Thu 170706 わかさぎフライのデジャヴ/微妙な常連/わかさぎ増量/不機嫌なヒト | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 170706 わかさぎフライのデジャヴ/微妙な常連/わかさぎ増量/不機嫌なヒト

 2005年以来、13年も同じ場所で同じ日に同じことを繰り返していれば、当然のことだが全てに既視感があり、ガッシュ君にとって7月21日から30日までの10日間は、とってもデジャヴな日々の連続になる。

 閉講式が終わって、生徒諸君は行き先別のバスに乗り込む。あんなに熱く盛り上がったクラスの94人であるが、宿舎を出た途端にもうバラバラ。将来の再会を誓ったとは言っても、とりあえずそれは少なからず遠い先のことになる。

 しかしこの生徒諸君の中から、来年や再来年の合宿にアルバイトとして参加してくれる者も出る。2017年第1期は、今井の記憶の中でも最も優れたクラスの1つであった。ぜひ来年、再来年でもいい、ここに大学生アルバイトとして帰ってきてもらいたい。

 さて、われわれ講師もちょっと宿舎を離れることにしようじゃないか。むかしむかし、昨日書いた「徹夜勉強」に講師が付き合って完全徹夜していた頃は、この段階で「お部屋に帰って寝ちゃう」という行動が主流だった。夕暮れまでガチ寝、夜からゴソゴソ起き出してメシを食いにいった。

 しかし諸君、「徹夜勉強」も今は昔の物語。講師が徹夜に付き合って疲れ果てるのも、同様に今は昔の物語だ。閉講式が終わると、直ちに宿のクルマに乗せてもらって、河口湖の駅に出る。

 そこからは2手に分かれて、
① いったん東京に戻って、翌日の第2期開講式に間に合うように舞い戻ってくるセンセ
② 駅の近くのコンビニでたっぷり買い出し、明日からの5日間に万全の備えをしてから宿舎に戻るセンセ
毎年のことだが、①と②がほぼ同数と言ったところか。
クリスマスツリー
(何故かクリスマスツリーの前で「第1期終講」の祝杯をあげる)

 今井君はまさにデジャヴ的な恒例、わかさぎフライを肴に、冷えたビールをグビグビやりに出かける。前期の生徒は帰り、後期の生徒は明日まで来ない。何の遠慮もなくグビグビに集中できる。

 グビグビの店は、数年前まではエキナカのカフェみたいなところが定番だったが、最近はエキナカの混雑がタダゴトではない。雑踏があまりに激しくて、せっかくのグビグビを落ち着いて満喫できない。

 そこでワタクシは、駅前に並ぶ土産物屋の2階に、昔ながらの食堂を発見。駅から湖に降りていく道をはさみ、向かって左が「ほうとう不動」向かって右が今井の選んだ食堂「平井売店」である。

 ホントは「ほうとう不動」のほうがオシャレで旨そうなのだが、ガイドブックにでも出ているのかやっぱり大混雑で、滅多なことではテーブルにありつけない。それどころか間違いなく「お相席を御願いします」が来る。

 普段の今井君なら、「お相席」でもまあガマンする。お相席を何かのチャンスと考えるタイプの人間ではないが、ワガママを言わずにジッとガマンすることなら、出来ないことではない。

 しかし諸君、4泊5日の合宿がたったいま完了し、サトイモおじさまが求めているのは心からの休息である。雰囲気がちょっとぐらいダサくても、食べ物が少し平凡でも、ちっともかまわない。ゆったり、だらしなく、身も心もゆるゆるに緩めて、冷たいビールをグビグビやって快哉を叫びたい。
わかさぎフライ
(河口湖駅前「平井売店」のわかさぎフライ。去年よりわかさぎの数がググッと増えた気がする)

 というわけで、「ほうとう不動」はボツ。道をはさんだ土産物屋の2階へ、デジャヴな階段を駆け上がる。テーブルは6割ぐらい埋まっているが、1人で4人掛けテーブルを大胆に占領できる雰囲気だ。

 思えば昨年も、同じ日に、同じテーブルで、同じものを注文した。「わかさぎフライ、単品で」「あと、生ビール」「いっしょに生酒も」。メシ時なのに御飯ものを注文しないキウィな中年の顔を、店のオバサマが不思議そうに眺めるのも、また昨年と同じである。

 7月25日、季節はクリスマスの反対側であるが、店内には大っきなクリスマスツリーが飾られ、たくさんのクリスマスリースもかかっている。面倒だから片付けないで1年中そのままになっているのか、それとも何か意味があるのか、近いうち店のオバサマに尋ねてみようと思う。

 要するに「尋ねてみようと思う」という程度の間柄なのである。確かに今井はすでに店の常連ではあるが、常連と言っても1年に2回、7月25日と7月30日の午後1時半にやってくる、マコトにへんちくりんな常連だ。

 これでは気さくに「何で真夏にクリスマス?」と質問できるほどの親しい距離感にはなりにくい。オバサマたちのほうでも、「覚えているような♡」「覚えていないような♨」であって、むしろ完全な初対面のほうが気楽にコトバをかわせそうな、複雑微妙な常連状態なのだ。

 メニューは、マコトに単純である。麺類・丼物・唐揚げ定食の類いがズラリと並び、それに「名物 ほうとう」と「名物 おざら」が加わる。「おざら」とは冷やしほうとうであって、夏の山梨の定番料理であるらしい。

 冷水でギュッとしめたほうとうを、熱いつけ汁につけて食べる。「あれれ、それじゃ結局あったまっちゃうじゃん」「つけ汁も麺も、どっちもなまぬるーくなるだけなんじゃん?」であるが、今井君はまだ食したことがない。やっぱり「1年に2回の微妙な常連」。試す機会がないのである。
ニュース
(外国人観光客の増加を、NHKの山梨ローカルニュースが伝えていた)

 そんな微妙な距離感を楽しんでいたのだが、今年は諸君、様子が違う。オバサマたちの側の親密さがググッと増して、ずいぶんガッシュ君に優しくしてくれる。

 隣のテーブルのサラリーマン4人が揃ってタバコに火をつけた瞬間、遠く離れた別のテーブルに替えてくれる。そのテーブルに夏の日差しが強烈に当たり始めると、「そこ暑いでしょ」「こっちのほうがいいですよ」と、クーラーの風のあたるテーブルに移動させてくれた。

 わかさぎフライにしても、「あれれ、去年よりずっとたくさんあるぞ」であって、間違いなくわかさぎの数が増えている。思わず「おお、増えましたね♡」と、オバサマに笑顔で指摘してしまった。

 試しに昨年7月25日についての記事「Sun 160703 慶応義塾高に喝采/合宿1期最終日/閉講式/河口湖駅前でわかさぎフライ」をクリックしてみたまえ。ほらね、ほらね、明らかに増えた。2倍ぐらいに増えている。

 オバサマも嬉しそうに「カルシウム、カルシウム。カルシウムは大事ですよ」とおっしゃる。「覚えてくれているな」という実感がギュッと高まる瞬間である。「もしかして、我々の新CMを見てくれたかな?」であるが、面と向かってそれを尋ねるほど鉄面皮ではない。
黒板
(今ごろは、教室も休憩中だ)

 日本酒についても、オバサマたちと話が弾んだ。「美味しい地酒ですよ」「地元の人はみんなこれを飲んでます」とおっしゃる。確かにきりっと冷えてマコトに美味しいお酒であった。1時間で2本も飲んじゃったよん。

 河口湖はもともと外国人観光客の多いところだったが、この2〜3年の増加ぶりはちょっとやそっとのことではない。駅前を歩いている人の8割から9割は外国人。ちょうど甲府からのNHKローカルニュースで話題になったばかりである。

 そのせいか、店のオバサマたちも積極果敢に英語を操って、外国のお客様たちに温かく対応している。ワタクシがいた時間帯は、東南アジアからの団体が8名、ドイツからの家族連れが5名、中国の団体が10名。日本人は、さっきの喫煙組サラリーマン4人と、あとは今井君1名だけである。

 英語メニューに中国語メニュー、韓国語メニューにタイ語メニューまで揃えて、うーん、「平井売店」が完全にグローバル化するのに、あと必要なのはスペイン語メニューぐらいなんじゃないか。
デジャビュな開講式
(7月26日、第2期の生徒たちが到着。マコトにデジャヴな全体開講式が始まった)

 あまりに急激な外国人観光客の増加に、若干だが苛立っている様子を隠せない人もいるようだ。駅員さんの対応が、ちょっとキツい感じになっていないか。

「特急電車の予約をキャンセルしたいんですけど」と懸命に日本語で話す中国人女性に、「ここでは出来ません」「キャンセルは電話でしか出来ません」と厳しくピシャリと言い放って、それっきりにしてしまったヒトを目撃した。

 男子とも女子とも言わないでおくが、そんなにキツい対応じゃ、外国からのお客様が可哀そうじゃないか。ヒマさえあれば海外をノシ歩く今井君だって、もしあんなコワい顔であんな扱いを受けたら完全にションボリ、立ち直るまで2〜3日はかかるかもしれない。

1E(Cd) George Duke:COOL
2E(Cd) Menuhin:BRAHMS/SEXTET FOR STRINGS No.1 & No.2
3E(Cd) Brendel(p) Previn & Wiener:MOUSSORGSKY/PICTURES AT AN EXHIBITION
4E(Cd) Alban Berg:BRAHMS/KLARINETTENQUINTETT & STREICHQUINTETT
5E(Cd) Alban Berg:SCHUBERT/STRING QUARTETS 12 & 15
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