技術士合格法(5.2 予想を的中させる) | 技術士を目指す人の会

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勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

 情報の整理

 

5.2 予想を的中させる

 

(1)問題の構成を理解する

 問題文は、テーマ、キーワード、記述内容の3要素で構成されています。

 当然ですが、これら3要素のうち、最も重要なのが「テーマ」です。

試験本番で、出題されたテーマについて一度も勉強したことがなければお手上げです。

出題されたテーマについて勉強していれば、出題されたキーワードと記述内容が違っていたとしても、何とか対応できる可能性があります。

そもそも、テーマというのは一体何種類くらいあるか。

水道部門について言えば、過去の出題実績から考えると、30種類程度です。

おそらく他の部門も大きく異ならないと思います。

30種類、全てのテーマについて勉強できるでしょうか。

技術士の一次試験対策として、設計指針を読み込んだ人はいるでしょう。

一次試験は択一式ですから、読み込むだけで得点できるかもしれません。

しかしながら、二次試験は記述式です。そう簡単にはいきません。

単に設計指針を読んだだけでは、600~1,800字の文書を作成することは極めて困難です。

文書を作るのは相当なエネルギーが必要になります。

それから、テーマが30種類だとしても、キーワード、記述内容がたくさんあります。

一つのテーマでも、数多くの問題文をつくることができます。

全てのテーマについての勉強をするのは現実的ではありません。

記述試験に合格するためには、試験に出題されそうなテーマを勉強することが求められます。

 

(2)情報の分析

試験に出題されそうなテーマを予想して的中させるためには、情報の分析を行う必要があります。

この時、便利なのがフレームワークです。

フレームワークとは、現実を観察するため、何らかの概念をまとめるため、一定のルールで作った枠組です。

マトリックス、5W1H、起承転結等、様々なフレームワークが存在します。

これらのうち、最も一般的なのがマトリクッスです。

マトリクッスは、2つの条件で情報を整理することによって、その情報の位置付けを判断するもので、一般には、何が重要かを見極める際に有効です。

例えば、複数のプロジェクトの中から、優先的に取り組むべきものを検討する場合を考えてみます。

重要性の高いプロジェクトを優先的に実施するのが合理的です。

多くのことに言えることですが、行動の重要性というものは「効果」と「緊急性」で判断できます。

これらをマトリックスにすると、下図が完成します。

 

 

これを見ると、「効果」が高く、「緊急性」が高いプロジェクト、つまりマトリックスの右上のフレームは、重要性が高いことが一目瞭然です。

何かのプロジェクトを行うとき、右上に該当するものについて優先的に取り組むべきです。

逆に、「効果」が低く、「緊急性」が低いプロジェクト、つまり、マトリックスの左下のフレームは重要ではないことがわかります。

これは後回しにしてもいいわけです。

このように、マトリックスを活用することにより、情報の重要性を判定することが可能になります。

技術士の二次試験でも、マトリックスを活用することにより、試験に出題されるテーマを抽出することができます。

テーマを予想するため、マトリックスを作るわけですが、これまでに述べたように、マトリックスを完成させるためには、2つの条件を設定する必要があります。

技術士二次試験の筆記試験において、2つ条件とは何でしょうか?

 

1つ目の条件、それは「出題頻度」です。

 

全ての資格試験に共通して言えることですが、試験には必ず出題頻度の高いテーマが存在します。

こうしたテーマは、重要だからこそ繰り返し出題されるわけです。

出題頻度は、過去問を調査・集計することによって把握できます。

過去の頻出頻度の高いテーマが、重要なテーマになるわけです。

出題傾向が条件の1つになることは予想できたと思います。

それでは、2つ目は何でしょうか?

 

2つ目の条件、それは「話題性」です。

 

どんな技術部門でも、話題性の高いテーマが存在します。

話題性が高いということは重要であることを意味します。

なぜなら、技術士はコンサルタントの資格だからです。

コンサルタントは、顧客から相談されたことについて、答を提供する仕事です。顧客は、最近話題になっているテーマについて質問したいと思っているはずです。

このため、試験官サイドとしては、有資格者としてコンサルタントを世に送り出す以上、試験の合格者が最新技術に疎いようではまずい、そう考えているわけです。

話題性の高いテーマというのは、今日的なものです。こうしたテーマは、過去に何度も出題されているようなものではありません。

極端な話、一度も出題されていない可能性もあります。

話題性の高いテーマは、過去問を使っても、抽出できません。

別の方法で情報収集する必要があります。これについては後述します。

下図に示すように、「出題頻度」と「話題性」の2条件でマトリックスを作ることによって、各テーマを整理します。

 

 

このマトリックスにより、試験で出題される可能性が高い、重要なテーマ、そして、極めて重要なテーマを抽出することができます。

 

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●過去問と解答例

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