資格試験に合格する。
勉強を通じて成長する。
エンジニアとして有意義に生きる。
こういったことを目指し、実現する上で、読んでおいた方が良い本を紹介したいと思います。
今回お勧めするのは、
『頭のいい人が話す前に考えていること』
です。
作者は、安達裕哉さんです。
マーケティングのコンサルティング会社の経営者です。
この本の目次は、以下の通りです。
第1部 頭のいい人が話す前に考えていること
1 頭が悪くなる瞬間、頭がよくなる時間
2 頭のよさを決めるのは「だれ」だ?
3 なぜ、コンサルは入社1年目でもその道30年の社長にアドバイスできるのか?
4 頭のいい人は、論破しない
5 「話し方」だけうまくなるな
6 知識が知性に変わるとき
7 承認欲求をコントロールできる者がコミュニケーションの強者になれる
第2部 一気に頭のいい人になる思考の深め方
1 まずは、バカな話し方をやめる
2 なぜ、頭のいい人の話はわかりやすいのか?
3 ちゃんと考える前に、ちゃんと聞こう
4 深く聞く技術と教わる技術
5 最後に言葉にしてインパクトを残す
●頭のいい人とは
「頭のいい人」とは、知性の高い人です。
作者曰く、知性には、学術的知性と社会的知性があるそうです。
学校的知性は、IQや偏差値、論理的思考、記憶力等、数字やテストで測れるものです。
社会的知性は、人の考えを理解して、信頼を得て、人を動かす力です。数字やテストで測れないものです。
これらは両方とも知性です。
東大卒の人がいれば、その人のことを「頭のいい人」だと思います。
ところが、その人が「私は東大卒だ」なんてことを言うと、その人のことを「頭のいい人」だとは思いません。
確かに頭はいいのだろうけど、「頭のいい人」とは判断しません。
私たちは、良好なコミュニケーションをとれる人のことを「頭がいい」と判断します。
そして、「この人は私たちのためにちゃんと考えてくれてるな」と思ったとき、その人のことを信頼します。
つまり、社会的知性が重要になるわけです。
同時に、私たちが「ちゃんと考えてくれてるな」と思うのは、その考えが妥当なものであるときです。
つまり、学校的知性も必要になるわけです。
このため、「頭がいい人」になるためには、社会的知性を身につけた上で、学校的知性を復習する必要なのだそうです。
以上のことを踏まえると、「頭のいい人」を一言で表現すると以下のようになります。
知性があって相手から信頼される人
それでは、「頭のいい人」が話す前に考えていることについて紹介します。
●頭のいい人が話す前に考えていること
作者は、頭のいい人が考えていることを7項目上げています。
以下の通りです。
1 とにかく反応しない(感情的にならない)
2 頭のよさは他人が決める(コミュニケーションが大切)
3 人はちゃんと考えてくれる人を信頼する(相手が問題にしていることに着目する)
4 人と闘わず課題と闘う(相手を論破しない)
5 伝わらないのは話し方ではなく考えが足りないせい(話し方だけが上手くならないようにする)
6 知識は誰かのために使ってはじめて知性になる(相手のためになることを話す)
7 承認欲求を満たす側に回る(相手を承認することで信頼される)
作者は、コンサルティングを生業としています。
顧客から頭のいい人と思われることで、業務を継続的に受託することができます。
このため、上記7項目は、コンサルタントが顧客に話をする前に心掛けていることになります。
それから、「頭のいい人」は、以下の5つのことができるのだそうです。
①客観視
②整理
③傾聴
④質問
⑤言語化
「頭のいい人」は、知性があって相手から信頼される人です。
知性を身に付けるためには、①客観視、②整理が必要です。
信頼されるためには、③傾聴、④質問が必要です。
頭のいい人になるためには、これらに加えて⑤言語化が必要です。
つまり、これら5つのことができるよう自己研鑽することで「頭のいい人」になれるというわけです。
●管理とは
僕がこの本読んでいたときの話です。
「上水道の管理」について質問したいという方と話をすることになりました。
「管理」とは何を意味するのだろうか?
維持管理、危機管理、品質管理、経営管理いったい何だろうか?
品質管理なら「水道水の管理」というはずだし、経営管理ならハッキリそう言うはずです。
維持管理か危機管理と思いつつ、どちから悩みましたね。
自宅に帰っても、いろいろ考えつつ、箸休めにこの本の続きを読んでいると、何と「管理」について説明がありました。
この偶然には驚きました。
作者によると、管理とは、統制(コントロール)を意味するのだそうです。
例えば、品質管理とは、一定の範囲内に製品の特性を統制することを意味すると説明しています。
なるほどです。
また、管理は、マネジメントという意味も持っているのだそうです。
ドラッガーは、マネジメントを「組織をして成果を上げるための道具、機能、機関」と定義しています。
成果を上げることが前提です。
管理とマネジメントの定義を組み合わせると、「管理」とは「組織が成果を上げるために統制を図ること」という意味になります。
この言葉を頭に刻んで、「上水道の管理」について質問したいという方と話をしました。
結果的に、その方が意図していた管理は危機管理でした。
ただ、この本を読むことで、管理の意味するところを話せるようになりました。
タイミング良く、この本を読むことができて助かりましたね。
●事実と意見を分けて話す
人は、難しい質問をされると、それを簡単な質問に置き換えてしまう
のだそうです。
例えば、「この点については大丈夫か?」と質問されたとします。
この質問に対して、僕らは「大丈夫です」と回答してしまいがちです。
しかし、この「大丈夫です」、実は「大丈夫でと思います」という意味なんです。
つまり、自分の意見を述べているわけです。
相手は、大丈夫か、大丈夫ではないか、科学的根拠を求めています。
つまり、事実を知りたいわけです。
しかしかながら、「大丈夫か?」に対して、「大丈夫です」という回答は、意見を述べただけです。
科学的根拠を示すた上で、「大丈夫です」と言う必要があるわけです。
このことを失念してしまうのは、難しい質問をされるとそれを簡単な質問に置き換えてしまうからです。
こうしたミスをしないためには、客観的な事実と主観的な意見を混同しないよう、熟慮してから話しをする必要があるそうです。
なるほどですね。
●相手の言いたいことを考える
誰かの話を聞いているとき、人は何を考えているのか?
2種類あるそうです。
以下の2つについて考えています。
①自分の言いたいこと
②相手の言いたいこと
例えば、相手から何か要望されたとします。
当然、自分に負担がかかります。
このため、ついつい僕らは、それができない理由を考えてしまいます。
相手が話を終えたときは、その要望に応えることが難しいこととその理由を述べてしまいます。
要望を出した相手は、カチンときます。
つまり、誰かの話を聞くとき、自分の言いたいことを考えると、あまり良い結果にはならないわけです。
一方、「頭のいい人」は、②について考えるそうです。
重要なのは、相手の要求を満すことです。
要望に応えることが一見困難なものであっても、難しいと考えてはいけません。
通常の方法では難しいかもしれないけれど、何らかの条件が整えば相手の要望に応えることができると考えます。
要望に応えることが一見不可能なのであっても、できないと考えてはいけません。
一般的な方法ではなく、他の方法で相手の要望に応える可能性を模索します。
自分が何をできるか考えるのではなく、相手の立場に立って、何をしてあげることができるか考えることが重要になります。
このため、コンサルタントは、相手の話をちょっと聞いただけで、容易にアドバイスをしていはいけないそうです。
まずは、相手の話をよく聞く必要があるのだそうです。
その上で、相手が抱えている真の問題点や真の要望を整理する必要があるのだそうです。
なるほどですね。
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