Fri 200724 合宿クライマックスの頃/胃袋を油で鍛える/大阪と小田原の大盛況 3958回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 200724 合宿クライマックスの頃/胃袋を油で鍛える/大阪と小田原の大盛況 3958回

 何をどうしても、決定的に物足りない。だって諸君、2005年から2018年までの15年間、この時期の今井は必ず河口湖「美富士園」に立てこもり、第1期100人、第2期100人、合計200人の真剣な高3受験生諸君と、体育会的な夏期合宿に熱中していたのだ。

 

 昨年はちょっと怠け心を起こして欠席したけれども、あれは決して「卒業」ではない。「2019年だけ、ちょっと欠席させていただけませんか?」「そのぶん、全国行脚で営業活動に専念したいんです」という申し出なのであった。

 

 今年は合宿ができない分、5コマだけの新講座「難所対策講座・早慶レベル読解編」を収録した。20年間も封印していたパラグラフリーディングを解禁して、受験生諸君の受講を待っている。国公立志望の皆さまも是非とも受講して、現代文の授業に似た高度な長文読解訓練をエンジョイくれたまえ。

    (今年は夏の京都でアユを徹底的に貪った)

 

 しかし今現在、もうこれ以上は何も出来ない。2020年夏のサトイモは、だから日々モンモンとしているのである。普段の7月20日は、「明日からついに合宿だな♨」の感慨に震え、21日は朝からバスか電車に乗り込んで河口湖を目指し、昼前には「こなみ」という名の湖畔の食堂を訪ねて旨いウナ重を貪った。

 

 21日から始まる合宿は、第1日・第2日・第3日とグイグイ音読の熱が高まり、4日目の7月24日、要するに今日であるが、全員起立しての音読、椅子の上に立っての音読、しまいには机の上に立っての熱狂的音読にまで進んだ。

 

 伝説の今井H1クラスでは、さらに「テキストを見ないで音読」まで突き進むのである。用意されたテキストは2日目でとっくに終了、3日目と4日目は難関大の長文読解問題5問に取り組みつつ、それでも空いた時間にはテキストを熱く音読。しかもテキストの文字情報は「見ないで音読」に挑んだ。

 

 しかし今年は、あの熱狂が許されない。全ては、コロナどんのせいである。コロナ憎し。限りなく憎し。「コロナ退散!!」を絶叫したいのであるが、疫病退散を願うはずの京都・祇園祭も今年はほぼ中止であって、本来なら24日は後祭のクライマックスなのに、あの勇ましい大船鉾にも出番はない。

(通のカタガタはアユを頭から骨まで残らず召し上がるようだが、ワタクシは「ネコのマネ」ぐらいでとどめておく)

 

 それでも今井は、7月21日に再び京都&大阪を訪れた。21日は、ふるさと秋田の「土崎神明社・曳山祭り」の日でもある。何を隠そう世界遺産に登録された由緒あるお祭であって、1878年、イザベラ・バードの名作「日本奥地紀行」の中に「こんな野蛮な祭は見たことがない」と記された。その祭も中止、情けない夏になった。

 

 しかしワタクシだけは、陰気にヘナヘナうずくまっているつもりはない。先週は粟田山荘・平八茶屋・菊水・桜鶴苑、京都を代表するような名店を次々と訪れて、夏の美味を満喫した。残念ながら貴船「右源太」は、予約したその日に洪水の被害にあって行けなかったが、今もなお虎視眈々と訪問の機会を狙っている。

 

 7月21日、京都の街には夏の日差しが降り注いで、四条通りでも御池通りでも、セミ軍団が元気な声で鳴き競っていた。コロナ退散の勇ましい鬨の声を、人間に代わってセミ軍団があげはじめたのである。

 

 セミに負けてはいられない。富小路&御池、料理旅館「吉川」の高級天ぷらを戴き、このワタクシもセミ軍団にならって、今こそコロナ退散の鬨の声に加わろうと考えた。熱い夏の日差しの中、キリッと和服に身を包んで、店の女将が挨拶に出てきてくれた。

(京都富小路&御池、料理旅館「吉川」の天ぷら。おいしゅーございました 1)

 

 ワタクシは、無類の天ぷら好きである。無類の生ガキ好き、無類のヒレカツ好きであり、無類のハタハタ好き、無類のヒレステーキ好き、無類のナポリタン好きだ。無類の授業好き、無類の懇親会好き、全てこれ無類なのであるが、天ぷらはその中でも別格だ。

 

 天ぷらなら、永遠に食べていられる。「そんな油っこいものを」とおっしゃるかもしれないが、ワタクシの場合、授業だって懇親会だってみんなそれなりに油っこい。みんな油でスーベスベ、だからこそ授業中でも懇親会でも、みんな延々と爆笑していられるわけである。

 

 その大事な油が、コロナのせいで切れたんじゃ、授業の質も懇親会の盛り上がりもみんなスカスカ低下する。それを防止するために、京都の天ぷらで油を補給する。コロナなんかに負けないために、こうして日々の努力を忘れない。さすが講師のカガミ。超ベテラン今井は、やっぱり心がけが違うのだ。

(京都富小路&御池、料理旅館「吉川」の天ぷら。おいしゅーございました 2)

 

 静かな個室に通され、貫禄十分の女将さんが挨拶に訪れる。いやはやマコトに光栄であって、「まだまだ人間がキチンと練れていないな」と痛感する。それでも担当の中居さんと丁々発止のやりとりを繰り返しながら、天ぷら16品をあっという間に平らげた。

 

 諸君も察してくれると思うが、こういう場に来ても、今井が目指すのは爆笑の連続なのである。しまいに中居さんもネを上げて、我慢できずに爆笑し、挨拶に来たマジメな天ぷら職人も、たまらずに吹き出してしまう。せっかくの油補給だ。やっぱり雰囲気はこうでなくちゃいかん。

 

 個室の窓からは、古式ゆかしい夏の池が見え、池の中ではたくさんの鯉たちが、美しい尻尾を振りたてながら元気に泳いでいる。コース16品を平らげた後は、キスを1つと、珍しい「ひげとうもろこし」を追加。仕事の前だからアルコール補給はできないが、コロナ退治の油補給ならこれで十分だ。いやはや、おいしゅーございました。

(名店「吉川」の床の間に、大船鉾の置物を発見。24日は祇園祭の後祭。山鉾巡行のクライマックスが大船鉾だ)

 

 こうして油の補給が済んでしまえば、もうサトイモのものである。京都から大阪まで高速移動して、今回の宿泊はインターコンチネンタルホテル。仕事まで2時間ほど、ぐっすり眠って胃袋に油の消化を任せることにする。

 

 この激しいコロナ禍の中では致し方ないが、大阪を代表するこんな高級ホテルでも、備品やサービスが昨年までより1段も2段も低下してしまった。その低下がちょっと露骨で、例えば備品のマウスウォッシュが消え、宿泊客はみんなワンフロアにまとめられ、夜のターンダウンもない。

 

 もちろんこのたいへんな時期、そんなことにいちいち文句を言っていないで、「いいから仕事&仕事」である。ベテランスタッフと難波で待ち合わせて、今日の会場の天王寺に向かった。

 

 会場というのも、もともとはいつもお馴染み、大阪市立大学医学部の階段大教室を予定していた。しかし諸君、諸君もご存知の通り、今は日本中のどの大学も警戒レベルが「Red」やら「Orange」やらであって、小中学校や高校では対面授業をしているのに、大学はみんなオンラインである。

 

 予定の大阪市立大医学部も、やっぱりオンライン状況が続いていて、予備校の公開授業なんかに教室をあけてはもらえない。「大阪国際交流センター」という昭和のハコモノに予定を変更して実施することになった。

(京都富小路&御池、料理旅館「吉川」の天ぷら。おいしゅーございました 3)

 

 手洗いにマスクの徹底は、言うまでもない。収容人員220名の会場に110名、「キャパシティの50%」という本部のお達しを厳守して、シュールなほどの静寂の中で19時、天王寺の公開授業を開始した。

 

 しかし諸君、源氏&平家の合戦の時代なら「一騎当千」と形容すべき、マコトに恐るべき優秀な生徒が集結したのである。京都大学合格ランキングのトップ集団を形成する、大阪のトップ校の諸君が60%以上を占めている。

 

 北野高校、天王寺高校、大手前高校。この10年で大阪府立の3トップは、昭和中期の勢いを回復した。首都圏は今もなお中高一貫の私立の天下だけれども、関西は公立の復活が著しい。「灘に合格しても、北野に進む」という選択が、むしろ当たり前になってきている。

 

 その3校に通う生徒が6割を超えた会場なんてのは、代ゼミや河合塾はもちろん、あの駿台でも滅多に経験したことがない。「ほとんどが京都大学を志望しています」というスゲー会場で100分、次第に高まる大爆笑の中で、難関国立大の長文問題1問をカンペキ解説。たのしゅーございました。

(大阪天王寺の大盛況の後は、先週に引き続き「マックナイト」と言ふことにした)

 

 しかしいくら楽しくても、現在は終了後の懇親会は一切禁止である。しかたなくヨチヨチ、疲れた足を引きずりながらホテルに帰還するや、何と今井は今夜もまたマクドナルド・ディナー、略して「マックナイト」を開始した。

 

 先週に続いて、夜マックの「倍ビッグマック」、肉4枚の巨大ハンバーガーにチャレンジする。難関大の長文問題を一気に片付けた後は、冷たい缶ビール2本を一気飲みしながら、難関ハンバーガーを5分で丸呑みする。恐るべしサトイモ、恐るべし胃袋、そういう勢いである。

(やっぱりこのぐらいの豪快なクライマックスじゃなきゃいかん)

 

 こうして我が胃袋君は、天ぷらと巨大ハンバーガーで油も満タン。「もう油は結構でございます」と泣き言を言い始めたが、そんな泣き言はこの今井が許さない。講師というものは、どこまでも質実剛健、自分にも厳しいほうがいいにきまっている。

 

 だから翌日も8時に起床、すでに7ヶ月、1日も欠かしていない腕立て伏せ100回にスクワット100回で筋肉を鍛えたあとは、胃袋も厳しく鍛えないとエコひいきになるだろうと判断するに至った。

 

 胃袋の鍛錬には、油責めが一番だ。昨日は天ぷらと巨大ハンバーガー。ならば今日のランチは大阪名物串カツを選んで胃袋君のトレーニング、略称「胃トレ」に励もうじゃないか。「2度づけは禁止やで」もいいが、この日はホテル至近の梅田グランフロント「串かつ 揚げ八」を選択した。

 

「揚げ八」と書いて「あげはち」ではなく「あげは」と読む。うーん、その辺に少なからず軟弱さを予感したのである。今井君は質実剛健が大好きで、英語学習も単語・文法・音読の基礎基本を徹底する。体育会系の河口湖合宿が鳥肌が立つほど好き。軟弱な店は、余計な工夫が多くて迷惑する。

(翌日のランチは串揚げ屋。徹底した油責めで胃袋を鍛える)

 

 それでもせっかく選んだ店だ。3000円もする串カツのフルコースを注文。串カツの到着を待たずに、まずは大盛りご飯を2膳も飲み込み、味噌汁のお代わりが出来ないことに苛立ちながら、消毒用のアルコールを2回も吹きかけて清潔ランチを徹底した。

 

 そこへ、案の定マコトに軟弱な串カツが登場する。まず諸君、ソースが基礎基本のウスター系ではないのだ。「中濃ソースか、だし汁か、塩で召し上がってください」とおっしゃる。

 

 しかもテーブルに到着する前に、マヨネーズだの鶏そぼろだのタルタルだのがワンサと乗っかっていて、大好きな基礎基本をトコトン味わえない。というか、要するに台無しだ。こうなると今井としては、基礎基本の蹂躙に切歯扼腕しながら、質実剛健の重要さを再確認するしかない。

 

 ま、仕方がないだろう。ワタクシも今や、日本中から「来ないでください」と苦笑で敬遠される東京モンの一員だ。串カツにまで「来ないでください」と苦笑されたに違いない。素直にあきらめて、我が胃袋が厳しい油責めに耐えて見せてくれたことに満足し、今日の仕事の神奈川県小田原に向かうことにした。

(タルタルを最初からかけずに、客の裁量に任せる工夫をした方がいいんじゃないか)

 

 大阪から小田原への移動は、こりゃまたマコトに難しい。羽田までヒコーキでビューン、ないし新幹線で地表面を蛇のようにのたくっていくしかないが、小田原に停車する「ひかり」はたいへん少ないのである。

 

 すると諸君、油責めに耐えたサトイモは、悪名高い「こだま」君と付き合うしかなくなる。むかし中学から高校まで仲の良かった児玉君という友人がいて、児玉だから「ジダマ」「ジダマ」の愛称で呼ばれていたが、彼はバレー部のエースでカッコよかった。一方の「こだま」は、いやはやホントにダメなヤツである。

 

 だって諸君、三河安城だとか掛川だとか新富士だとか、他には誰も止まらない小さな駅で、「のぞみ2本の待ち合わせをいたします」「のぞみとひかりとのぞみにぬかれます」とか、そういう屈辱的な扱いに抵抗することもせず、のうのうと鼻歌なんか歌ってジッと耐え続けるだけなのだ。

 

 そこで今井君は一気に大阪から品川まで行ってしまい、呑気でダメな「こだま」君との付き合いは品川から小田原までに限定して、天ぷらとハンバーガーと串カツの混じった難解で濃厚な油ゲップを我慢しながら3時間、やっとのことで小田原にたどり着いた。

(串揚げ屋「揚げ八」には、なかなか絵心のある人がいるようだ)

 

 しかし小田原での公開授業は、またまた質実剛健な生徒諸君に励まされて、素晴らしく楽しいものになった。出席者150名。会場のキャパは300名だから、ちゃんと本部のお達しを守ったことになるが、全員マスク姿の受講生諸君は、難しい長文問題に臆することなく、明るい爆笑を続けてくれた。

 

 我ながら最高の出来で、会場係員のオバサマからも感動&感激の拍手をいただいた。終了21時。小田原からはロマンスカーで新宿まで1時間半。雨模様の新宿から地元の駅に帰ると、外は風もなくて異様に蒸し暑い。激しい雨を予感しながらオウチまで10分、大汗をぬぐいながら歩いて帰った。

 

 そしてまたまた案の定、日付が変わって723日午前1時半、渋谷区の住宅地に重い雷鳴が轟いた。その10分後、生ぬるい大粒の雨滴が激しく屋根を打ち始め、雨雲レーダーでも世田谷から渋谷区にかけての一帯が赤から紫へと色が変わった。

 

 そのまま2時間、いわゆる「バケツをひっくり返したような」梅雨末期特有の豪雨が続いた。いつもの年なら、こんな雷と豪雨の直後にいきなり強烈な陽光の朝が来て、遠く去った入道雲が朝日に白くきらめき、テレビのニュースから「梅雨が明けました」という声が聞こえるはずである。

(サトイモまたはキウィと思っていたが、意外にワタクシ、レモンにも似ているんじゃないのか)

 

 しかし今年はやっぱり違う。まだまだ梅雨は続くのである。6月10日ごろに梅雨入りして、すでに梅雨は40日も続いている。「トンネルの先が見えない」のは、コロナばかりではない。梅雨空も、アジアの国際情勢も、みんなみんな重苦しいままのようである。

 

 そこで諸君、以下に3年前の2017年、質実剛健な我が河口湖合宿の記事をタップリ貼り付けておく。10日間にわたる基礎基本徹底の清々しい合宿の様子でも読んで、多岐にわたる鬱陶しい話をスカッと忘れていただきたい。実際に合宿に参加したつもりで、1日に2つずつ読んでいけば、読み終わった頃には、少なくとも梅雨は明けているだろう。

 

Sat 170701 開講式/新旧ハキモノ2種/アゲモノ2種/合宿の昔と今/正しい音読

 

Sun 170702 合宿初日☞2日目/絶好調でツキススム/NHK「日曜美術館」のあの人を発見

 

Mon 170703 ハンバーグの日/同じハンバーグ101個が胃袋で燃える/30分が悔しい

 

Tue 170704 BAD TORO/いざ出陣/難関国立の読解3問/強烈な拍手が巻き起こる

 

Wed 170705 河口湖ガッシュ君/昔は徹夜、今は早起き/クラス閉講式/カレーと全体閉講式

 

Thu 170706 わかさぎフライのデジャヴ/微妙な常連/わかさぎ増量/不機嫌なヒト

 

Fri 170707 毎年よ 彼岸の入りに/スタートの苦労/鋭角的な急上昇/最高の成功事例

 

Sat 170708 笛吹けど踊らず/どんどん/副詞と形容詞が大好き/鋭角的急上昇への隘路

 

Sun 170709 焦らない/ルーティンを堅持/ローテーションを堅持/絶好調に漕ぎつける

 

Mon 170710 黒ズンボ断捨離/霧の河口湖/2017合宿最終日/霧に抱かれて静かに眠れ

 

Tue 170711 10年の変遷/2018年6月以降は?/一瞬、富士が頭を出した/締めくくる

 

Wed 170712 祝杯をあげる/キュコキュコの連続/成田エクスプレス/「にいづ」のうなぎ

 

1E(Cd) Peabo BrysonUNCONDITIONAL LOVE

2E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & BerlinSCRIABIN SYMPHONIES 3/3

3E(Cd) SECRET OF ISTANBUL

4E(Cd) 1453

5E(Cd) Jarvi  GoteborgGRIEGPEER GYNT 1/2

total m30 y411  dd25681