きょうは、辻邦生さんの100歳の誕生日です。
きょうは、辻邦生さんが存命であれば100歳の誕生日です。この日が迎えられることは、そして、この大きな節目に辻邦生さんの展覧会を軽井沢で開催できていることは、軽井沢高原文庫にとっても、辻さんの謦咳に接した私にとっても、本当に嬉しいことです。
辻邦生さんは1925(大正14)年9月24日、東京市本郷区駒込西片町に生まれました。9月24日(クニヨ)生まれにちなみ、邦生(くにお)と命名されました。38年後、初の単行本『廻廊にて』(新潮社)を刊行。その後、1999年7月29日、滞在先の長野県軽井沢町で73歳で逝去するまで、『夏の砦』『安土往還記』『天草の雅歌』『背教者ユリアヌス』『春の戴冠』『西行花伝』はじめ、人間精神の高貴さを物語性の中で追及した、数多くの優れた文学作品を生み続けました。
きょうは、開館早々、米国マサテューセッツ州ボストンから一組のご家族が来館されました。「きょうは、辻さんの100歳の誕生日ですよね。この日に合わせてまいりました」と奥様。「『背教者ユリアヌス』から入り、ほぼすべての作品を読みました。」「辻さんが学習院の先生をなさっていた頃、私は早稲田の学生でしたが、何度か、お見かけしました。」「今度は山荘見学会に参加したいです。」
また、きょうは、金子みすゞ記念館(山口県長門市)の矢崎節夫館長、華道家の假屋崎省吾さんらも来館されています。
軽井沢高原文庫では、夏季特別展「生誕100年 辻邦生展ー軽井沢と物語の美ー」を10月13日まで開催しています。 (大藤 記)
本日から人文昆虫展『蟲の歌を詠む』がスタートしました。
9月も後半に入りました。ここへきて、暑さも少し和らいできたようです。
ここに、最近の出来事をいくつか、記しておきます。
一昨日、軽井沢高原文庫の春の企画展「戦後80年 戦後文学を拓いたひとびと~荒正人宛サイン入り献呈本約五〇〇冊一挙公開~」(4/26~7/14)の資料返却のため、東京・杉並の故荒正人氏のご遺族、長女・植松みどりさん(和洋女子大名誉教授)と次女・荒このみさん(東京外国語大名誉教授)のお宅にうかがってきました。
展覧会はすでに2か月前に終了していますが、辻邦生展の開催が連続したため、返却を先延ばしにしていただいたのでした。膨大な資料の返却が無事に済んで、私のなかでようやく「戦後文学を拓いたひとびと」展が終了しました。今は、ほっとした気分の中にいます。
扱った対象作家は154人、時期は昭和20年代から昭和50年代までと、軽井沢高原文庫で過去におそらく経験したことのないような、作家のサインや色彩豊かな表紙に満ち溢れた展覧会となりました。そうした中で、戦後文学の果たした役割を、戦後80年の今の時点で問う、という難しいテーマでした。展示ケース内をサイン本約500冊で埋め尽くすという試みも初めてでした。
今回の展示がきっかけとなって、2年後に杉並区の施設でも展覧会が催されることが決まったとうかがい、私も嬉しくなりました。また東京都内の文学館から資料の問い合わせがご遺族にあったようです。
荒家への返却の後、今年6月に深沢紅子の絵画寄贈のご連絡を頂戴した東京・世田谷の個人宅にお邪魔して、絵を1点、いただいて軽井沢に戻りました。サイズ25号。1975年制作。油彩。女性像。由来の確かな、よい作品です。
きのうは、日光市の新部公亮さんが来館され、堀辰雄山荘の人文昆虫展『蟲の歌を詠む』の準備をしていただきました。私は車から荷物を降ろすのをお手伝いしただけで、あとはすべて、新部さんが飾りつけをしてくださいました。新部さんとのお付き合いもかれこれ17年になります。紹介者は北杜夫さんの長女・斎藤由香さんでした。
話は逸れますが、新部さんは、今年6月28日から8月31日まで、北海道大学総合博物館で開かれた「人文的昆虫展覧会」において、これまでのご自身の仕事をある程度、まとまった形で示すことをなされ、展示に合わせて北大では230頁にもおよぶ総カラーの立派な図録を作成されました。誠に喜ばしいことです。新部さんは先月、南米スリナムに行ってきたそうです。
さて、本日から、堀辰雄1412番山荘において、その新部さんプロデュースによる、人文昆虫展『蟲の歌を詠む』が始まりました。11月30日まで。「齋藤茂吉、北杜夫、岡田昌壽、若山牧水、俵万智,、山修司、菱川法之らが詠った蟲の名歌」×「芋版画の名手-山室眞二」×「昆虫標本」。この展示は、単独で見ても十分見ごたえのある人文昆虫展ですが、辻邦生展と合わせてご覧いただくと、辻さんの大親友だった北杜夫さんと、その父・齋藤茂吉の歌も紹介されているので、いっそう興味深いかもしれません。
ここに、会場の写真を何枚か、載せます。3枚目は茂吉の歌と蝶の実物標本です。 (大藤 記)
「辻邦生山荘を訪ねる①」終了。9/20(土)~堀辰雄山荘で人文昆虫展「蟲の歌を詠む」を開催します
きのう、夏季特別展「生誕100年 辻邦生展―軽井沢と物語の美―」の関連イベントの3つ目、「辻邦生山荘を訪ねる①」を旧軽井沢の現地で開催しました。心配された雨も降らず、一時的に太陽が周囲の雑木林に差し込み、葉がキラキラと輝き出すなか、山荘内外を参加者18名+取材1名とともに見学しました。大阪から3名の参加、建築家1名、東京都内の出版社で磯崎新氏の著作を多く手がけたという元女性編集者の方も交じっていました。
『時の扉』を読んだことがきっかけで辻ファンとなり、その後ずっと作品を読んできたという長野県の男性、雑誌「海」に連載された「背教者ユリアヌス」第2回を読んで衝撃を受け、その後も辻作品を読み続けているという大阪府の男性、また、もともと福永武彦のファンで、ある日本文学全集の福永武彦の巻の解説を辻さんが書いていたのを読んだのが機縁となり、ごく自然に辻さんの作品に親しむようになり、それから今日まで半世紀以上読み続けているという東京都の男性など、そばにいた何人かの方から立ち話で貴重なお話もおうかがいすることができました。
さて、話題が変わって、次は新しい展示のお知らせです。
軽井沢高原文庫では、9月20日(土)から11月30日(日)まで、敷地内の堀辰雄1412番山荘において、人文昆虫展「蟲の歌を詠む」を開催いたします。16年ほど前から文学と昆虫標本、絵画等を融合させた博物学的展示でお世話になっている日光市在住の新部公亮さんによるプロデュースです。今回は、齋藤茂吉や北杜夫、岡田昌寿、俵万智、寺山修司、若山牧水ら多くの歌人が詠んだ「蟲」たちを、芋版画とともに実物標本で表現します。岡田朝雄著『百蟲一首』より選歌。高原文庫入館料で見学できます。
ここに、人文昆虫展「蟲の歌を詠む」のチラシを載せます。よろしかったらお出かけください。 (大藤 記)
9/13(土)「辻邦生山荘を訪ねる」開催します。
その後、お変わりなくお過ごしのことと存じます。忙しかった8月があっという間に過ぎました。軽井沢高原文庫で開催中の夏季特別展「生誕100年 辻邦生展―軽井沢と物語の美―」も後半に入っています。辻邦生に関心のある方が全国各地から訪れています。今日は直木賞作家の中島京子さんがふらりとお見えになっていました。
ここで、最近の出来事をすこし振り返ってみたいと思います。
8月31日(日)午後、辻邦生展の関連イベントの2つ目、「高原の文学サロン」を開催しました。青柳正規(まさのり)東大名誉教授によるお話「辻邦生夫妻とめぐりあって」。参加者52名。満席。
青柳先生は、用意された画像をスクリーンに写し出されながら、イスタンブールのケンピンスキーホテルに泊まった時の思い出から話をはじめられ、辻邦生『背教者ユリアヌス』の時代背景となる西洋古代末期の時代と空間を、考古学・歴史学・美術史等の視点から縦横無尽にお話くださいました。私は約1時間20分間、まばたきもしないで、その興味深いお話にずっと聴き入りました。参加者の皆様もご満足の様子でした。
なお、駅からの送迎の車中で、青柳先生から私に、辻先生夫妻に長年にわたりいろいろお世話になってきたことを今回、あらためて思いおこすよい機会となりました、ありがとうございます、とのお言葉があり、恐縮しました。
高原の文学サロンが行われた8月31日には、旧朝吹山荘「睡鳩荘」で開かれていた「戦後80年 壷井栄『二十四の瞳』~図書館情報学の世界から~」が終了しました。その晩、私は展示の撤去作業を行いました。この展示は、筑波大の大庭一郎氏が集められた膨大な壷井栄『二十四の瞳』関連資料をお借りする形で実現しました。大庭先生には厚くお礼申し上げます。会期中、多くの一般の方に交じって、図書館情報学の専門家の方も奈良や徳島、広島など各地からお見えになっていたようです。
9月5日、共同通信の文化部長や、信濃毎日や新潟日報、山梨日日、静岡新聞の各文化部長など8人の方々が、そろって軽井沢高原文庫を訪れました。ちょうど台風の通過の日でしたが、辻邦生展や移築別荘をご案内させていただきました。
さて、今週末9月13日(土)には、辻邦生展の3つ目の関連イベント、「辻邦生山荘を訪ねる」を開催します。このイベントはすでに満席となっています(予約受付開始まもなく、いっぱいとなりました)。一昨日、お天気がよかったので、私は辻邦生山荘に赴き、山荘の内外を大掃除してきました。周囲の草刈りもしました。予定時間をだいぶオーバーし、丸一日かかってしまいました。ブロアーを使って、落ち葉を集めようとしたところ、近くの別荘ベランダからバッハの無伴奏チェロ組曲を練習するチェロの音色が聞こえてきましたので、あまり音の出ない箒で掃くことにしました。
ここに載せる画像は、山荘の掃除が一応終わり、夕方、山荘を後にするさいの辻邦生山荘(磯崎新設計)です。高原は、紅葉はまだ先ですが、少しずつ秋の空気に入れ替わってきています。 (大藤 記)
8月28日~「山粧う~夏から秋を彩る野の花たち~」開催(深沢紅子野の花美術館)
このところ、残暑が厳しい毎日ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
軽井沢高原文庫では、夏季特別展「生誕100年 辻邦生展-軽井沢と物語の美ー」に多くの方が足を運ばれています。
しばらく記しませんでしたので、最近の様子を思い出すままに記しておきます。
昨日は、辻邦生さんの父祖の地である山梨県笛吹市から、笛吹市春日居郷土館の窪田たけみ学芸員・司書が来館されました。また、ご主人が旧制松高で辻邦生さんの一年後輩だったという90歳の女性が神戸市からお見えになりました。劇作家・岸田國士の孫で、詩人・岸田衿子さんの長男の岸田未知さんも来館されました。また今年春の企画展「戦後80年 戦後文学を拓いたひとびと」でお世話になった荒このみ・東京外国語大名誉教授がお知り合いの明治大や日大などの先生たちと辻展を見学にいらっしゃいました。
3日前、北杜夫夫人の齋藤喜美子さんがお嬢さんの斎藤由香さんとそのご主人と来館くださいました。その日、私は堀辰雄文学記念館で「堀辰雄『美しい村』をめぐって」の講演を頼まれていて、北さんご一家には残念ながらお目にかかれませんでした。同じ日、作家・横溝正史さんの次女の野本さんがお嬢さんの関口さんといらっしゃいました。
その数日前、作曲家の細川俊夫さんが辻展を見学に訪れました。細川さんには「高原文庫」第40号に辻さんのエッセイをお願いしました。細川さんは世界の現代音楽シーンのトップランナーとしてヨーロッパを中心に活躍する作曲家です。最近、新国立劇場で世界初演となるオペラ『ナターシャ』(台本は多和田葉子さん)が終わったばかりで、ほっとされているご様子でした。でも、すぐにサントリーホールの仕事があるとおっしゃっていました。
毎日がこのような感じでございます。
さて、私は明日は深沢紅子野の花美術館の展示入れ替えがあり、一日、美術館の展示替え作業となります。
8月28日(木)から2026年1月12日(月)まで、「山粧う~夏から秋を彩る野の花たち~」を開催します。軽井沢を愛し、浅間高原に咲く野の花を多く描いた洋画家・深沢紅子(ふかざわ・こうこ、1903-1993)の水彩画から、夏から秋にかけての野の花や木の実などを描いた作品を中心に、屏風絵や油彩画なども含め、約50点を紹介する展示です。
辻邦生さんの絶筆となった日経連載エッセイ、「のちの思いに」の最終回「青い魚の家」に深沢紅子さん、および軽井沢高原文庫に移築された堀辰雄1412番山荘が登場するのをご存知でしょうか。
ここに、チラシを作成しましたので、チラシ表・裏の画像を載せます。 (大藤 記)
8月31日(日)午後2時~「高原の文学サロン」開催。青柳正規氏「辻邦生夫妻とめぐりあって」
お盆が過ぎて、けさの軽井沢は気温19度と少しひんやりするほどでしたが、日中は30度を超える厳しい暑さとなっています。皆様、お変わりございませんか。
この欄も、しばらく記しませんでした。理由はいくつかありますが、最大の理由は私の怠慢によるものです。
それはとにかく、毎年8月の前半は、6日の広島原爆の日、9日の長崎原爆の日、15日の終戦の日と、大事な日が続き、私自身は厳粛な心持で日々を送るとともに、戦争と平和について私なりに思いを巡らすことにしています。
さて、軽井沢高原文庫では7月19日から10月13日まで、夏季特別展「生誕100年 辻邦生~軽井沢と物語の美~」を開催しております。早いもので、明日でまもなく1か月になろうとしています。
おかげさまで、辻邦生の愛読者の方々が全国から来られているようです。きのうは、午前中、宮城県気仙沼市から80代くらいの女性とそのご子息と思われる男性が来館されて、ゆっくり時間をかけてご覧になっていかれました。そうしたら、午後には、20代くらいの女性二人組が来館され、芳名帳を見て、えーっ、気仙沼は私たちの実家のある場所です、と驚いていました。彼女たちは東京から旅行で軽井沢に来られたようでした。
今回の夏季特別展「生誕100年 辻邦生~軽井沢と物語の美~」は、作家・辻邦生の生誕100年ということで、辻邦生の人と文学の全体像をお示しするとともに、その中から主要作品と思われる歴史小説を中心とした作品の選りすぐりの自筆資料を紹介しています。したがって、初心者の方にも数十年来の愛読者という方にも十分ご満足いただける展示内容になっているかと思います。よろしかったら、どうぞお出かけください。
ところで、辻邦生展に合わせて、3つの関連イベントを開催予定しています。8月2日(土)の「高原文庫の会」、作家の水村美苗さんによるお話「辻邦生さんをめぐる思い出」は先日、終わりました。参加者92名。実に素晴らしい会であり、お話の内容でした。終了後、参加されていた作家の松家仁之さんが講師の水村さんに対し、今日のお話をおまとめになられたら、というような趣旨のことを立ち話で話されていましたが、それは私も同感です。実は私は過去四半世紀の間に、水村さんに5回ほど、原稿のご執筆のお願いをしていますが、すべて受けていただいています。今回はお話をするということで、水村さんは気が重いかもしれない、と思っていたのですが、ご多用の中、お引き受けくださいました。誠にありがとうございます。
さて、2週間後の8月31日(日)午後2時~、「高原の文学サロン」を開催いたします。青柳正規(まさのり)氏によるお話「辻邦生夫妻とめぐりあって」。青柳正規先生は、西洋美術史の専門家で、辻邦生夫人の辻佐保子さんが大変信頼なさっていた方です。ローマ大学に留学され、歴史学、考古学など広範囲の分野に精通されています。辻邦生さんとも親交がありました。辻さん夫妻は、青柳先生がポンペイで行っていた発掘調査の現場にも足を運んだことがあるようです。東大教授、東大副学長、国立西洋美術館館長、文化庁長官などを歴任。文化功労者。
超多忙な方ゆえ、安易な気持ちでお願いしてはいけないのですが、今回、辻さんの生誕100年ということで、16年ぶり(前回はエッセイ)に青柳先生にお願いしました。このイベントのチケットは、あと残り僅かとなっております。よろしかったらどうぞご参加ください。要予約。詳細はホームページをご覧ください。
http://www.kogenbunko.jp
ここには、「高原文庫」第40号(生誕100年 辻邦生展 軽井沢と物語の美)の表紙画像を載せます。執筆は、池澤夏樹、堀江敏幸、佐藤賢一、山内昌之、工藤庸子、中条省平、須田誠舟、山本容子、細川俊夫、松家仁之、金井愛里、辻砂織の各氏。アルバム、年譜付。A5判、80頁。定価1000円(税込)。送料210円。
(大藤 記)
8月2日(土)午後2時~「高原文庫の会」開催。水村美苗氏「辻邦生さんをめぐる思い出」
軽井沢高原文庫では、7月19日から夏季特別展「生誕100年 辻邦生~軽井沢と物語の美~」を開催しております。辻邦生作品の愛読者の方が各地から足を運ばれています。
きのうは、ブリヂストン美術館(現アーティゾン美術館)の元学芸部長、作家の阿部知二のご次男の阿部信雄さんが、奥様、千葉県立美術館学芸課長の廣川暁生さん、NHKプロモーションの中島さんと来館されました。
今日は、軽井沢町教育委員会・追分宿郷土館の伊藤京子館長と野巻花帆学芸員が来館され、同館で7月26日から始まる特別企画展「浅間根腰三宿のビスタ(展望)」の出品資料として、当館所蔵の多色摺木版画「木曽街道六拾九次之軽井澤」(広重)を借りていかれました。
辻邦生展ですが、会期中に3つの関連イベントを開催予定しています。
まず一つ目の「高原文庫の会」は、8月2日(土)午後2時から当館中庭で行います。作家の水村美苗さんによるお話「辻邦生さんをめぐる思い出」。
水村美苗さんは、辻邦生さんと1996年4月から1997年7月まで、朝日新聞紙上で往復書簡「手紙、栞を添えて」を連載した間柄です。昨年9月に最新長篇『大使とその妻』上・下を刊行されました(写真)。
お席は埋まってきておりますが、若干、まだご用意することができます。よろしかったらどうぞご参加ください。要予約。詳細はホームページをご覧ください。
http://www.kogenbunko.jp
(大藤 記)

本日から、「生誕100年 辻邦生展ー軽井沢と物語の美ー」スタートしました。

本日から、軽井沢高原文庫の夏季特別展「生誕100年 辻邦生展ー軽井沢と物語の美ー」がスタートしました。10月13日まで。会期中無休。
軽井沢に山荘のあった作家・辻邦生の生誕100年を記念して開催する展覧会です。辻邦生の73年の生涯と、主要作品を自筆資料等約300点で辿ります。山荘の書斎の一部を会場に復元しました。特別協力:学習院大学史料館。
なお、会期中、3つの関連イベントを開催します。高原文庫の会、高原の文学サロン、辻邦生山荘見学会。詳細は軽井沢高原文庫ホームページをどうぞご覧ください。
http://www.kogenbunko.jp
昨晩、なんとか無事に辻邦生展の飾り付けを終えて、極度の疲労が安堵に変わって、家路につきました。辻さんの生誕100年を祝う軽井沢ならではの展示になったと思います。
どうぞ皆さま、会期中に辻さんの命日、誕生日も挟まれています。作品の鑑賞とともに、展覧会にも足を運んで、辻邦生の世界を堪能してください。
また、本日、「高原文庫」第40号(辻邦生展特集)を発行しました。A5判80頁。定価千円。執筆は掲載順に、池澤夏樹、堀江敏幸、佐藤賢一、山内昌之、工藤庸子、中条省平、須田誠舟、山本容子、細川俊夫、松家仁之、金井愛里、辻砂織の各氏。年譜、写真アルバム付。
関連イベントについての補足説明です。今回の軽井沢での辻邦生展の開催にあたって、さまざまな観点から、お願いする講師の先生を考えました。今回、お願いした水村美苗氏と青柳正規氏は、今回のテーマと、場所が軽井沢であることを考えた場合、望みうる最高のゲストであります。ぜひ皆さまにおすすめしたいと存じます。
このところ、パソコンの不調により、本欄に記すことができませんでした。お詫び申し上げます。 (大藤 記)
今日から「戦後80年 壺井栄『二十四の瞳』~図書館情報学の世界から~」が睡鳩荘でスタートしました
今日から、企画展「戦後80年 壺井栄『二十四の瞳』~図書館情報学の世界から~」が、軽井沢タリアセンの旧朝吹山荘「睡鳩荘」でスタートしました。8月31日まで。無休。
本展は、壺井栄『二十四の瞳』に関する、1)直筆原稿(複製)、2)作品の初出掲載雑誌、3)初版本から各種の単行本・全集・児童書、4)研究書・研究論文、5)映画化・テレビ番組化された映像資料、6)映像資料の脚本・シナリオ・スチール写真、7)海外で翻訳出版された図書、8)『二十四の瞳』に関する観光グッズ等の、図書館情報学の視点により収集された多種多様な資料を、ざっと300点ほど、一堂に展示しています。
そのほか、壺井栄の自筆原稿や写真、壺井と交友のあった文学者とのやりとりの書簡、壺井の筆跡のある色紙なども飾っています。睡鳩荘の2階の4室すべてを使い、各部屋ごとに異なるテーマを設定して、『二十四の瞳』の世界を様々な角度から眺められるようにしました。
昨日、昼間から飾りつけ作業を始め、けさ未明の4時すぎまでかかって、ようやく終えました。あたりはもう明るくなっていて、鳥のさえずりが作業の終了を祝福してくれているように感じました。
今日は、展示資料の約99%を快くお貸しくださった大庭一郎氏(筑波大学 図書館情報メディア系)が奥様と開館とほぼ同時につくば市からお越しくださいました。いくつか修正をご指摘いただきましたので、すぐに直しました。
ともかく、無事に展覧会初日を迎えることができて、今はホッとしております。
余談ですが、今回、私は『二十四の瞳』を初版本の完全復刻版という本で読みましたが、この作品がいかにすぐれた作品であるか、あらためて実感しました。作品の背後に流れる作者の不戦への強い思いも感じましたし、大石先生の子どもたちを見る目のなんと優しいことか。大石先生と教え子たちとのやりとり、大石先生と先生自身の子とのやりとりには何度もはっとさせられる場面がありました。小説の後半部、「九 泣きみそ先生」あたりでは、あまりの感動で涙で目がくもり、読み進むことができなくなりました。
まだ読んでいない方は、ぜひ『二十四の瞳』のご一読をおすすめいたします。
ここには『二十四の瞳』初版本の表紙と睡鳩荘を載せます。初版は1952(昭和27)年12月、光文社刊です。 (大藤 記)
軽井沢31℃。「戦後文学を拓いたひとびと」開催中。「通信」第105号、「高原文庫」第40号の編集
きょうは暑かったですね。標高千メートルの軽井沢でも31℃まで気温が上がりました。今年の最高値でしょうか。
さて、軽井沢高原文庫では、現在、企画展「戦後80年 戦後文学を拓いたひとびと~荒正人宛サイン入り献呈本約五〇〇冊一挙公開~」を開催中です。7月14日まで。このユニークなテーマの展示を見るために、各地から人々が訪れています。
先日、歌人の三枝昂之さんが奥様の今野寿美さん(歌人)と来館されて、じっくりご覧になった後、私に向って開口一番、「戦後文学でムンムンしていますね」とおっしゃいました。そのご感想をうかがい、うまい表現をなさるなあと、感動してしまいました。
また、最近、中国から一人の若い女性がお見えになりました。見学後に少し立ち話をさせていただくと、北京外国語大学の学生とのこと。日本の戦後文学に関心があり、ネットで情報を見つけて、どうしても見たいと思い、わざわざ中国から飛行機で来たとのことでした。その行動力に驚きました。坂口安吾や高橋和巳に関心があると話されていました。
ところで、この半月ほど、私はとても忙しい日々を送っていました。数日前、それまでずっと編集作業にかかりきりになっていた「軽井沢高原文庫通信」第105号がようやく校了となりました。6月20日発行。A4判12頁。定価200円(税込)。
また、同様に、この半月くらい、かかりきりになっていた「高原文庫」第40号(辻邦生展特集)の編集作業が、一両日中になんとか校了にこぎつけそうな状況になってきました。こちらも、まもなく手が離れそうです。執筆者は13名。A5判約80頁。7月19日発行。定価1000円(税込)。
「通信」第105号、「高原文庫」第40号については、後日、あらためてご紹介させていただきます。
なお、辻邦生展のポスターとチラシが数日前に納品されました。いま、発送のための準備をしている真っ最中です。送付は1週間後くらいでしょうか。
ここに載せる写真は、本日午後4時頃に撮影した、軽井沢高原文庫の現在の様子です。 (大藤 記)











