近年ではよく、デトックスという言葉を聞くようになりました。
体内で一番のデトックス臓器は肝臓と腎臓です。
この二つの臓器のはたらきがとても重要になります。
そんなデトックスを妨げるものがあります。
黄疸とデトックス
黄疸は、赤ちゃんによくみられる症状です。
黄疸とは、皮膚や白目が黄色くなる現象で、
体内にあるビリルビンという色素が多くなることで起こります。
このビリルビンは、赤血球に含まれる黄色い色素で、
赤血球の代謝の過程で赤血球が破壊されることによって起こります。
この黄疸は、赤ちゃんが生まれた直後は、赤血球が多いことが原因です。
お母さんのお腹にいる頃は、呼吸ができないので、
少ない酸素で効率よく酸素を運べるように、赤血球が多くなっています。
しかし、生まれて呼吸ができるようになると、赤血球が多すぎると、外界の酸素濃度では逆に酸素の運搬効率が悪くなるため、
積極的に赤血球を破壊します。
その結果、新生児黄疸という症状になります。
ですので、病的な黄疸ではない限り、ビリルビンはデトックスされて数日で皮膚の色が戻ります。
現代医学の中では、しばしばこんな記述があります。
それは、
『母乳の中にはビリルビンの処理を抑制する物質がある』
というもの。
この正体に迫ります。
ビリルビンの処理を抑制する物質とは?
それは母乳の中に含まれる不飽和脂肪酸です。[1]
その不飽和脂肪酸が、ビリルビンを代謝する酵素である
ヒトUDP-グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)の活性をブロックしました。
この実験では、母乳に含まれる脂肪酸のうち、
オレイン酸、リノール酸、DHA、EPA、パルミトレイン酸、アラキドン酸、αーリノレン酸、ステアリン酸、
カプリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、リグノセリック酸
でUGT1A1が阻害されるか検証しています。
その結果、UGT1A1の活性を強く阻害したのは、
不飽和脂肪酸である
オレイン酸、リノール酸、DHA、EPA、パルミトレイン酸、アラキドン酸、αーリノレン酸、
でした。
次に、中程度のUGT1A1の活性を阻害したのは、
飽和脂肪酸のステアリン酸とカプリン酸でした。
ただし、これは不飽和脂肪酸よりも高濃度で与えたときに起こりました。
しかし飽和脂肪酸の中でも、
パルミチン酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、リグノセリック酸
は、全く阻害しませんでした。
UGT1A1を強く阻害した不飽和脂肪酸の中でも、
- DHA
- EPA
- αーリノレン酸
- オレイン酸
- リノール酸
- アラキドン酸
の順番で強く阻害しました。
ここから見えてくるのは、DHA、EPA、αーリノレン酸という
オメガ3系プーファが最も阻害しやすかったというデータです。
人の脂肪は、脂肪として直接食べたものや糖から脂肪新生されたものになります。
プーファを摂りすぎてしまうと、母乳に含まれるプーファも多くなってしまいます。
UGT1A1はグルクロン酸抱合に必須の酵素です。
グルクロン酸抱合とは、脂溶性のものを水溶性にして体外に排出することを行います。
このはたらきは、肝臓と腎臓の機能が健全であることが不可欠です。
つまり、脂溶性の不要なものを体外に排出する仕組みなので、
その必須の酵素の活性が阻害されるということは、デトックスがうまくいかないことになります。
プーファがそれに一役買っているというわけです。
やはり健康にはプーファを極力入れないこと、フリーにすることが重要となるでしょう。
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【参考文献】
[1]Impact of fatty acids on human UDP-glucuronosyltransferase 1A1 activity and its expression in neonatal hyperbilirubinemia
Sci Rep. 2013; 3: 2903
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