金沢大学医学部定期試験で合格点(60%)未満者の一部のみをそのまま合格〜本日の裁判で証拠提出 | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

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医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

金沢大学医学部定期試験で合格点(60%)未満者の一部(3名)のみをそのまま合格させた〜本日の裁判で証拠提出(医学部大学等事件72)

<9月6日夜追記>
 コメントや私信などで様々なご意見を頂戴し有難うございます。
 医学部内や医療・医学界でも、真面目に取り組んでいる医師、研究者、教職員、学生は多いですが(もちろん金沢大学でも)、残念ながらそうでない人々もいます。真面目にやっている方々の過労死や過労自殺が時々報道されています。おそらく、他の多くの職業でも同様の状況があるのではないかと、私は推察しています。
 ただ、高校卒業後すぐに置かれる環境は、医学部生に大きな影響を与える場合が多いと感じます(国内の医学部生の大多数は、他学部や職業を経験せずに入学しています)。
<9月6日夜追記ここまで>

<9月5日夜追記>
 下の、得点率60%未満者のうち3名のみを合格させた、昨年の「薬物治療の基礎」科目(科目名は「薬理学」に改称予定)本試験集計の、60点未満者の上位15名分の点数と、その中の合格させた3名は次の通りでした。

点数 本試験合否

59.8 合格
58.7 X
58.7 X
58.5 X
58.3 X
58.1 X
58.0 X
57.7 X
57.4 X
57.2 合格
56.1 X
55.8 X
54.9 X
53.9 合格
53.8 X

 53.9%の得点率で合格させた一方で、それより高得点の11名を合格させず、点数と合否の逆転が起きていました。
<9月5日夜追記ここまで>

 前回ご案内した金沢大学関係の裁判2件(安藤仁・金沢大学両被告と、多久和陽・井関尚一両被告)は、予定通り本日(9月4日)の昼前後に行われました。

 被告側からは証拠の提出はなく、安藤仁・金沢大学両被告からは何の主張もありませんでした。

 原告小川の訴訟代理人弁護士は、安藤被告の提案で、昨年のこの時期、定期試験で合格点(60%)未満者の一部(3名)のみを、再試験なしで合格させたことを、証拠を付して陳述しました(両方の訴訟で同じ内容と証拠を提出、付した証拠番号と準備書面番号のみ異なる)。

 以下にその陳述と証拠の一部を引用します。

<原告準備書面2(弁護士作成)より>
 だた、前年度、安藤被告は、得点率60%未満の学生のうち3名のみを、中間試験より期末試験の成績が良かったことを理由に合格させるよう提案し、それが実施された(甲24)。
 原告小川は、学生への成績開示が前提だと考えているし、これまでも開示してきたが、安藤被告は、学生に成績を明示することなく、こうした「得点率60%未満でも一部の学生は合格させる」という不明朗行為を当然のことと考えているようである(甲24)。
<引用ここまで>

<甲第24号証のメール(安藤被告、山崎学長らへ)より>

(今年8月25日に原告小川が発信、安藤被告など宛、CCは山崎学長、学内理事全員(5名)、金子周一・医薬保健学域長・同研究域長、多久和陽・医学部長・医学類長・医学系長、市村宏・教育委員長、盛重純一・教員、長田直人・教員、事務部長、学生課長、医学学務係、総合相談室、法規係、学長秘書室に送信)

 下の12日のメールの4の再送信ですが、そちらの点数は、成績発表まで学生に開示していないのですか?
 もしそうなら、本人への点数開示の機会がないまま、安藤さんの提案で、昨年のこの時期、得点率が60%に満たない3名を合格させたことになります。(ご返信がなければ、開示していないものとして扱わざるをえません)
 国立大学医学部・医学類における成績評価・開示方法ですので、こうした経過も広く一般公開での建設的な議論にのせてはどうかと考えますが、
(もちろん昨年の合格者に変更はあり得ませんが、今後のためという意味)
これについてご意見はありますか?
(ほかの皆様も、ご意見などありましたらどうぞご返信下さい)
<引用ここまで>

 上記の証拠提出したメールに対して、本日(9月4日)夕方までに、どなたからもご返信はありませんでした。