Tue 170704 BAD TORO/いざ出陣/難関国立の読解3問/強烈な拍手が巻き起こる | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 170704 BAD TORO/いざ出陣/難関国立の読解3問/強烈な拍手が巻き起こる

 合宿が4日目に入れば、「もう終わりかぁ」であり「早いなぁ」であって、残る授業は3コマだけである。講師としてはまあ「ヤレヤレ」な安心感とともに、「あれもやりたかった」「これもやりたかった」という欲求不満も感じるのである。

 もちろん、翌日の終講式が終わって第1期の生徒諸君が帰っていっても、その翌日には2期の生徒とスタッフがやってくる。「終わりが近づいた」と言っても、講師にはまだ丸々5日残っているので、ホンの折返点に到達するに過ぎない。

 3日目でテキストの中身は全て終わってしまったから、4日目の90分×3コマは、ワタクシが自分で用意した補充教材を使う。全て本格的長文読解で、筑波大・大阪大・九州大を選んだ。

「何でそんなに国立大学に偏ってるの?」であるが、この時期の受験生には、ぜひ同じような選択をしてほしい。早稲田とか慶応とか関関同立の問題だと、何しろ設問が煩わしくて、本文の読解に集中できない。落ち着いて本文を読みたいのに、ついつい設問の処理の仕方にばかり注意が向いてしまう。

 もちろん国公立の問題にだって、煩わしい小問をズラッと並べたイヤらしいのもあるし、特殊な解き方をしたほうが圧倒的に有利な問題も散見される。

 しかし用心深くその類いの問題を避けて、本文の読解に集中しやすい良問を選べば、生徒諸君の読解力は短期でギュッと伸びていく可能性が高い。たった1日、たった3問か4問でも、その「ギュッ」はマコトに頼もしい。
BAD TORO
(第1期4日目は、バルセロナで購入したBAD TOROのTシャツと決めている)

 4日目の朝、今井君自身もまたギュッと張り切って、もう5年も前から「4日目用」と決めているTシャツを着込んだ。スペイン・バルセロナのグエル公園付近で購入。2010年9月のことである。

 だから、7年も前のTシャツを着つづけていることになる。自分でも物持ちの良さに驚くが、しかしワタクシがこれを着るのは1年に1回、河口湖合宿の4日目だけである。7年で7日しか着ていない。だからまだ十分に新品の気迫が残っている。

「BAD TORO」の文字と、いかにも悪そうな黒い雄牛のデザインが気に入った。何と言っても目つきの悪さがサイコーじゃないか。若い頃のワタクシにそっくりだ。

 今や今井君は激怒することなんか滅多にない。大人しいサトイモや、気のいいキウィを演じている。しかし、むかしむかしの若い頃には、しょっちゅうこんな目つきで激怒しては、周囲をハラハラさせていたのである。迷惑させられた人も少なくなかったはずだ。

 バルセロナの旅の2年前、2008年の11月にはマドリードを旅した。セゴビア・トレド・コルドバ・セビージャ、そういう小旅行を組み込んで、たいへん忙しい旅だったが、初めてBAD TOROを発見したのは、あのマドリードの旅の時だった。

 今日の写真とは色違いの真っ赤なバージョンで、こちらは、第2期の4日目に着ることにしている。第2期4日目とは、7月21日から数えればもう9日が経過。さすがのサトイモ君ももうグロッキー寸前の1日だ。真っ赤な激しい色彩で、自らを奮い立たせるしかないじゃないか。

 すると当然「えっ、10年前のTシャツをまだ着ているの?」と、相似形の驚きが湧き上がるだろうけれども、その答えもまた相似形であって、「はい、1年に1回、合宿のべ9日目の1回にしか着ないので、まだ10回しか着てないんです」「まだ十分に新品の気合いがこもっています」なのである。
扇風機1
(クーラーに加えて、いよいよ扇風機君の登場だ)

 こういうことを書くと、さらにさらにビックリするヒトがいて、「は?そんなTシャツのローテーションを決めてるんですか?」と来る。もちろんその通り。今井の頭の中にはその類いのローテーション表がナンボでも存在する。

 どんな本をどんな時に読むか。どんな音楽をどんな時に聞くか。どんな芝居、どんなオペラ、どんな朝飯、どんなディナーを、どんなシチュエーションでエンジョイするか、あらかじめしっかり予定が立っていなけりゃ、人生が大混乱して混沌に陥る。

 もちろん、ローテンションから脱落していくTシャツ君もいる。今年ローテーションから外したのが「なまはげ」のTシャツ。これは比較的新しい。民主党政権下、自民党の故・与謝野馨氏が国会で鳩山政権を強烈に攻撃していた日、ワタクシは秋田で公開授業。購入から7年半が経過した。

 しかし、気に入って乱用しすぎたせいで、首回りがベロンベロンに伸びちゃった。ここまでベロンベロンじゃ、人前に着て出るのは失礼。うーん、可哀そうだがこれは断捨離候補。候補に上がってから2年も生き残る場合もあるが、とにかく人前には出せない。

 懐かしく、かつ驚嘆すべき話だが、ボクチンはこのなまはげTシャツを着て雑誌「CanCam」に登場したのである。この地球がどんなに大きく、宇宙がどんなに広大無辺であっても、「CanCamに登場した予備校講師」なんてのは、この今井君以外に見当たらないんじゃないか。

 詳細は、4年前の記事「Sat 130629 キャ、CanCamにクマが出た CanCam史上に残るオヤジ 合宿開始」を参照してくれたまえ。おやおや、それもまた合宿中のブログ。4年前も今も、同じようなことを繰り返しているのであるね。
なまはげ
(なまはげTシャツ。4年前の今井君はこれでCanCamに出た)

 しかし4年前と明らかに違うのは、今井がテキストをグイグイ進めてしまうそのスピードである。3日目でテキストがスカッと終わって、さあいよいよ4日目の朝、BAD TOROバルセロナ版を着込んだら、いよいよ出陣だ。

 朝の90分は、筑波大学。テストゼミ形式25分で解いてもらって、65分で解説する。約60行の長文だから、65分で解説を終えるとなると、これはかなりの高速だ。それでも大爆笑が止まらない。

「筑波大の問題で、何でそんなに爆笑が連続するの?」。今井の授業を受けたことがない人は、誰でも大きなクエスチョンマークが頭上にわだかまるのを感じるだろう。クエスチョンマークの風船がまるで気球のように大っきく膨らんで、アナタの肉体は中空に浮かんでしまうかもしれない。

 別に雑談に興じるわけではないのだ。その類いの爆笑じゃ、65分で60行+設問5問の解説は極めて困難になる。だから諸君、大爆笑の連続はすべてマジメで巧みな解説と、今井の話術のなせるワザなのである。
扇風機2
(黒板と扇風機が大活躍するレトロな風景)

 そしてあまりにお見事、90分の制限時間に授業はピッタリ収まって、1分の延長もない。ただしこの日はちょいと違う。もうテキストは終了しているのだ。解説の後に、文章の中身にちなんだトークも入れる。

 合宿も実質は4日目で終わり。明日は午前9時から「修了判定テスト」があるだけだ。講師の話を聞くのは今日がラスト、ならばちょいと印象に残る話ぐらいはしておきたい。

 午後の時間帯は、大阪大学の問題。今度はもう少し長くなって、約70行。難易度もますます上がって、1行に1つずつ知らない単語が登場するレベル。うぉ、こりゃ難しい。生徒諸君には、やっぱり25分で解いてもらい、ワタクシが65分で解説する。
すきやき
(4日目の夕食はすき焼きである)

 最終日、夕食は「すき焼き」である。生タマゴのないすき焼きは何となく不思議な気もするが、揚げ物&揚げ物の連続で疲れた胃袋にはたいへん優しく感じられる。部屋の冷蔵庫にドリンクなしの5日間を、何とか今井君は間もなく切り抜けられそうである。

 夜の時間帯、いよいよ合宿の最後を飾る長文読解は、九州大学。午後の大阪大の問題とほぼ同じ難易度である。しかしこのレベルになっても、CanCamなキウィ君の手にかかれば、やっぱり同じように大爆笑の連続の対象だ。

 あんまり分かりすぎて、楽しくて楽しくてたまらないという状況なら、人はホントに小さなキッカケで、大きな声で笑わずにはいられなくなるものだ。いやはや、こんな難しいのをバリバリこなして、それで笑い疲れる1日だなんて、最高じゃないか。

 22時30分、第1期94名の授業はこれで滞りなく終了。教室を去りぎわ、熱烈&激烈な拍手が沸き起こる。拍手の迫力で教室の壁も床もビリビリ震えるほどである。いやはや、素晴らしい生徒諸君だった。むしろ今井君のほうから、彼ら&彼女らの大健闘に熱い拍手を送りたい。

1E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE②
2E(Cd) Muti & Berlin:VERDI/FOUR SACRED PIECES
3E(Cd) Hilary Hahn:BACH/PARTITAS No.2&3 SONATA No.3
4E(Cd) Kirk Whalum:COLORS
5E(Cd) George Benson:IRREPLACEABLE
total m20 y1350 d21308