Sun 250615 穏やかな朝食ビュッフェ/もうバカなマネはしない/ベンヴォーリオ 4693回
朝起きて、さっそく朝食をいただく。おお、あまりにも品行方正、まさに模範生の行動だ。むかしのメチャメチャな今井君を知っている人なら、間違いなく「どうかしたのか?」「天変地異の前触れじゃないか」「まさかお前、病気か何かか?」みたいに、ひっくり返るほどビックリするに違いない。
確かに「今井君の朝」といえば、まだ昨夜のお酒が抜けていないというか、ハッキリ言えば午前3時か4時まで酒盛りが続いていて、午前6時や7時に「朝ごはんよー♡」みたいなことになれば、それこそ冗談じゃない、味噌汁や目玉焼きのニオイを嗅いだだけで、昨夜の酒が喉元に込み上げてくるぐらいだった。
(6月4日、京都府立植物園の超豪華バラ園を散策する 1)
それが諸君、少なくとも旅先のホテル滞在中だけは、あんなにダメだった今井君が今や信じられないぐらい、勢いよくむっくり起き上がって、朝食ビュッフェに急ぐのである。
その勢いもまた問題なので、20年ぐらい前までの若き今井君は、いったん朝食ビュッフェの光景を目にすると、何が何でも食べ放題に食べまくった。
チーズ類やハム&ソーセージ類を山ほどお皿にとって、何度も何度もカウンターとテーブルを往復し、「モトを取らずにいるものか!!」の勢いは、まさに「獅子奮迅」の次元。それが海外なら、というか昔は海外にしか行かなかったのであるが、まさに「日本人の恥」と非難されて然るべき行動を恥じなかった。
(6月4日、京都府立植物園の超豪華バラ園を散策する 2)
イタリアの湖水地方、ジョージ・クルーニーだったか別の誰だったか、そのレベルの大スターも自家用ヘリか何かでやってきた超高級ホテルの朝食で、シャンパン2本空っぽにしたこともあった。いやはやかつての今井君、おおいに日本の恥を晒してきたのである。
そんなに激しく貪るから、昼過ぎになると観光地のド真ん中でピンチに陥ることがよくあった。今でも思い出すが、20年前のフェラーラではマクドナルドのトイレに救われ、同じく20年前のパルマでは土産物店の地下にあるトイレに救われた。あまりにもダメな時代の記憶、情けないにもホドがある。
だからしばらく、ワタクシは大人しく「朝食ぬき」を貫いてきた。朝は、何にも食べない。特に仕事がある時は、朝食も昼食も食べないでお腹をぺちゃんこにしておかないと、たくさんの人の前に出てから何か異変に気付いてももう遅いのである。
(6月4日、京都府立植物園の超豪華バラ園を散策する 3)
しかし6月4日、この日は「人前に出て話をする」というシチュエーションはない。予定では昼前から植物園を彷徨い、植物園を出たら鴨川沿いにしばらく散策を楽しみ、午後からは東山へ、詩仙堂・曼殊院・鷺森神社・赤山禅院を回る。そういうスケジュールだから、朝食をどれほど詰め込んでもピンチに追い込まれる危険は小さい。
だから朝7時50分、ワタクシは宝ヶ池プリンスホテルの朝食ビュッフェに、威風堂々その楕円球の姿を現すのである。お客の割合は、日本人2割、中国・インド・東南アジア系5割、欧米系3割、まあ連日そんなところだ。
こういう静かなホテルの静かなビュッフェであれば、しかも今の今井君はたいへん落ち着いた高級オジサマだ、かつての恥ずかしい時代とは今や完全に無関係の、マコトに落ち着き払った行動をとる。
(6月4日、京都府立植物園の超豪華バラ園を散策する 4)
すぐ目の前は有名な国際会議場だから、学会に招かれた学者や医師も多い。地下鉄で2駅のところに京都北山コンサートホールがあって、演奏会に訪れた演奏家の皆さまも宿泊なさっているらしい。エレベーターの中で、大きな楽器を大切そうに抱えた知的な男女と一緒になることもある。
そういうホテルだから、朝食ビュッフェもマコトに穏やかである。超高級ホテルなんかだと、朝からたくさんのシェフが調理場にズラリと並んで、タマゴ料理だって何種類もその場で焼いてくれたりするが、ここはそこまで手の込んだサービスはしない。
(6月4日、京都府立植物園の超豪華バラ園を散策する 5)
やっぱり朝食はこのぐらい落ち着いていたほうがいい。朝のオムレツをいただくのに、いちいち「マッシュルームとハムを入れて」だの「ボクはオニオンとスピナッチがいいな」だの、いちいちそんなメンドーな注文をしなきゃいけないわけじゃないだろう。
まあワタクシだって、その種のメンドーな朝食ビュッフェを利用することもあるが、いやはや「ボクは黄身がキライなので、オムレツは白身だけで」だの「目玉焼きは白身はカリカリ、黄身はとろーり」だの、おおそりゃたいへんだ。
そういうのを聞いていると、また昔のダメで乱暴な今井君がニュッと顔を出しそうになり、「肉だく牛丼、アタマの大盛り、生玉子も2個つけてください」みたいな、強烈な注文が懐かしくなる。「銀ジャケ定食、銀ジャケをもう1切れトッピング、ついでにベーコンもトッピング」なんてのもいいじゃないか。
(6月4日、京都府立植物園の超豪華バラ園を散策する 6)
というわけで、知的な海外勢が7割から8割を占める静かで穏やかなホテルの朝食ビュッフェを、今のワタクシは心から愛している。今すぐロミオを演じさせてみたくなるような、超美形♡欧米系のギャルソンも真剣に働いている。たとえロミオは無理でも、ロミオの親友ベンヴォーリオなら十分にやれそうだ。
真面目一本槍の日本人青年も、ベンヴォーリオ君に負けずに黙々と頑張っている。席への案内も、食器類の片付けも、朝早くからこんなに真面目に真剣に働いているだなんて、日本人の青年たちもまだまだ捨てたものではない。
ワタクシは自分の大きなお皿に、まずは山盛りのレタス、サーモンが6切れか7切れ、ブロッコリーが4房から5房、チーズ4切れか5切れ、大好きなヒヨコ豆が2匙ぐらい。なかなかの大盛りだ。
あとはヨーグルトに烏龍茶。いやはやこんな健康的な今井君が、かつて存在しただろうか。これにキウィがあれば文句なしだが、この旅の5日間は、残念ながらキウィの姿を見かけなかった。
(京都府立植物園のバラ園、バルコニーからの眺め。すぐ近くの比叡山が借景になっている)
「あれれ、タマゴは?」であるが、タマゴは諸君、ワタクシにはどうやら一日の許容量がしっかり決まっているようであって、「一日に2個まで」、これを厳守しないとお腹が激しく反撃してくる。だから、朝食にもし食べるとしても、和食系の玉子焼きを2切れか3切れ、そのぐらいで我慢することにする。
あとは大人しくお部屋に帰って、午前10時過ぎまでコーヒーを飲みながらゆっくりする。おお諸君、驚くじゃないか、品行方正に「コーヒーを飲みながら」、決して朝からビールを痛飲したりはしない。生まれ変わった今井君は、今や完璧と言っていい模範オジサマに変身したのである。
1E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 1/4
2E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 2/4
3E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 3/4
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