軽井沢高原文庫

2023.10.5~2023.11.30

「軽井沢の文豪たちに逢いにゆく」展











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山崎剛太郎先生を偲ぶ会



 きのう、東京都内のホテルで、2年半前の2021年3月11日に103歳でお亡くなりになった、詩人で仏映画の字幕翻訳を700本以上も手がけられた山崎剛太郎先生を偲ぶ会が開かれました。95歳の英子夫人も参加されていて、ご挨拶すると、まあ、軽井沢からいらしたのですか、ありがとうございますと、変わらぬ笑顔でやさしい言葉をいただきました。会は、フランス滞在44年で、近年、フランス人のご主人を亡くされた山崎先生の一人娘、山崎比彩乃さんと、5人の発起人の方らが中心となって、準備されたようです。

 最近、刊行されたばかりの山崎先生のエッセイ集『忘れ難き日々、いま一度、語りたきこと』(春秋社)も参加者全員に配られました。映画と文学を組み合わせた魅力的な内容の本。軽井沢高原文庫でも販売しています。本書には、1992年から2020年までの約30年間に、私から山崎先生にお願いして書いていただいた6つのエッセイも収録され、本の掉尾を飾るのは「高原文庫」第35号(2020年)に掲載された「詩人 立原道造を思う」です。

 本書は、私も存じ上げているフランス文学の渡邊啓史さんが編集協力されました。偶然ですが、私の席の隣に、本の編集実務にあたられた高梨公明さん(春秋社顧問)が座っておられ、貴重な編集裏話もうかがうことができました。

 そのあと、私は、来日中のベルリンフィルによる演奏をサントリーホールで聴いて、新幹線で軽井沢に戻りました。(大藤 記)


軽井沢、初雪

 昨晩、軽井沢は初雪が降りました。写真は、けさ8時頃の軽井沢高原文庫入口付近の様子です。 うっすらと地面が雪化粧しています。

 浅間山が初冠雪したのが約1週間前の11月13日。一昨晩、おそらく3回目となる雪が浅間山に降ったのに続き、平地での初雪となります。

 昨日の軽井沢の気温は最低-2.0℃、最高6.8℃。今日の予想気温は最低0℃、最高13℃です。

 これから軽井沢へお越しになる方は、車の場合、冬用のタイヤを特におすすめいたします。

 3日前、軽井沢高原文庫の周囲の最後の落葉集めをするため、軽トラックを借りてきて、5回ほど、荷台に落葉を山盛りに積んで、腐葉土をつくる場所へ運びました。降雪までに、ぎりぎり間に合いました。 (大藤 記)

 

 

 

 

 

 

 

 

軽井沢高原文庫の今年の営業は11月30日までとなります。

 軽井沢高原は、紅葉シーズンがほぼ終わり、まもなく本格的な冬の季節を迎ようとしています。今日の予想気温は最高9℃、最低0℃。けさから、一気に冷え込んできました。皆さまのところはいかがですか?

 これから軽井沢を訪れる方には冬用の服装をぜひおすすめいたします。最近、軽井沢高原文庫は電気ストーブをつけ始めました。我が家も数日前から薪ストーブを燃やしています。

 さて、軽井沢高原文庫の今年の営業は11月30日までとなります。どうぞご了承ください。なお、堀辰雄1412番山荘内の「切手に描かれた蝶」展は明日までとなります。

 ところで、4日前(11/7)、私は久しぶりに休みをもらいましたので、小諸市の高峰高原ビジターセンターから歩いて約100分の所にある黒斑山(くろふやま、2404m)そばの「トーミの頭(かしら)」まで登ってきました。普段、トレッキングなどまったくしませんので、けっこうきつかったですが、その地点から直線距離にして2~3㎞ほどの浅間山の山頂部分がよく見え、本当にすばらしい景色でした(写真)。浅間山の山頂に雪はありませんでした。ちなみに、浅間山は今年3月、噴火警戒レベルが2に引き上げられ、山頂火口から2km以内に立ち入ることはできません。

 もう1枚の写真は、最近、我が家の庭で撮影したリスです。ニホンリス。庭に胡桃の木があるため、地面に落ちた実を拾いに毎日のようにやってきています。(大藤 記)

 

信濃毎日新聞、新聞週間特集「私たちの伝える」

 もう半月ほど前のことですが、10月18日、日本新聞協会主催の第76回新聞大会が軽井沢町で開かれました。全国の新聞、通信、放送各社の代表ら380人が出席。県内開催は長野市で開いた2007年以来、16年ぶり3回目。

 この新聞大会に合わせて、信濃毎日新聞が同日、新聞週間特集「私たちの伝える」(全19頁)を発行し、本紙に挟み込む形で購読者の手元に届けました。紙面では、さまざまな分野の、主に若い人を紹介していて、どの頁からも信州の新しい魅力や可能性が伝わってくる内容となっています。おそらく新聞大会の参加者全員にも配られたはずで、中身の充実度からして、信毎(しんまい)が社を挙げて取り組んだことがうかがえます。

 特集記事のなかで、「軽井沢×言葉紡ぎ」というタイトルの下で、文学も特集されました。俳人・長谷川櫂さんと作家・浅田次郎さんへの各インタビューと、軽井沢高原文庫館長が選ぶ軽井沢ゆかりの文学者の3つで構成。記事をまとめたのは軽井沢支局長の矢沢健太郎さん。

 だいぶ時間が経過していますが、ここに記録として載せておきます。ご興味のある方はよろしかったらご覧ください。 (大藤 記)

カフェ「一房の葡萄」の営業は11月14日まで。「没後100年 さまよえる有島武郎展」

 11月に入りました。写真は、今日の軽井沢高原文庫周辺の様子です。道路沿いのドウダンツツジやモミジの紅葉がとてもきれいです。

 さて、お知らせいたします。当館敷地内の有島武郎別荘「浄月庵」1階に入るカフェ「一房の葡萄」の今年の営業は11月14日までとなります。火・水曜休み。残りわずかとなりましたが、よろしかったらお出かけください。

 なお、最近、鹿児島市のかごしま近代文学館より、特別企画展「没後100年 さまよえる有島武郎展」図録をお送り頂きました。監修:石田忠彦氏(鹿児島大学名誉教授)。A5判、100頁、カラー。相当に力のこもった展覧会であることが図録からもうかがえます。図録は、有島武郎の生涯が、有島の精神的苦悩の過程を中心にまとめられ、今日、あらためて有島を知るための格好の手引きとなるのではないかと、頁をめくりながら感じました。一昨日、軽井沢観光協会制作の映像撮影のため、展示室で取材に応じましたが、そこでも話の冒頭で、明治末に「或る女」を発表した有島武郎のことにふれました。 (大藤 記)

 

軽井沢の紅葉が見頃を迎えています。

 軽井沢の紅葉が見頃を迎えています。次に掲げるのは、軽井沢高原文庫から徒歩3分のところにある旧朝吹山荘「睡鳩荘」の今日午後の様子です。塩沢湖の湖面にもさまざまな色が映りこんできれいです。

 今日、私は、明日の文学散歩2023「晩秋の信濃追分を歩く~信濃追分ゆかりの文学者たち編~」の下見に現地へ赴き、2時間ほど、旧追分宿や追分別荘地の森を歩いてきました。泉洞寺裏では、ヤマガラが私のすぐ目と鼻の先の木の枝にとまり、忙しそうに体を動かしていました。また、旧中山道の路上では、リュックに付けた熊鈴を鳴らしながら歩く男性とすれ違いました。

 明日は、軽井沢タリアセンの中にある草花を紹介する山野草ガイドツアー「野の花さんぽ」も開催されます。既に10名ほどの参加予定者がいらっしゃいますが、私は追分散歩の案内があるため、そちらは参加できません。

 軽井沢の紅葉は、あと1週間か10日くらいは、十分に楽しめるかと思います。よろしかったらお出かけください。 (大藤 記)

 

本日から「花筐(はながたみ)展」を開催(深沢紅子野の花美術館)

 本日から、軽井沢高原文庫から徒歩5分の深沢紅子野の花美術館において、秋冬季企画展「花筐(はながたみ)展」が始まりました。会期は2024年1月8日まで。花筐とは、花や若菜などを摘んで入れるかご、花かごを意味します。
 きのうの軽井沢は最高気温16.7℃、最低4.2℃。秋晴れの一日でした。私は展示室で、一昨日まで開催されていた「生誕120年記念 深沢紅子 野の花によせて展」の撤去と、新しい展示の飾りつけを行いました。

 花筐展では、今の季節に合わせて、「クサボタン」「リンドウ」「カラスウリ」「カラハナソウ」「ナツハゼ」「ビナンカズラ」などの水彩画や、「秋果」などの油彩画など、秋の花や木の実を題材に描かれた作品を中心に約40点を選び、展示しました。
 次に掲げるのは、「あけび、木の実」と、今日の美術館の外観です。前者は近年、美術館の所蔵となった作品で、そのみずみずしい感じが私の好きな1点です。

 ところで、昨日、美術史家の高階秀爾氏が、朝日新聞紙上において、萩やすすき、ききょう、菊などを描いた「武蔵野図屏風」(江戸時代・17世紀、サントリー美術館蔵)を紹介されていました(「美の季想」、文化欄)。作品に関するディスクリプションはさすが、見事なものでした。加えて、氏は、「古今和歌集」の巻第四「秋歌上」の冒頭の一首、「秋きぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」(藤原敏行朝臣)を例示しつつ、さまざまの身体感覚を歌や視覚的情景に結びつけられるところに、日本人の美意識が養われ、受け継がれてきたと言ってよいであろうと、文章を結ばれていました。なるほどと、私も大いに納得しました。

 なお、私事ながら、昨晩から、今年の後半期に初めて、自宅の薪ストーブを使い始めました。薪ストーブは輻射熱として遠赤外線を発するため、家全体がじわじわと温まり、それが持続します。いよいよ軽井沢高原に冬が近づいてきたことを実感する昨今です。 (大藤 記)

 

 

金子冬実著『まぼろしの枇杷の葉蔭で―祖母、葛原妙子の思い出―』刊行

 このたび、金子冬実著『まぼろしの枇杷の葉蔭で―祖母、葛原妙子の思い出―』が刊行されました。2023年9月、書肆侃侃房(かんかんぼう)刊。謹んでお祝い申し上げます。

 戦後短歌史を代表する歌人の一人、「幻視の女王」とも呼ばれる葛原妙子を祖母にもつ金子冬実さんが、孫の視点から、祖母について書いた初の書物です。金子さんは現在、早稲田大学や東京外国語大学等の非常勤講師。

 金子さんには、ちょうど1年前、私からお願いして「軽井沢高原文庫通信」第100号(2022年11月)に葛原妙子に関するエッセイをご執筆いただきました。本書にもその文章が加筆修正され収録されています。

 近年、金子さんには、ご主人と共に何度かお目にかかる機会があり、祖母の思い出や軽井沢山荘のこと、書物刊行のお話などについて、断片的にうかがっていました。葛原妙子が1941年に星野に夏の家を建て、1944年からは三人の幼子と共に厳しい疎開生活も送ったこと、第一歌集『橙黄』(1950)が浅間山の歌から始まっていることなど、金子さんからうかがったお話の一部は、2カ月前に刊行された『新編 軽井沢文学散歩』(軽井沢町教育委員会発行)の巻末に収録した軽井沢文学年表にも反映することができました。

 それはともかく、本書は、たんに祖母の思い出にとどまらず、祖母の複雑な生い立ちや、祖母の両親についても丹念に調べ上げ、記述されていることも、今後、葛原妙子に関心を持つ人にとって貴重な一書になるのではないかと思います。

 昨年、私は葛原妙子が軽井沢で交友の深かった歌人の一人、五島美代子の本を何冊か読んで、私がこれまで不勉強で知らなかった女性文学者の奥深い世界があることを痛感したばかりでした。

 本書によれば、葛原妙子は自身の健康が許す限り、夏を軽井沢で過ごすことを好み、1970年前後に山荘の二階部分を建て増しして以降は、台所と小さな手洗いなども備えたその二階部分で専ら夏を過ごしていたようです。その部屋から晴れた日には八ヶ岳が望めたそうです。

 葛原妙子は室生犀星を尊敬していて、自宅も東京・大森で互いに近かったようですが、私が驚いたのは、室生犀星の絶筆詩「老いたるえびのうた」が、犀星の死の3年前に葛原妙子が犀星に贈った6匹の伊勢海老が創作の源になったようだと記されている部分でした。室生朝子さんの随筆にもそれに関連する記述があるようです。金子さんは「犀星の胸のうちで三年の時を経て醸成され、詩人の絶唱としてほとばしった」と記されています。

 『まぼろしの枇杷の葉蔭で―祖母、葛原妙子の思い出―』は当館ショップでも販売しています。1600円(税別)。 (大藤 記)

 

 

 

 

10/28(土)13時~、秋の追分文学散歩を開催します。

 今日の軽井沢は晴れ。気温は最高21℃、最低7℃でした。軽井沢の紅葉はこの1週間で、だいぶ進みました。このぶんですと、軽井沢の紅葉の見頃は1週間~10日後くらいでしょうか。

 さて、1週間後の10月28日(土)午後1時~、当館主催の秋の追分文学散歩を開催いたします。追分の別荘地の森や、旧中山道の街道沿いなどにある文学ゆかりの場所を、1時間半ほどかけて、皆さまと一緒にゆっくり散策したいと思います。残席は僅かですが、よろしかったらご参加ください。

 次の写真は、当館裏庭の中村真一郎文学碑近くで見つけたアケビです。立派なアケビですね。アカシアの樹木に絡みついて生長していました。果実は甘く、秋の味覚を代表します。  (大藤 記)

 

 

 

西洋アンティークの小物、パーチメント・クラフト展が明治44年館で始まりました。

 昨日から、軽井沢タリアセンの明治44年館(国登録有形文化財、2階は深沢紅子野の花美術館)1階において、西洋アンティークの小物やパーチメント・クラフトを集めた展示が始まりました。11月5日まで。無休(9時~17時)。見学無料。駐車無料(北ゲート駐車場から徒歩1分)。

 1989年から鎌倉・由比ガ浜で約16年間、その後、東京・プランタン銀座で約15年間、ギャラリーを営んでいた鈴江静枝さんのコレクションの中から、今回は、鈴江さんがこれからのクリスマスシーズンに向け、建物の雰囲気に合わせて選んだ英国の画家スージー・クーパーの食器類や、銀器、ブルー&ホワイトの食器等が飾られています。塩沢湖近くの樅の木を伐り出したクリスマスツリーも設置しました。展示物は購入もできます。 

 なお、10月28日(土)・29日(日)、11月3日(土)・4日(日)の午後2時~4時まで、本場の英国アンティークの器で本場の紅茶を体感する秋のお茶会「アフタヌーンティーの会」を開きます。料金4000円。要予約(電話0267-46-6161軽井沢タリアセン)。絶えずイギリスと日本を往復しているという鈴江さんがコーディネートされるイベントです。3種の紅茶、3段のケーキプレート、果物など。鈴江さんがソフトな語り口で英国文化を語ってくださると思います。ちなみに、イベント料金は破格値とのこと。

 また10月28日(土)・29日(日)、11月4日(土)・5日(日)はパーチメント・クラフトを作る体験コーナーも設けます。時間は随時。1回500円(20~30分)。ペーパーを使用したパーツを組み合わせ、クリスマスカードを作ります。

 皆さまもよろしかったら、ご覧ください。(大藤 記)

  

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