3 技術士のための勉強法
3.1 技術士試験の勉強法
●技術士の試験勉強は独学
私達は学生の頃、学校や塾で勉強していました。
先生の授業を受けて、各科目の基本的な内容を理解します。
自宅で宿題をやって、問題を解く力を身につけます。
模擬試験を受けて、自分のレベルにあった志望校を受験します。
ところが、技術士試験の場合、塾のようなものがありません。
東京や大阪にはあるかもしれませんが、指導内容としては、建設部門において参考にするべき文献を教示した後、4問程度の予想問題が提供され、その解答を添削するというものです。
自分で問題文を読み解いて、解答を作るために必要な情報を自分で調べる必要があります。
また、予想問題も4問では足りませんから、不足分は自分で作る必要があります。
つまり、技術士の試験勉強は、基本的に独学なのです。
●3つのステップによる勉強法
技術士の二次試験は記述試験です。
試験では、問題文を読んで、指定された文字数以内で解答を作成します。
こうした記述試験の勉強は、以下の3つのステップで行います。
①情報の整理
②解答の作成
③解答の記憶
「①情報の整理」は、3つのステップの中で、最初の作業です。
そして、最も重要な作業です。
この作業の出来で合否が決まると言っても過言ではありません。このため、「情報の整理」を適切に行う必要があります。
「情報の整理」は、情報の分析と情報の体系化で構成されます。
情報の分析は、重要な情報を見極めるために行うものです。
重点的に勉強するテーマを決めます。
情報の体系化は、複数の情報の関係性を明確にするために行うものです。
勉強するテーマの理解を深めて、解答を作成するためのネタ帳のようなものを作ります
「②解答の作成」は、過去問題や予想問題の解答を作成するものです。
「①情報の整理」で収集・整理した情報を、問題文に沿って組み立てます。
解答を書き終えたら、読み手に解りやすいようブラッシュアップします。
最終的に、指定された文字数になるよう、必要性の低い情報を削除します。
これが解答の作成です。
解答を作成する能力は、多くの文章を作成することで身につきます。このため、「解答の作成」は多くの時間を要します。
「③解答の記憶」は、作成した解答を記憶するものです。
どんなにたくさんの情報を集めても、どんなにたくさんの解答を作っても、それを記憶していなければ、試験本番で解答を作ることができません。
解答の記憶は、必要不可欠な作業です。
3つのステップのうち、最後の作業になるため疎かにしがちですが、記憶するための期間を予め確保しておくことが重要になります。
詳しい内容については後述します。ここでは、記述試験の勉強というものは、「情報の整理」、「解答の作成」、「解答の記憶」という3つのステップで行うことを理解しておいてください。
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●二次試験の過去問と解答例
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