軽井沢高原文庫

2026.4.25~2026.7.13



「シャーロック・ホームズ展~小林司・東山あかねの貴重なホームズ・コレクション一挙初公開~」











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サクラソウが咲きました。斎藤美奈子「旅する文学」了。

 春の大型連休も後半に入りました。皆さまはどのようにお過ごしでしょうか?

 きょうの軽井沢の天気はくもり。予想気温は最低8℃、最高18℃です。 

 いま、軽井沢は、町の花であるサクラソウがあちらこちらに咲いて、私たちの目を楽しませてくれています。軽井沢高原文庫の敷地内で見られるサクラソウをいくつか、ここに載せておきます。有島武郎別荘の庭(画面の左下)、堀辰雄1412番山荘の庭、道路沿いのドウダンツツジの並木の足もとです。

 

 

 

 

 ところで、文芸評論家・斎藤美奈子さんによる朝日新聞の連載「旅する文学」がきのう、終わりました。

 毎月1回、47都道府県のどこかの県を取り上げ、その土地が舞台の複数の文学作品を紹介してゆくというもの。初回が2022年4月2日ですから、じつに4年あまりにおよぶ過酷なマラソンのようなものでした。お疲れさまでした。

 私は繁忙期も欠かさずこの連載を読んで、おおいに学ぶところがありました。私がとくに印象に残っているのは、北海道編や沖縄編などです。

 たんなる作品紹介にとどまらず、その土地の文学風土や歴史をあぶりだすことにもつながっていました。

 なお、ここで扱われている「旅する文学」とは、主として明治以降の近代文学(小説が中心)です。近い将来、今度は、時間軸をもっと長くとって、万葉の時代から今日までを扱った文字通りの「旅する文学」をどなたかに書いていただけないかと個人的には希望します。

 しかし、これは筆者を探すのに困難を極めそうです。かつてこうしたテーマ(地域別でなく時系列・ジャンル別ですが)にチャレンジした人は私の知る限りドナルド・キーン氏と小西甚一氏だけで、いずれも故人です。 

 それはともかく、私は、斎藤さんの連載「旅する文学」を毎回、切り抜いていましたので、ここに画像を載せます。第一回は静岡編、最終回は東京編。この最初と最後の配置については、斎藤さんはよくよく考えて、そうされたのでしょう。 (大藤 記)

 

5/4(月・祝)午後2時~東山あかねさんと小林エリカさんによるギャラリートークを開催します。

 現在、軽井沢高原文庫では、企画展「シャーロック・ホームズ展~小林司・東山あかねの貴重なホームズ・コレクション一挙初公開~」を開催中です。スタートして6日が経過しました。

 シャーロック・ホームズに関心のある方が各地から来館されています。数日前は、見学後にシャーロック・ホームズ全集[全9巻]セット(河出書房新社刊)を購入されて帰られた若い男性がいました。きのうは、前橋文学館の中島美江子学芸員が来館されました。

 さて、大型連休中の5月4日(月・祝)午後2時から、東山あかねさんと小林エリカさんの親子によるギャラリートークが行われます。皆さま、よろしかったらお出かけください。ご視聴には入館券が必要です。ご予約不要。

 次に載せる画像は、今回の展示資料の中から、コナン・ドイル原作『バスカヴィル家の犬』原書初版(1902年)と、シドニー・パジット画のシャーロック・ホームズです。 (大藤 記)

 

「シャーロック-ホームズ展~小林司・東山あかねの貴重なホームズ-コレクション一挙初公開~」開始

 今日から、軽井沢高原文庫で企画展「シャーロック・ホームズ展~小林司・東山あかねの貴重なホームズ・コレクション一挙初公開~」が始まりました。

 英国の推理作家コナン・ドイル原作の名探偵シャーロック・ホームズシリーズの翻訳家・研究家として知られ、日本シャーロック・ホームズ・クラブを1977年に設立された故・小林司(医学博士、元上智大カウンセリング教授)・東山あかねご夫妻が半世紀以上にわたって収集されたコレクションの中から、約300点を紹介しています。

 ホームズ物語が掲載された雑誌「ストランド-マガジン」や、シリーズの中でも人気の高い『バスカヴィル家の犬』原書初版、『シャーロック・ホームズの冒険』『シャーロック・ホームズの思い出』の各原書など、小林夫妻が集められた貴重資料をたくさん会場に並べました。お宝拝見コーナーやホームズグッズもどうぞお楽しみください。

 イギリスとスイスと日本の3か所にある各ホームズ像のレプリカや、宮﨑駿監督「犬のホームズ」のセル画なども一見の価値ありです。

 会期中、ギャラリー・トークを2回、開きます。5月4日(月・祝)午後2時~は、東山あかねさんと、作家で漫画家の小林エリカさん(小林夫妻のお嬢さん)のお二人の出演。6月20日(土)午後2時~は、東山あかねさんと、新井清司さん(日本シャーロック・ホームズ・クラブ)のお二人の出演です。新井さんには、今回、資料の選定などで大変お世話になりました。

 イベントへの参加は無料ですが、高原文庫の入館券が必要となります。当日は、混雑すると思いますが、ホームズ研究・翻訳の第一人者・東山さんのお話が聞ける貴重な機会となるでしょう。予約不要です。

 なお、余談ながら、軽井沢高原文庫の歴史を振り返ってみると、外国文学を展覧会のテーマに取り上げた例はこれまでなく、その意味でも、今回のホームズ展は高原文庫にとって冒険となるかもしれません。

 ここには、けさ撮影した道路沿いのホームズ展の看板と、ホームズ展チラシ表裏を載せます。

 これから軽井沢も新緑の美しい季節となります。よろしかったらお出かけください。 (大藤 記)

      

 

 

 

 

 

きょうから、有島武郎別荘‟浄月庵”のカフェ「一房の葡萄」がオープンしました。

 きょうから、軽井沢高原文庫敷地内に移築されている有島武郎別荘‟浄月庵”内のカフェ「一房の葡萄」が新年度オープンしました。

 営業時間は昨年までと同様、11:00~17:00です。定休日は水・木曜日(夏季は変更あり)。

 メニューは従来通り、珈琲・紅茶・ドリンク・トースト・ケーキなど。軽井沢高原文庫にご入館されなくても、カフェだけのご利用も可能です。どうぞご利用ください。11月上旬まで営業予定。 

 なお、店名の「一房の葡萄」は、有島武郎が生前に刊行した童話集『一房の葡萄』に由来します。1923年(大正12)6月9日、有島武郎は父親が大正初期に建てたこの別荘で、「婦人公論」記者・波多野秋子と情死しました。今から103年前の出来事です。

 有島別荘の庭にカタクリが咲き始めました。ここに、きょうのカフェの店内の様子と、そのカタクリの写真を載せます。 (大藤 記)

 

4/25~「シャーロック・ホームズ展~小林司・東山あかねの貴重なホームズ-コレクション一…」開催

 2026年4月25日(土)から、軽井沢高原文庫では、「シャーロ ック ・ホームズ展~小林司・東山あかねの貴重なホームズ・コレクション一挙初公開~」を開催いたします。7月13日まで。会期中無休。 

 この展示は、日本シャーロック ・ホームズ ・クラブを1977年に設立された故 ・小林司 (医学博士、元上智大カウンセリング研究所教授)・東山あかね夫妻が半世紀以上にわたって収集されたホームズ ・コレクションの中から、約300点ほどを選んで、初めて一挙公開するものです。

 小林夫妻は、長年、軽井沢で夏を過ごされ、その山荘は日本シャーロック ・ホームズ ・クラブメンバーの交流 ・活動の重要な場となってきました。

 今回の展示では、ドイル原作ホームズ譚の英文古書、「STRAND MAGAGINE」初出掲載誌、ホームズ研究英文、各国語訳、邦訳古書、パロディー/パスティーシュ、 登場人物研究、ホームズの時代背景、児童向け本などに加え、ホームズ像、パイプ、虫めがね、ディアストーカーなどの関連資料も紹介します。

 なお、会期中、関連イベントとして、ギャラリートークを2回、開催いたします。1回目は5月4日(月・祝)午後2時~。講師は東山あかねさんと小林エリカさん(作家・漫画家)。小林エリカさんは小林司・東山あかね夫妻のお嬢さんです。2回目は6月20日(土)午後2時~、講師は東山あかねさんと新井清司さん(日本シャーロック・ホームズ・クラブ)。今回、新井清司さんには、東山あかねさんとともに、資料の選定や、外国語文献の資料キャプション作成などで大変お世話になっています。

 この展覧会を機に、今も世界中で愛されるホームズ物語の魅力や、ホームズと日本との関係、日本文学に与えた影響などについて、理解が深まれば幸いです。

 シャーロック ・ ホームズ展についての内容は、展覧会チラシを載せますので、どうぞご覧ください。

 次に、思いつくままに、いくつか余談を記します。

 ①まず、ホームズと日本との関係について。英語圏以外で早くホームズが紹介された国の一つである日本では、「唇のねじれた男」 が発表された1891年12月の、ほぼ2年ほどの後の1894年1月に、雑誌 「日本人」 に 「乞食道楽」 として翻訳掲載されています。135年前の出来事です。この初出誌は国立国会図書館に所蔵されています。その後、1930 年代のドイル全集で初めてホームズ物語が完訳され、その後も各種の邦訳が出され、今日まで多くの読者を獲得し続けています。

 ②軽井沢・信濃追分はホームズ全集を初めてひとりで完訳した故 ・延原謙氏の山荘のあった地でもあり、その縁からシャーロック ・ホームズ像が1988年に建てられ、軽井沢を訪れるシャーロキアンは年々増えています。ホームズ像が立つのは追分・分去れの庚申塚公園です。いつでも見ることができます。 

 ③小林司氏は、軽井沢高原文庫の加賀乙彦・前館長と同年(1929年)生まれであり、東大医局で一緒だった時期もあったようです。小林夫妻が追分に山荘を1986年に構えられたのは、加賀先生からのお誘いもあったようです。

 ④日本の推理漫画、およびそれを原作とした一連のメディアミックス作品の『名探偵コナン』とシャーロック ・ ホームズおよびコナン・ドイルとの関係について。私がここに記すまでもありませんが、『名探偵コナン』の江戸川コナンは、シャーロック・ホームズの作者、アーサー・コナン・ドイルに由来して名付けられ、ホームズをこよなく愛するキャラクターです。  (大藤 記)

 

 

 

立原道造「ヒアシンスハウス」断面擬似オーナメントを発売

 一昨日、3月29日は詩人・建築家の立原道造の命日でした。軽井沢高原文庫では、その日から、ミュージアムショップで、新商品の立原道造「ヒアシンスハウス」断面擬似オーナメントの販売を始めました。

 次の画像をご覧ください。同一商品のおもて面とうら面です。そばに置いたクリップから大きさをご想像ください。

 とてもかわいらしい、立原道造「ヒアシンスハウス」です。おもて面からヒアシンスハウスの外観を、うら面からヒアシンスハウスの内部空間を鑑賞することができます。 

 これは、西日本工業大学の石垣充教授が、立原道造「ヒアシンスハウス」のスケッチなどを参考に、関係者にも相談し、さいたま市に建設された「ヒアシンスハウス」にも複数回、足を運んで、試作を繰り返して制作されたものです。

 石垣氏は、円の中に建築を安定的に収めるため、構図を考え、中心点を定め、レーザーカッターによってこれをつくっています。十数枚が貼り合わされています。外壁色と和紙の色合わせなどをして、紙色も選択されています。

 よく見ていただくとわかりますが、内部空間には立原道造その人が椅子に腰かけています。

 また、下部に重りが入っているらしく、おきあがりこぼしのように、斜めにされても勝手にまっすぐに立ちます。

 なお、石垣氏は、かつて立原道造が勤務していた石本建築事務所に勤務されていたそうです。

 この商品の販売価格は1500円(税抜)。通信販売でご購入の方は送料210円(スマートレター)。現時点で、販売しているのは軽井沢高原文庫だけです。

 最小限住宅が、さらに小さくなった「ヒアシンスハウス」のオーナメントを、よろしかったらお求めください。 (大藤 記)

きょうは立原道造の命日です。きのう、風信子忌に参加してきました。青い鳥。

 きょうは詩人の立原道造の命日です。立原道造は1939(昭和14)年3月29日午前2時20分、東京市立療養所において、病状急変し、永眠しました。24歳8か月。きょうは87回目の命日ということになります。

 きのう、立原道造のお墓のある東京・谷中の多寶院で、風信子忌(主催:立原道造記念会)が開かれ、私も参加させていただきました。福岡や大阪、静岡、長野、神奈川、東京、千葉など全国各地から、20代から80代までの約20名の方が参加されていました。

 長年の立原ファンという方々に交じって、東京の女子大学生の姿もありました。水戸部アサイ氏の令息・白石勧氏や、元・堀辰雄文学記念館館長の小林孔明氏も参加されていました。

 墓前祭では、まず、立原道造記念会の宮本則子会長が挨拶され、そのあと、私が挨拶させていただきました(私の前に挨拶予定だった立原家当主・立原朗江氏は体調不良のため欠席)。

 ここには、参加者全員が参拝を済ませた後で、撮影した立原道造のお墓の写真を載せます。墓前祭が始まる前、宮本会長が用意されたヒアシンスを、記念会事務局の梅宮幸恵さんがお墓のすぐ脇に植えられた写真も載せますので、ご覧ください。私もスコップで土をかけるのをお手伝いしました。元・立原道造記念館ボランティアの大内智子さんも風信子忌のお手伝いをされていました。

 多寶院の桜は満開でした。皆さんが一人ひとり、順番に立原のお墓に手をあわせていたとき、ふと振り向くと、本堂前の桜の大樹の枝先に、大人の手のひらほどもある大きさの緑色の綺麗な鳥が3羽、ぞれぞれ距離を置いてとまっていて、どうやらソメイヨシノの花を食べている様子なのに気づきました(3枚目に1羽が写っています)。ちょうど近くにいた町田市民文学館ことばらんどの神林由貴子さんにそのことを伝えると、神林さんも驚いて、スマートフォンで撮影されていました。 (大藤 記)

 

本日、辻邦生山荘見学会2026①②③のご案内を軽井沢高原文庫ホームページにアップいたしました。

 本日、辻邦生山荘見学会2026①②③のご案内を軽井沢高原文庫ホームページにアップいたしました。このイベントにご関心のある方はどうぞご覧ください。

 作家・辻邦生が1976年から24年間、創作活動を行った軽井沢山荘を、現地にて当館学芸員がご案内いたします。2013年にご遺族より軽井沢高原文庫に寄贈され、2014年より年数回、特別公開しています。今年で13年目。

 今年の開催日時は次の通りでございます。①2026年6月6日(土)13時~、②同9月12日(土)13時~、③同10月3日(土)13時~。

 なお、このイベントの参加にはご予約が必要です。各回の予約受付開始は次の通りです。①6/6開催分:3月28日(土)午前9時~、②9/12開催分:5月30日(土)午前9時~、③10/3開催分:6月27日(土)午前9時~。EメールかFAXのみで受けつけます。定員は各16名。

 現在、辻邦生さんの東京の仕事場、パリの仕事場は残っておりません。作家・辻邦生の創作現場が唯一残っている軽井沢山荘見学会によろしかったらご参加ください。建物は磯崎新氏の設計です。

 なお、1週間ほど前、2026年3月14日から、東京・目白の霞会館記念 学習院ミュージアムで「生誕100年 Re:辻邦生―いま、ふたたび作家に出会う[Part1]」が始まりました。そこを見学に訪れ、辻邦生への関心を一層深めたという東京都在住の女性から、最近、当館発行の「高原文庫」第24号(2009年)、第40号(2025年)の辻邦生展特集号のご注文をいただきました。いつか辻山荘を見学したいとのお言葉も添えられていました。 (大藤 記)

 

辻邦生山荘(2025年9月7日撮影)

本日から軽井沢高原文庫は令和8年度がスタートいたしました。

 本日から軽井沢高原文庫は令和8年度がスタートいたしました。展示室では「避暑地の文学・140年のものがたり」を開催しております(4/21まで)。また、敷地内に移築されている堀辰雄1412番山荘、有島武郎別荘〝浄月庵”、野上弥生子書斎〝鬼女山房”も公開しています。

 今日の軽井沢の予想気温は最低-3℃、最高9℃。春の兆しが感じられるとはいえ、軽井沢は朝晩はまだ氷点下です。軽井沢にお越しになる際は、上に羽織る服をお持ちになることをおすすめします。

 ここに、さきほど、軽井沢高原文庫、堀辰雄山荘、有島武郎別荘、野上弥生子書斎、立原道造詩碑、中村真一郎文学碑を撮影しましたので、ご紹介させていただきます。軽井沢高原文庫入口付近、有島別荘庭、野上書斎庭に白く見えているのは、解けずに残っている雪です。 

 新年度オープンを機に、あらためて、皆さまが1年間、お元気でお過ごしになられますよう、心よりお祈り申し上げます。 (大藤 記)

 

軽井沢高原文庫   (1985年開館)

 

堀辰雄1412番山荘   (1985年移築)

 

有島武郎別荘〝浄月庵”   (1989年移築)


野上弥生子書斎〝鬼女山房”   (1996年移築)

立原道造詩碑     (1993年建立)

 

中村真一郎文学碑   (2003年建立)

 

町田市民文学館「堀辰雄展」、世田谷文学館「ドナルド・キーン展」を見に行ってきました。

 きのう、わずかの時間がとれたので、ふと思い立って、町田市民文学館の「堀辰雄展」と世田谷文学館の「ドナルド・キーン展」を見に行ってきました。正式タイトルは、町田市民文学館ことばらんど「堀辰雄展 しあわせのヒント 「風立ちぬ」から90年」と、世田谷文学館 開館30周年記念「ドナルド・キーン展」です。

 どちらも見ごたえのある展示でした。軽井沢高原文庫では実現できない規模の展覧会です。ちなみに、ドナルド・キーン展のほうはきょうが最終日。

 私は、一昨日まで数日間、深沢紅子野の花美術館開館30周年記念特別展の飾りつけを行っていて、それがほぼめどがついたので、疲労はあったのですが、疲労は時間が解決してくれますから、出かけて行ったのでした。

 町田の堀辰雄展には軽井沢高原文庫から資料24点を貸し出していました。他方、ドナルド・キーン展は4年前、軽井沢高原文庫でも、生誕100年展を開催させていただいたので、私にとっては記憶にまだ新しく、他の館がどのようにドナルド・キーン先生を紹介するのか、少し関心がありました。

 町田市民文学館では、展示担当者の本松碧さんがちょうどお休みの日で、代わりに本松さんの上司で、今回の展示のもう一人の担当者・神林由貴子さんが1時間あまり、つきっきりで展示をご案内くださいました。  

 今回の町田での展示は、堀辰雄の代表作「風立ちぬ」に焦点を当てているのがひとつの特徴でしょうか。資料は堀辰雄文学記念館、軽井沢高原文庫、神奈川近代文学館、富士見高原療養所などから出品されていて、とくに堀辰雄文学記念館からの資料は質量ともに他を圧していました。これだけの堀辰雄自筆資料を一堂に見ることができるのはそうそうないので、堀辰雄にご関心のある方は、どうぞ足を運ばれることをお勧めいたします。3月22日まで。

 本松さんからいただいたご連絡では、四国や中部など、ふだん町田市民文学館に訪れないような遠方からのお客様も訪れているようです。私なりの個人的な感想は、きのう、神林さんにお伝えしましたし、本日、本松さんにもご連絡しました。細かい話なので、ここでは省略します。

 一方、世田谷文学館のドナルド・キーン展のほうは、会場に到着するや、偶然、キーン先生のご子息・キーン誠己さんにお目にかかることができ、ご挨拶できてよかったです。私は軽井沢で年数回、誠己さんにお会いする機会があるのですが、別の場所でお会いするというのも不思議な感じがいたします。

 ところで、世田谷文学館のキーン展は、既存の世田谷文学館の2階展示室を大幅に手を入れて、まったく新しい展示空間に作り替えてしまっている点、また、後半部に色々なお楽しみコーナーをつくるなど工夫がなされ、来館者の興味を飽きさせない努力が見られました。担当者および関係者の腕の見せ所でしょうか。なお、各コーナーの主な資料には、通常のキャプションとは別に、キーン誠己さんによる手書きの説明メモが付箋のように取り付けられていて、それをついつい読んでしまい、楽しむことができました。このように、ニュートラルなキャプションとは別の次元の説明があるというのは、ほかではあまり見かけないので、面白いと思いました。

 学芸部長の中垣理子さんはあいにくお休みでしたが、ちょうど展示担当者の原辰吉さんが館におられ、しばらく立ち話をさせていただきました。

 堀辰雄とドナルド・キーンという、軽井沢にとって大事な文学者の展示を見て、私なりに大いに学ぶことがあり、思いきって出かけて行ってよかったと、帰りの新幹線の座席に身体を沈めながら、思いました。

 ここに、町田市民文学館の正面(入口ドア左にポスターの拡大版が貼られているのをご覧ください)と、世田谷文学館のドナルド・キーン展会場入口の唯一撮影許可OKの場所の写真を載せます。 (大藤 記)

 

 

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