天理大学附属天理参考館
往訪日:2025年6月28日
所在地:奈良県天理市守目堂町250
開館:9時30分~16時30分(火曜休館)
※6月~9月、12月~3月臨時旧館
料金:一般500円 小中生300円
アクセス:西名阪・天理ICから7分
駐車場:約60台(※毎月25・26日は規制あり)
《水木しげるにインスピレーションを与えてそう》
天理教建築はまだ観るべきものが幾つもあるが、それは翌日に残すことにして(建築ばかりだとおサルが怒りだすので)天理参考館の民族学資料と古美術を見学することにした。一年のうち八ヶ月休館しているのでチャンスを逃さないように気をつけたい。
「観光もさせてくれ」![]()
一階と二階が世界の生活文化、三階が東洋考古美術品の展示だ。
しっかり観れば一時間では足りない。幸いというか大阪の国立民族学博物館や全国の考古学系博物館で鑑賞したものと幾分重複しているので初見のものだけ熟視することにした。
《サン・ロレンソ1号》
入り口前には3000年前に栄えたメキシコ最古の文明オルメカの巨石人頭像(レプリカ)が。2011年に名古屋市博物館で「古代メキシコ・オルメカ文明展」で観たものよりもやや大振りか。
1F 世界の生活文化
アイヌにどうやってトルコ石が伝わったのか。
朝鮮半島に伝わる長生標(チャンスン)。村落の守り神や道標の役割を果たした。数年に一度チャンスン祭が開かれていたが、今では廃れる一方だとか。日本もまた同じ。
「人が減っているし」![]()
パガジ(瓢箪)で造った韓国の野外仮面劇の仮面。現在でも端午の節句に演じられるとか。宮廷の仮面劇の名残りと言われている。
招牌・扁額。つまり商店の看板だ。形をみれば商いが判る。
「刀剣屋とか両替商は判る」![]()
右端は洗濯屋らしい。石鹸を表しているのかな。
ここから中国・台湾。まずは門扉。こんなものまで収集するとは。学者の熱意には頭が下がる。
祭祀の間の再現。祖先の供養のほか、接待や年中行事も行われた。日本の仏間+床の間のようなものだね。
台湾先住民の民具。
台湾の少数民族タオ族の儀礼用兜。
続いてバリ。シンガ像は比較的近代のもの。
ボルネオの芸術。
製陶の技術は越南から伝わった。自然釉が美しい。
ニューギニアは仮面劇の宝庫。右から三番目の儀礼用仮面ジパエ(インドネシア・アスマット地方)はとりわけ印象深い。日本の南西諸島に似たような仮面劇がある。太平洋の潮流にのって、海の民は広がっていったのかと想像してしまう。
これは思い出深い。羊皮で造ったチベットの筏チュチャワだ。子供の頃に持っていた小学館の『船の図鑑』に載っていた。動物の皮で作ると言っても…
こんな感じで形が丸わかり。文化の違いだけどなんか不気味。
それでは二階へ。
(木箱や空き缶で造った三味線)
ここでは「移民と伝道」という切り口で、海外移民の日本人の生活が紹介されていた。
天理教はこの頃から海外布教を進めていたそうだ。宗教家や教育者は危険人物と目されたため、戦争中は大変な苦労があったそうだ。こうしてみていくと、金銭絡みで信徒をつのる“新興宗教”とは一線を画した、教理と布教が第一だったことが判る。
高橋留美子の漫画によく登場する日の丸扇子はきちんとルーツがあったんだな。
「なにこれ」![]()
手踊りで使われるんだって。世の中には知らないことがまだまだある。
3F 世界の考古美術
最後に考古美術の世界。ちと食傷黄味ではあるが。
重文 《盛装男子埴輪》(古墳時代後期)
ここにも挂甲武人。と思ったらやはり群馬出土。
重要美術品 滋賀県大岩山遺跡出土《袈裟襷文銅鐸》(弥生時代後期)
このスタイルの銅鐸は近畿特有。24個同時に発掘され、東博やアメリカ、ドイツの博物館に分納されているそうだ。
銅剣、銅矛、銅戈は生産圏が決まっている。
銅鏡のなかでもとりわけ完成度の高い三角縁神獣鏡(富雄丸山遺跡出土)。
福岡県春日市出土の甕棺。筑紫平野の丘陵部では造成工事のたびに甕棺が出土したものだ。実のすぐそばからゴロゴロでてきたと親父が言っていたことを思いだす。
おなじみ。古代朝鮮半島の塼室墓(復元)。
《瘤牛型注口土器》(イラン)紀元前1000年
新収蔵品。3000年前のイランの土器。形が芸術的。
唐時代《三彩連錢馬》(7~8世紀)
連銭模様が珍しい唐三彩の馬傭の優品。でも眼が怖い。
まだまだたくさんあるねえ…。よくこれだけ収集したものだよ。
「全部じゃないよね」![]()
ここから大量の中国青銅器。観たことのない物だけメモ。
西周《函皇父鱗文簋》(前9~8世紀)
これだけあちこちで同じようなものを見てしまうと飽きもするが、初めて地中からこんなものを発見した研究者たちの気持ちを想像すると、あれもこれも持ち帰りたいと昂奮するのも理解できる。王家に嫁ぐ娘のための嫁入り道具だったそうだ。
春秋《鱗文匜》(前8~7世紀)
この字も見たことない(笑)。「匜」と書いて「い」と読む。手洗い鉢のことらしい。以前も書いたが、久保惣しかり、白鶴美術館しかり、泉屋博古館しかり。中国青銅器の国内コレクションって関西地方に多い気がする。
《刻文獣環壺》(前漢)
くだって漢の時代の青銅器。装飾が抑えられて線刻中心になっている。
「もうおなかいっぱい」![]()
でもリアルなお腹は減った。ここらで見学を終えて食事することに。天理と言えばアレだろう。だが果たしておサルの口にあうか。それが問題だ。
「なにが食べられるのち?」![]()
(旅はつづく)
ご訪問ありがとうございました。

































































































































































































