛ばされた」発言をしなかった。
(イ) 大声を上げたのは小川(原告)ではなく小澤被告のほうであった。
(ウ)小澤被告は、第3解剖(堀修教授)から薬理学教室に来ていたT技術職員に聞こえるように、大声を上げた。
(エ)小澤被告は、精神科で1回血液検査などを受け、中性脂肪がとても高いというすぐに出ていた検査結果を聞かずに、請求時効の2年が近づいてきた頃に検査費用を労災請求した。
(オ)小澤被告などが不眠だと主張した時期も、週1回の病院当直アルバイトを休まず続けていた。
(カ)労基署の指導で、総務課長は、「冷蔵庫の使い方の会話」があったことを確認して、それを根拠に「小川に『突き飛ばされた』と叫ばれたため不眠で労災」だと証明しようとした。


ことなどを認めて、総務課長(和解時は事務部長に昇進していた)が小川に解決金を支払い、小澤被告が労災請求を取り下げることなどで、和解が成立しました(金沢地裁平成22年(ワ)第50号事件)。

●小澤健太郎被告や総務課長の被告尋問調書(裁判所作成)や、検査報告書など
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12091616223.html
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12093766164.html

 なお、小川が小澤健太郎・助教(当時)などを提訴してすぐに、小澤被告は金沢大学を退職し、裁判の被告尋問の時は奈良県県立医科大学へ移っており、最近は同大学の「情報伝達薬理学」の准教授に同じ名前が見て取れます。
http://www.naramed-u.ac.jp/university/subject_and_department_j/graduate_school_of_medicine/seitaijouhou/seitaijouhoubougyo/jouhoudentatsuyakuri.html

10、金沢大学病院少女死亡で教授ら書類送検事件

 以下は、金沢大学病院での少女死亡で教授らが刑事告訴されたことの、厚労省への通報とその漏洩に関する部分です。

●少女死亡で教授ら書類送検(北陸中日新聞1面トップ記事)
https://ameblo.jp/jpmax/image-12030008532-13163637791.html

<サンデー毎日記事より一部引用>
2度目の内部告発は13年10月。金沢大学病院で骨肉腫治療を受けた少女(当時16)の死亡事故について厚労省に通報したのだ。
小川氏は「内部で隠蔽され同様の治療が続けられていた。放置すると第2、第3の死亡者が出ると思った」と当時の心境を語った。
死亡事故を起こしたのは大学病院整形外科の教授グループ。教授らは20年以上も前から、カフェインとアドリアマイシンという抗がん剤を併用する化学療法を先端医療として実施、治療成績の良さを誇っていた。
アドリアマイシンは良く効くが、副作用が強く、薬の取扱説明書には心機能異常やその既往症がある患者に投与すると心筋障害や心不全が現れることがあるので投与してはならないと明記されている。
「ところが教授グループは少女の心臓機能が急落した後も投与を続け、少女はアドリアマイシン心筋症による心不全で死亡した」(小川氏)
小川氏によると、3回目の抗がん剤とカフェインの併用投与後の少女の心臓の駆出率(1回の心臓収縮で心臓内の血液の何%が血管に送り出したかを示す)は72%と正常だったが、5回目の投与後の検査で38%に急落していることがわかった。
「駆出率が50%を切ったときや駆出率が10%以上急落したときは、アドリアマイシンの投与を中止しなければなりません。これは研修医向けの本にも書かれている初歩的な知識です」
少女のケースは中止基準の両方に当てはまった。
「しかも当時の検査結果報告書にも『アドリアマイシン心筋症でしょうか』とまで書いてあった。医師は異常に気付いていたのに投与を続けたのです」
なお少女の骨肉腫は転移が見られず、手術も成功。小川氏によると「大学病院側が遺族に説明したときの録音テープを聞くと、病院側は併用療法の6回目の投与と死亡の因果関係を認めていた」という。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

●カフェイン療法死亡通報の岐阜新聞1面分記事
https://ameblo.jp/jpmax/image-12319827946-14049644450.html
https://ameblo.jp/jpmax/image-12319827946-14049644530.html

●少女死亡事件は、横浜講演スライド詳報シリーズで、主治医の録音反訳等も含めて詳述
 (次は第10回目で、1〜9回目へのリンクあり)
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12204862579.html

11、少女死亡・教授ら刑事告訴を厚労省に通報するも翌日漏洩し放置

<サンデー毎日記事より一部引用>
遺族は、12年7月に教授ら3人を業務上過失致死容疑で警察に告訴。14年1月に3人は検察庁に書類送検された。小川氏は13年9月頃、遺族の関係者から相談を受けて事実を知り、厚労省に通報した。
大学ではなく厚労省に通報したのは、前回の通報で懲りたからだ。公益通報者保護法と厚労省への期待もあったという。
だが期待は完全に裏切られた。小川氏から電話で通報を受けた厚労省先端医療専門官は、小川氏の名前や所属などを執拗に質問し、その翌日、こともあろうに医療ミスの当事者とされる教授本人にメールを送り、小川氏からの通報内容を漏洩したのだ。
問題のメールは小川氏との詳しいやりとりを記載。その上で、教授への質問の冒頭で、こう質問している。
「金沢大学医学系准教授の小川様はどのような先生なのでしょうか?(なぜ、我々に問い合わせがあるのか背景を知りたいです)」
国民の生命に関わる不正や違法行為の通報が社会の安全に寄与するのは明らかであり、公益通報者保護法が作られたのもそうした趣旨から。
ところが、この専門官(大学病院からの出向者)にはそういう発想がなかったのか、通報者を「組織の裏切り者」と捉えたようだ。
後に専門官は「職務上の秘密」を漏洩したとして厚労省から戒告処分を受けた。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

●戒告処分の厚労省プレスリリース、漏洩メールなど
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12070608348.html

12、治療と死亡の因果関係をやっと認め、その後に治療成績の過大報告が判明

<サンデー毎日記事より一部引用>
なお少女の死亡事故について金沢大病院側は14年4月の記者会見で「有効性、安全性が確認されていない治療で患者にリスクを負わせた」としながら、「悪意はなかった。化学療法が死亡の直接の原因ではない」と主張。5月に教授らの書類送検を新聞が報じた後になって、ようやく死亡との因果関係を認めた。
教授らは不起訴になったが、厚労省はカフェイン併用療法を同省指定の先端医療から外した。また高い治療成績が過大報告だったことも判明した。
<記事より一部引用ひとまずここまで>

●有効性過大報告などの、医療維新記事2015.06.05
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/327810/

 今回のサンデー毎日の記事は、公益通報者保護法の機能不全が主要テーマです。
 私も本ブログに加えて、参議院議員会館でのシンポジウムで報告したり、法律系の雑誌に発表するなどの情報発信も行っています。

●参議院議員会館での公益通報者保護法改正シンポジウムで報告
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12358710093.html

●消費者法ニュースに執筆
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12302426084.html