言いにくいことを伝える時
早期退社やリストラなどといったことが今の社会には、当たり前の事になりつつあります。 働き盛りの人でも、急に雇用を打ち切られることもあります。 こんなことを言われると、きわめてショックを受けます。 また言う方も、とても言いにくいと思います。 ある50代後半の方が、今年の一月でリストラにあったのですが、その時に会社に言われたことです。 数か月前から、急に上司からの「圧力」のようなものを感じていたといいます。 仮にこの方をAさんとして、上司の方に「Aさんは頑張っているんだけどね」とか「この部署も業績が不振だからね」などを、自分の前で言うようになったそうです。 それが、ある時から急に増えたそう。 一か月くらいで、Aさんは気が付いたそうです。 自分にも「リストラ」の番が回ってきたことを。 そして、2か月くらいしてからAさんを上司が部屋に呼び、「書面」と「言葉」で言ったそうです。 まず、書面を読ませたあとに「そういうこと」だからと言って、今年の一月までと言われたそうです。 言われたときは、すでに90%わかっていたために、驚きはなかったそうです。 渡された書面を見ても、長々と「業績不振」のことや、「Aさんの頑張りは十分認められる」などのことが書いてあったそうです。 しかし、会社として何かの対策をしなければならないと書いてあり、非常手段として仕方ないということのようです。 人生を左右されることを、言われたにも関わらず、Aさんは上司に呼ばれた時に、ほとんど「驚き」がなかったといいます。 それは、言われる内容を言われる前に、「ほぼわかっていたから」だと思います。 会社として最終手段だということを、わからせるために、前もって時間をかけてAさんに伝えていたということでしょうか。 突然言われると、だれもが驚くし、反発する事は間違いありません。 時間をかけてしかも、前置きの文句をできるだけ多く並べて、最終的に仕方なくって形にして、伝えています。 Aさんの場合には、他の当てを決めておいたこともあり、リストラされた後、一か月休んだあとに身の振り方も決まっていました。 これも、数か月かけて上司がやっていた「前ふり」があったからだと思います。 リストラされる事ほど「ショック」なことは、人生の中であまりない事だと思いますが、Aさんの場合には、きっちり受け入れることができていたと思いました。 きれいな形での「円満退社」とは言えませんが、あと腐れなく会社を去ることができたと思います。 どうしても納得いかない事だと「ぐずって」しまう人もいると思いますが、雇われでいる限り、どんな人でも「ありえる事」だと思います。 また、いつ自分に来るかもわからない時代だと思います。 Aさんの場合には、すんなり理解をして、受け入れたために「温情の賞与」のような「退職金」もしっかり出たといいます。 ちなみに、Aさんの上司はAさんより5歳も年下の人らしいですが、決してAさんの「上司」だからと言って、Aさんに上からものを言ったり、命令的な言葉を使ったことはないそうです。 いつも丁寧語で話をしていたと言ってました。 その日ごろの態度も重要な事だと思います。 言われる人の「印象」や「心証」で言われる側は、感情的になってしまうことも十分に考えられるからです。 とても勉強になったことであります。 リストラ勧告が仕事の方はいないと思いますが、言いにくいことでも、納得いってもらえる「伝え方」があるということです。 様々な伝えにくいことの「伝え方」をまた紹介していきたいと思います。 ある程度の「形」を知っていると大変役に立つ事であります。 「わかれるとき」や「鼻毛が出ている人」に「伝える時」など。 言い回しやその時に発する言葉も結構な「形」があります。 参考になれば幸いです。ありがとうございました。