2022.4.16~2022.7.11
「ことばの森へ
―軽井沢を愛した文学者・芸術家たちスペシャル―」展
本日、「新緑の信濃追分を歩く~追分ゆかりの文学者たちの足跡を訪ねる~」を開催しました。
本日、当館主催の文学散歩2022①「新緑の信濃追分を歩く~追分ゆかりの文学者たちの足跡を訪ねる~」を開催しました。天気は時折、雨がぱらつく程度で、それがかえって若葉をしっとりと濡らして、みどりが生き生きと輝いているように感じました。
毎回、そうではありますが、きょうは追分ゆかりの堀辰雄、立原道造、福永武彦をはじめ、芭蕉、一茶ら江戸時代にも遡り、ゆかりの文学者15~20人の別荘、別荘跡地、ゆかりの場所などを、ゆっくりと追分宿の東端から歩き始めて、最後は分去れのある西の端まで、御影用水を何度か渡りながら、皆さんと約2時間、歩いてきました。
参加者の中には、江戸東京博物館に勤務されていた方や、NHKで教育番組を作られている方などもいらっしゃいました。軽井沢観光協会事務局次長の新宅弘惠さんや、堀辰雄文学記念館学芸員の駒田涼子さんも参加されました。
油屋では、追分コロニーの斎藤祐子さんに2階奥の堀辰雄が泊ったという「つげの間」をご案内いただき、堀辰雄文学記念館では駒田さんに文学碑をご説明いただきました。
分去れ近くのシャーロックホームズ像のところでは、偶然にも、日本シャーロックホームズクラブの関西ホームズ協会代表、平賀三郎さんが大阪から来られているのに遭遇し、ご説明をうかがうという嬉しいハプニングもありました。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。 (大藤 記)
偶然、出くわした平賀三郎さんから、シャーロックホームズ像のご説明をうかがいました。
ドナルド・キーン展の準備
軽井沢高原文庫では、今年7月16日~10月10日まで、夏季特別展「生誕100年 ドナルド・キーン展―軽井沢と日本語の美―」を開催いたします。きょうは、その準備状況について記します。
先月、まず先行して進めなければならない定期刊行物「高原文庫」第37号(ドナルド・キーン展特集号)の原稿依頼を10人ほどの方にしました。そして、10人の方に原稿の執筆をお引き受けいただきました。海外の方も含まれています。
先月、ドナルド・キーン展への後援依頼を16の機関、メディア等に対し、お願いさせていただきました。まだ回答待ちのところもありますが、今回、アメリカ大使館やコロンビア大学ドナルド・キーン日本文化センターなどからも後援を頂戴しています。
先月、「高原文庫」第37号への広告願いを、キーン先生の著作を出版している出版社および地元企業に対し、いたしました。大型連休もありましたので、少し時間がかかりましたが、昨日、ほぼ固まりました。
先週、ドナルド・キーン展ポスターの原稿を東京の熊谷事務所の熊谷博人さんへお送りしました。熊谷さんは、かつて、キーンさんの著作を装幀なさっているそうです。
さらに、一昨日、ドナルド・キーン展チラシの原稿を同じく熊谷さんへお送りしました。
もちろん、展覧会の展示資料の調査や選定なども、少しずつ進めております。
こうした一連の動きを並べてみたところで、あるいは無味乾燥なものに感じられるかもしれませんが、そこに慎重な手続きと相当なエネルギーが注がれていることをどうぞご理解ください。
まだ道半ばとはいえ、ともかく展覧会の準備が予定通り、進んでいることについて、キーン先生のご子息・キーン誠己さんの多大なご協力、そして泉下のキーン先生、多くの関係者の方々に感謝申し上げたいと思います。(大藤 記)
軽井沢タリアセン園内 山野草観察ガイドツアー「野の花さんぽ」3回開催
深沢紅子野の花美術館企画による軽井沢タリアセン園内・山野草ガイドツアー「野の花さんぽ」を今年も開催いたします。ここにチラシ画像を載せます。
軽井沢の自然の豊かさと、軽井沢タリアセンに残された里山を発見する、2017年から続いている好評イベントです。講師は軽井沢サクラソウ会議・自然観察指導員の方。皆さまも、よろしかったらご参加ください。
春、夏、秋の3回、開催します。日程は①5月21日(土)、②7月16日(土)、③9月17日(土)各13時~14時半。
料金は大人1500円(小・中学生500円、未就学児無料)。料金に軽井沢タリアセン入園料と深沢紅子野の花美術館入館が含まれます。
定員は10名程度。小雨決行。必ず予約をお願いします。。
参加される方は、当日、12時55分に軽井沢タリアセン中央ゲートまでお越しください。予約は前日15時まで受け付けております(TEL0267-45-6161 FAX0267-45-3663)。(大藤 記)
旧古河庭園を歩いてきました。
きのう、旧古河庭園を歩いてきました。洋風庭園と日本庭園の二つがあり、洋風庭園のほうはバラが見頃を迎えていました。
バラの手入れをされている職人さんが何人もいて、その一人にうかがうと、「バラはこの2~3日が見頃でしょう」とのこと。大人の手のひらサイズほどもある大きなオールド・ローズがたくさん咲いていました。
場所は、東京都北区。大正初期の庭園の原型を留める貴重な庭園だそうです。国指定名勝。
じつは、この旧古河庭園は、夏に軽井沢高原文庫で展覧会を開催させていただく故ドナルド・キーン先生の自宅近くにあり、キーンさんにとって半世紀にわたり足繁く通った、とても愛着のある場所なのです。
今回、キーンさんがよく歩いたという散歩コースをご子息のキーン誠己さんに教えていただきながら、一緒に歩いてみました。自然の地形を生かした急な勾配もある庭園で、けっこうきつかったです。この庭をキーンさんが96歳で亡くなる晩年まで歩いていたと考えると、ちょっと驚きました。
展覧会の準備とはあまり関係ないのですが、今年1月24日のキーン先生のお墓参りといい、私にとって、とても貴重な体験となりました。 (大藤 記)
こちらは京都の庭師、小川治兵衛の作庭による日本庭園。
大型連休まもなく終了。旧朝吹山荘「睡鳩荘」で「女流博物画家 メーリアンの世界展」開催中。
大型連休はまもなく終わりを迎えようとしています。全国的におおむね好天だったようで、何よりでした。皆さまはいかがお過ごしでしたか。
私はほぼ全日、勤務でした。忙しいことを言い訳にして、本欄もサボってしまいました。
ところで、きのう、旧朝吹山荘「睡鳩荘」で開かれている「女流博物画家 メーリアンの世界展」を見学に、メーリアン著『スリナム産昆虫変態図譜 1726年版』の原本所有者の白石雄治氏が奥様といらっしゃいました。
「300年以上も昔、50歳を過ぎた女性が、自分の夢を実現させるために、オランダのアムステルダムから、僅か全長25メートルほどの木の船で、約2か月かかって、南米のスリナムに向け大西洋を渡ったのですから、すごいことですよね」と、白石さんは熱っぽく私に語られました。白石さんの顔が、一瞬、かつてそうだったという昆虫少年の顔に<変態>した瞬間でした。
「女流博物画家 メーリアンの世界展」は、白石さん所有の原本に限りなく近い図版に日本語訳・英訳を付して鳥影社から近く刊行される書物(岡田朝雄・奥本大三郎訳、白石雄治製作総指揮)から、私の知人の新部公亮さんの紹介により鳥影社から35点をお借りして展示したものです。
ドイツ文学者の岡田朝雄氏によれば、メーリアン著『スリナム産昆虫変態図譜』は3回刊行されていて、1705年の初版は日本で存在が確認されておらず、1719年刊行の第二版は国立国会図書館が所蔵、そして1726年の第三版は東京国立博物館に1部所蔵されているほか、荒俣宏氏が1部、白石さんが1部所有しておられるとのことです(「未定」26、2021.10/岡田朝雄「東西の『虫愛づる姫君』」)。
某会社会長の白石さんはこの数十年間、西洋の博物学の文献等を収集されていて、コレクションの中で「メーリアンの『スリナム産昆虫変態図譜』は最高峰だと思います」と高く評価されている様子でした。
余談ですが、奇しくも、私が見学順路の最初に飾った作品が、白石さんがメーリアンの中で最もすばらしいと感じていた絵であり(白石さんの名刺にもこの作品が印刷されています)、最後に飾った作品が、白石さんがオークションで初めてメーリアン作品を購入した記念すべき絵とうかがい、内心、驚きました。そうした経緯をまったく知らず、4部屋に約8~9点ずつ選び、直観で並べていったからです。
白石さんは、見学に訪れたお客様にも気軽に説明をされるほどサービス精神旺盛で、ここにその様子を1枚、載せさせていただきます。
白石さんは南米に博物館をつくって寄贈なさったりもされているようで、とても面白い方です。 (大藤 記)
町内循環バスの運賃が4月から一律100円に変更されました。
今日は4月の最終日です。軽井沢は朝からよく晴れています。
けさ、軽井沢高原文庫に最初に入館なさったご夫婦が、帰り際、中村真一郎文学碑近くで鳥が地面にじっとして震えています、とのこと。驚かさないように遠くから眺めてみると、ガラスにぶつかったのでしょう、小刻みに震えるコゲラが確認されました。30分くらいして、再び見に行くと、もう姿がありません。回復して、飛び立ったようでした。
ところで、軽井沢高原文庫の前に、町内循環バスのバス停(「塩沢湖」)があります。GWということもあってか、きょうはバスの到着時刻が近づいてくると、バスを待つ大勢の人の姿が見られます。
そこで思い出しましたので、これを記しています。
すでにご存じの方もおられると思いますが、令和4年4月1日から、町内循環バスの運賃が一律100円に変更となりました。小学生以下、身障手帳等をお持ちの方は50円です。
従来は、距離が長ければその分、運賃が高くなっていました。たとえば、軽井沢駅から当館へ来る場合、運賃は200円でしたが、4月から100円に値下がりしています。
今回の変更目的について、軽井沢町は「住民生活の負担軽減」「公共交通を利用することによる二酸化炭素排出量の縮減」「新型コロナウイルス感染症により減少した観光需要の喚起」の3つをあげています(町ホームページより)。
現在、町内循環バスは、南・東廻り線(内回り・外回り)、北廻り線、西コースの3つが運行されています。一日あたりの運行本数はそれほど多くありませんが、上手に活用すれば、有効な交通手段の一つとなります。
皆さまも、時折、よろしかったらご利用なさってください。 (大藤 記)
「2022野の花さんぽ」を開催します。
きょうは、ゴールデンウィークの初日です。軽井沢は朝から曇りでしたが、昼頃から小雨になりました。皆さまの所はいかがですか。
さて、きょうは、深沢紅子野の花美術館主催のイベント「2022野の花さんぽ」について、お知らせさせていただきます。
軽井沢の豊かな自然と、軽井沢タリアセンに残された里山を発見する「野の花さんぽ」を春・夏・秋に計3回、開催いたします。この催しは2017年からおこなっています。
軽井沢高原文庫近くの塩沢湖周辺は、地形が起伏に富み、江戸時代からの古い用水などもあり、ヤマタバコをはじめとする希少植物も多いことが、これまでの環境省モニタリング調査などからわかっています。
自然観察指導員の案内で、四季折々に咲く花や植物たちを、一緒に歩きながら、途中、クイズなども出しながら、楽しく探します。植物にあまり詳しくない方も大歓迎です。どうぞお気軽にご参加ください。
開催概要は次の通りです。 (大藤 記)
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深沢紅子野の花美術館主催イベント
「2022野の花さんぽ」
日時:①5月21日(土)、②7月16日(土)、③9月17日(土)各13時~14時半
料金:大人1500円、小・中学生500円、未就学児無料(料金に軽井沢タリアセン入園料800円および深沢紅子野の花美術館入館料600円が含まれています。)
定員:10名程度 ※小雨決行
講師:軽井沢サクラソウ会議・自然観察指導員
集合:軽井沢タリアセン中央ゲートに12時55分集合
○予約受付は随時。電話、FAXで受けつけます。(※必ず前日までの予約が必要です。)
TEL:0267-45-3662 FAX:0267-45-6466 (いずれも深沢紅子野の花美術館)
2019年6月19日開催の「野の花さんぽ」。