4.2 試験勉強を通じて成長する
これまでお話した通り、試験に合格するためには、知識力、説明力、応用力を身に付ける必要があります。
これら3つの力は、情報を記憶すること、文章を記憶すること、試験本番で解答をアレンジするための情報と文章を記憶することにより、身に付けることができます。
資格試験に合格するために必要な3つの力は、何からの能力のように見えますが、結局のところは記憶なのです。
このため、技術士も含め多くの資格試験は、試験日までの記憶によって合否が決まります。
つまり、短期間に記憶を詰め込んだ場合でも、合格することができるわけです。
ところがこうした記憶は、試験が終わってしまうと、全て忘れ去られてしまいます。
それでいいのでしょうか?
もちろん、資格を取得することが目的ですから、合格できるなら短短期間の記憶でも良いわけです。
しかしながら、技術士というのは、試験に合格した後、登録を済ませた日から、有資格者になってしまいます。
突然、周りの人や顧客から、様々な質問や相談を受ける立場になるわけです。
そして、技術士の試験問題は、実務に直結したテーマが扱われています。
つまり、周りの人や顧客から質問や相談されるような内容が試験問題になっているわけです。
せっかく仕事にも活きることを勉強するわけですから、勉強したことを忘れたくありません。
憶えていたいものです。
記憶を長期化するための唯一無二の方法は、繰り返して憶えることです。
整理した情報を憶えて、解答を憶えて、それを繰り返すわけです。
しかしながら、多くのテーマについて勉強をした場合、その内容を記憶するとなると相当な時間が必要なります。
勉強時間自体は多くなりますが、1つのテーマに対して投じる期間は短くなります。
結果的に、短期間で記憶を詰め込むことになり、憶えたことは忘れてしまいます。
では、どうすればいいのか?
楽をするためではなく、記憶を大切にするため、勇気をもって「選択と集中」を行う。
勉強するべき重要なテーマを絞り込みます。
これが選択です。
重要なテーマについて勉強時間を投じます。
つまり集中するわけです。
「選択と集中」をすることで、重要なことに関する記憶の長期化を図ります。
これを実践するためには、重要テーマを抽出する必要があります。
ただし、ここではその方法について説明せず、「5 情報の整理」で詳述します。
重要テーマを抽出することができたら、そのテーマについて集中的に勉強します。
まずテーマの全体像を理解します。
そのテーマが存在する理由やそのテーマが重要である理由を俯瞰して考えます。
イメージとしては、テーマの全体像に関する情報整理棚を作って、そこに細かい情報を収納していく感じです。
頭の中が整理されて、記憶が定着しやすくなります。
次に、予想問題等の解答を作成して、これを記憶するわけですが、解答だけを記憶するのはなく、重要テーマの抽出した方法、情報を整理した際に書いたマトリックス、体系図、フロー図等、解答の作成に至るまでのプロセスも記憶するべきです。
そうすることにより、そのテーマに関する知見が育まれます。
このように、テーマを絞って勉強することで理解が深まり、学んだことを長期的に記憶することができます。
楽をするためではなく、長期間記憶を残すために、「選択と集中」を行うわけです。
こうしたことを意識して勉強することで、資格試験への挑戦を通じて、自らを成長させることができます。
頑張ってください。
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