ぐるめ探訪「肉と日本酒」で肉のことを忘れて鯨飲してしまう(東京都・虎の門) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

サルヒツのグルメ探訪♪【第160回】

虎ノ門 肉と日本酒

℡)03-6550-8829

 

カテゴリ:焼肉

往訪日:2022年9月18日

所在地:東京都港区西新橋2-4-12西新橋PREX(B1~1F)

営業時間:不定休あり

(L)11時30分~14時30分(平日のみ)

(D)17時~22時30分

■総席数83席

■アクセス:JR新橋駅から徒歩5分

■予算:5,000円~6,000円

■予約:要(OMAKASE)

■貸切:OK

■支払:カード可

※2時間制(30分前L.O.)

 

《“日本酒と肉少々”になってしまった》

 

ひつぞうです。先週の八景島シーパラダイス(レッサーパンダの赤ちゃん見学)のあと、真反対の東京エリアに向かいました。夕食まで五時間以上もあったので、食器や家具をみたり、丸善で温泉情報を盗み読み(買いましたけどね)したりして、暇つぶしに苦心惨憺したあげく、ようやく6時に。新橋エリアに向かいました。今回訪ねた《肉と日本酒》は、吉祥寺の予約困難焼肉店《肉山》が日本酒とのマリアージュをコンセプトに2020年に開業。大人気となりました。以下、往訪記です。

 

★ ★ ★

 

最近、胃腸が弱って肉が食えない。以前は腹がはち切れるほど喰っても、太田胃散さえあれば翌朝はケロリとしたものだった。今ではサシがキツイと三切れで腹をくだしてしまう。そのため焼肉はなかば封印されたカテゴリーだった。

 

「ちょうど二年前の叙々苑が最後だにゃ」サル

 

ところがである。雑誌DANCHUのバックナンバーを読み返していて、肉と日本酒の存在を思い出した。ひょっとすると世間の熱も冷めて、今なら予約できるかもしれない。予想はあたった。有料予約サイトOMAKASEで、1Fの二時間飲み放題食べ放題コースをチョイスした。

 

 

総席数83席と店は広い。ただし1FとB1Fで営業形態が違う。

 

(1F)…5,890円 給仕つき

(B1F)…5,390円 すべてセルフ。ただし日本酒の銘柄が少ない

 

ともに二時間制。

 

どうだろうか。普通に考えれば、店の監視抜きで好き勝手にできて、料金もお得なアンダーグラウンドコースだろう。

 

しかし、今の僕には肉より酒。銘柄が限られては意味がない。ということで一階席を予約した。構成はカウンターとBOXが半々といったところか。不況のせいかコロナ禍のせいか、激混みというほどでもなかった。

 

 

奥のBOX席に着くなり説明が始まる。二時間制でLOは30分前。実働1.5時間。食べ放題ではあるが、完食しないと追加できない。肉はQRコードで追加する。何事もマニュアル仕様の僕は、このあたりで若干挫折気味である。あとはおサルが頼りだ。

 

「頼りにならんのー」サル喰ウダケカイ

 

 

肝心の酒のメニューだ。

 

入荷次第なので何が並ぶかはその日の運。HPに並んでいる而今と田酒は(予想通り)なかった。そんなブランド酒よりも、普段飲むことのない銘柄を飲まないと。稀少な酒が焼肉にあうとは限らない。

 

 

まずは《屋守》無濾過原酒から。グラスは使いまわし制。

 

どう?

 

 

「オイシイよ。でも普段飲んでいる酒と違いが判らん」サル

 

正しい感想だよ。普段好んで飲むタイプと同じ酒を選んだから。

 

すきっ腹に流し込む酒は格別。

 

 

まずは特選レバーから。なにがどう特選なのか聞きそびれてしまった。とにかく配膳と説明が早くて爺さんの僕には追いつけない。

 

 

なんか美味そう…。

 

「おサル、肝ダメなんだよにゃ」サル

 

サルの肝は珍味だっていうけどね。

 

 

ポン酢ダレと醤油ダレで。

 

 

ここはタンが美味いんだよ。

 

手前から厚切りタン、薄切りタン、大山鶏の塩焼き。タンは30日熟成らしい。

 

「タンは頂きゅ」サル♪ウヒョ~

 

おサルは無類のタン好きなのだ。

 

 

左手前から和牛モツMIX、豚肩ロース、豚ハラミ

 

「モツはいいです。おサルは」サル

 

 

最後に黒毛和牛の盛り合わせ。

 

「これがいいです。おサルは」サル安心シテクエル

 

 

厚切り、薄切り、大山鶏が焼けていく。無煙ロースターなので安心。

 

 

早速頂戴した。厚切りは確かに厚い。薄切りが好きかも。そのうち、焼くことに熱心になるあまり、酒がなくなったことに今更気づいた。ダメではないか。

 

「オサル、この紫宙にすゆ」サル

 

なにそれ。聞いたことないんだけど。

 

 

岩手《廣喜》の小野裕美さんが醸す特約店銘柄らしい。うまい。という記憶しかない。理由は最後に述べるから。

 

 

僕は《やまとしずく》。まだ二杯しか飲んでいないのに、すでに酔ってしまったようで、新政酒造の《ヤマユ》と勘違いして大喜びしてしまった。今となっては恥ずかしい。その直後、浅はかな間違いに気づき、声高らかに「明鏡止水を作っている蔵の酒だった~」と弁明に走ったのは恥の上塗り。それは《○ト》(まると)という銘柄である。恥の重防食塗装である。

 

 

しかし、そんなことで怯む僕ではない。本命は和歌山の《黒牛》。火入れの純米はただ辛いだけで面白くないが、この純米吟醸、使用米が雄町である。アルコールと米の旨味が骨格となってズシリとくる。というのは後づけの感想。ただの躁状態だったと告白する。

 

「いつものことだにゃ」サルマジメに相手スルトバカ見ルシ

 

 

神亀についてくだらん御託を述べていたが、卓上にでんとおかれた酒も今見れば初亀

 

「お肉食べないと焦げるよ」サル

 

興奮すると周りが見えなくなるのは悪い癖である。

 

 

焦げ焦げになりかけたので慌てて胃の腑に流し込んだが、モツ、とりわけセンマイの、なんと柔らかくも味わい深い脂の甘さであったことか。こんなに美味いモツは他にはない。ということで、立て続けに和牛肉を焼く。

 

 

これは頼んだの覚えている。

 

 

気のせいか、雄町仕様の銘柄が多かった気がする。

 

 

広島の誇り。

 

 

にごりも。

 

「肉食べようよ~」サル

 

おサルが肉をこれほど所望するのも珍しい。よほどうまい肉だと判るだろう。

 

「腹が減ってるんだよう」サル肉全然追加シテナイシ

 

 

そして和牛ロース追加。

 

 

敷島は初めて。

 

 

多くの銘柄が開栓仕立てだった。たまたま?

 

 

杉勇も雄町。これってやはり店のこだわり?

 

(ずっと撮影に応えてくれたスタッフの皆様、この場を借りて御礼申し上げます)

 

ここでラストオーダーの声。

 

「えー!もう?」サル

 

時間がたつの早いね。

 

「ヒツが酒の写真ばっかり撮っているからだよ!」サル

 

そりはすまん、それならば…

 

 

慌てて分福と…

 

「頼むの酒かい!」サル

 

 

田林(でんりん)も頼む。どっちも飲んだことがない銘柄だ。絶対頂戴せねば。

 

「で、どーだったの?お味は?」サル

 

とてもうまかったと思う。実感乏しいけど。

 

さすがは肉山の特選肉である。どれもこれもジューシーで旨味がたっぷり。脂と赤身のコンビネーションが秀逸だった。生でも美味しい肉を焼いて頂戴する。そんな感じだった。“食べ放題”のメリットを生かして好きな部位と徹底交戦すべきだったが、酒の魅力に負けてしまった。肉と日本酒が、日本酒と肉少々になってしまった経緯はこんな感じだ。

 

「おサルは酒ドシドシだったにゃ!」サル

 

もともと小食だしね。

 

★ ★ ★

 

=翌朝の夫婦の会話=

 

 

「名物の締めのカレー頼めてよかったにゃ」サル

 

え?カレー食べたっけ?

 

「マジかよ」サル

 

これは翌朝の会話である。こうしてキチンと証拠写真を撮っているのは自分も食べたという何よりの証拠。ややピンボケなのが、その酩酊ぶりを伺わせて滑稽である。さぞ、店の嗤いものになっていたことであろう。

 

今回頂戴した銘柄

 

屋守、紫宙、やまとしずく、黒牛、初亀、篠峯、不動、龍勢、鶯印のどぶろく、赤武、にいだしぜんしゅ、敷嶋、睡龍、杉勇、分福、田林。以上16銘柄。いっぱい50mlとして、4合瓶ちょい。以前の自分であればいざ知らず。ちょっと危険水域だったかもしれない。

 

「おサル全然へいき~♪」サル

 

ひとつ学んだことがある。好い酒は飲み放題では注意が必要だ。普段飲めない銘柄を纏めて頂戴できるのは大きな倖せだが、嬉しさのあまり、少しでも飲み過ぎると、幸福に彩られた記憶のすべてが、目覚めとともにリセットされてしまう。また、美酒と美女はよく似ている。ほどほどの付き合いで丁度いい。触れすぎると後で痛い目にあう。

 

「二日酔いなのにゃ」サル

 

そーいうことです。頭痛てー。

 

(おわり)

 

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