技術士合格法(9 道しるべ)(R6.5.21更新) | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

●予想問題の解答例について

令和6年度の予想問題の解答例については、5月26日(日)以降、順次、1問ずつ公開していきます。

 

9 道しるべ

 

●不合格の理由

平成19年度、僕が技術士試験を受験したときのことです。

予想問題とその解答を作って、それを完璧に記憶していました。

試験本番、テーマとキーワードの予想が的中しました。

憶えたことを、そのまま解答用紙に書きました。

手ごたえありです。

試験が終わった直後、「これは合格したな!」って思いました。

しかし、自宅で問題文を読んでみると、ある1問について、

「テーマもキーワードも的中しているが、自分の書いた解答は、質問されたこととちょっとずれているかもしれない」

と思うようになりました。

不安になってきました。

ただ、憶えた解答をそのまま書いたわけですから、内容は正しいわけです。

「出題されたテーマ、キーワードについて、しっかりとした内容を述べたわけだから大丈夫。採点官も考慮してくれるはずだ」

って思っていました。

そして、結果発表。

 

結果は不合格。

 

これはショックでした。

当時、自宅にネット環境が整っていなかったので、早朝のネットカフェでHPを見に行きました。

自分の受験番号がないと分かったとき、個室のソファーの中で崩れ落ちましたね。

結果的に、不安のあった1問の解答が合格ラインをクリアーできなかったわけです。

 

技術士の問題は、テーマ、キーワード、記述内容の3つで構成されています(詳しくは こちら をどうぞ)。
テーマ、キーワードは合っていても、記述内容がずれていたら、題意に答えていることになりません。

問題文のテーマ、キーワード、記述内容と、解答のテーマ、キーワード、記述内容の全てが一致していなければ、合格点はもらえないわけです。

 

 

●試験本番で必要なこと

不合格の経験から学んだことが2つあります。

まず、1つ目は、次のことです。

 

質問されたことに答えていなければ合格することはできない

 

当たり前のことですが、試験では質問されたこと、つまり題意に答えていなければ、合格点はもらえません。

それがどんなに踏み込んだ内容であっても、どんなにいい文章でもダメです。

なぜか?

なぜなら、技術士はコンサルタントだからです。

コンサルタントは顧客のニーズを把握する必要があります。

ニーズに答えていなければ、顧客は成果品に満足しません。

また、コンサルタントは顧客が抱えている潜在的な問題を把握する必要があります。

そうでなければ、顧客の本質的な問題は解消されません。

つまり、コンサルタントは、全ての問題を把握するという能力が必要になるわけです。

技術士試験は、コンサルタントを世に輩出するための国家資格試験です。

このため、試験官は、試験を通じて、受験生の能力を試す必要があります。

つまり、この試験において、質問されたことに答えていない解答を提示することは、致命的なんです。

 

次に、不合格の経験から学んだこと2つ目です。

それは以下のことです。

 

質問に答えることができるよう勇気を出して変更する


自分が作成した自信の解答が頭の中にあります。

出題された問題のテーマ、キーワードと、自らの記憶した解答のテーマ、キーワードは合致しています。

しかしながら、記述項目につちえはズレがあるとします。

その際、「記憶した文章をそのまま書く」か、

それとも、「その場で新しい文章を考えて書く」か、

どちらかを選択する必要があります。

 

その場で何かを考えて書くよりも、記憶した解答をそのまま書く方が楽です。

しかしながら、その文章は題意に合致していません。

合格するためには、「その場で新しい文章を考えて書く」ことを選択する必要があるわけです。

これには勇気が必要です。

それでも、合格するためには、いばらの道を歩む必要があります。

技術士は、施工段階にあっても、設計時の検討ミスがあれば正す必要があります。

これまでに積み上げたことが、全て海の藻屑になる可能性があります。

責任問題が発生することもあります。

リスタートの決断は勇気が必要です。

しかしながら、これをやらないまま放置すると安全性が損なわれ、甚大な事故を招く可能性があります。

だから、勇気を出して、この挑戦を受け入れる必要があるわけです。

試験も同じです。

試験本番、間違っていると感じたのであれば、それをそのまま書いたらダメです。

勇気を振り絞って、その場で、新たな文章を作成する必要があるわけです。

 

●試験を通じて成長する

 


大半の資格試験は、合格するためには頑張る必要があります。

逆に考えると、大半の資格試験は、頑張れば合格することができるわけです。

資格試験は、有資格者を世に輩出するために行うものです。

つまり、頑張って勉強しても、合格できないような資格試験を作っても意味がないわけです。

もちろん、司法試験、公認会計士のように10年勉強しても合格できないような超難関資格も存在します。

しかしながら、大半の資格試験は、数年勉強すれば合格できるようになっています。

「技術士を目指す人の会」では、これまでに受験にチャレンジした人の約8割の方が合格されています。

努力は報われるわけです。

諦めずに、へこたれずに、頑張って勉強しましょう。

 

また、資格試験に合格したからと言って、組織で評価されるとは限らないです。

試験の場合、基準を満たしていれば、「合格」という最高の評価をされます。

ところが組織では、経歴や人間関係が資格以上に評価される場合があります。

こうした評価は、人が行うものですから、明確な評価基準が存在しません。

このため、せっかく頑張って資格を取得しても、そのことが評価されない場合があります。

厳しいですが、これが現実です。


こうした事態を回避するためには、資格の試験勉強を通じて、成長する必要があります。

自らを成長させる手段として、資格制度を利活用するわけです。

受験テクニックと記憶の詰め込みで、一発合格したとしても、自分の成長を実感できなければ何も残りません。

逆に、5回、6回の受験で合格したとしたら、勉強したことが知識化しているはずです。

この技術士試験を通じて、自らが成長したことを実感できていると思います。

 

勉強において重要なのは、他の誰かではなく、自分が自分のことを評価することです。

頑張って勉強したこと、試験に合格したことを、他の誰かに褒めてもらうのではなく、自分自身が満足することが大切です。

 

技術士試験は、頑張って勉強すれば合格することができます。

このことを信じて、自らが成長できるまで勉強を続けることが重要です。

 

●おわりに

これまでに紹介した勉強法は、「技術士を目指す人の会」という勉強会で説明するテキストをブログにしたものです。

幸いにも、「技術士を目指す人の会」では、多くの方が技術士試験に合格されています。

このため、技術士試験に特化し、かつ実績のある方法だと自負しています。

ここでご紹介した勉強法が、受験生の勉強の道しるべになれば幸いです。

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

 

 

※ 一つ前を見たい方は、 こちら をどうぞ。

※ テキストを最初から見たい方は、 こちら をどうぞ。

 

●二次試験の過去問と解答例

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●二次試験の予想問題

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●口頭試験について

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