アーカイブ 2010年3月
2010年03月31日 年間イベントスケジュール決まりました!
軽井沢高原文庫の2010年展覧会およびイベントスケジュールの内容、日時がすべて確定しました。随時、ご案内いたしますが、この夏の高原文庫の会は8月7日(土)午後1時~、高原の文学サロンは9月4日(土)午後2時~、などとなっています。夏季特別展は、開館25周年記念特別展「軽井沢・宿と文士」です。なお、堀辰雄山荘にて、「H・ノーマンとE・ライシャワー展」(4月24日~6月30日)、「ヘルマン・ヘッセ昆虫展」(8月1日~8月31日)のミニ展示も行います。友の会会員の方には来月下旬、館報にてお知らせいたします。
2010年03月30日 雪15センチ
きのうの朝、軽井沢は雪が約15センチ積もっていました。びっくり。今年は冬の後半、よく降ります。しかし、昼間はよく晴れましたので、夕方にはほとんど融けてしまいました。
2010年03月28日 立原道造「風信子忌」
きのう、3月27日、立原道造「風信子忌」に行って来ました。谷中・多宝院での墓前祭、池之端・鴎外荘での記念行事、懇親会、そして最後は立原道造記念館見学と、道造さんにどっぷりつかった一日でした。記念館の運営は非常に厳しく、今後の見通しが立たないとの窮状が、宮本館長代理から挨拶の中でご説明がありました。しかし、来年、必ず「風信子忌」を行いたいとも。年来の存じ上げている方とも旧交をあたためることができました。母が水戸部アサイと女学校が同級生だったという男性、祖父が立原道造商店に勤めていたという女性、作曲家小林秀雄氏、東大大学院で立原道論を書いているという若い研究者など、今回初めてお目にかかる方もいました。立原道造賞受賞の建築家とも再会し、しばらく話をしました。山崎剛太郎、粟津則雄、安藤元雄、佐岐えりぬ各氏がご出席。記念講演は窪島誠一郎氏。
2010年03月26日 辻佐保子、磯崎新対談
昨年8月に当館庭で行われた辻佐保子、磯崎新両氏の対談「軽井沢の不思議な家」を今、テープ起こししています。アドリブでのお話だったがゆえの、自由闊達な興味深い内容で、ぜひ記録として残しておかなければとの念を強くしています。
2010年03月23日 「H・ノーマンとE・ライシャワー展」予告
3月1日から春季企画展「文学に描かれた軽井沢120年の物語」を開催しています。きのうは川端康成と立原道造のコーナーの資料差し替えを行いました。中央の立体ケースには山口蓬春の日本画の小品2点を掛けてあります。初展示。土筆と蝶の絵です。
4月24日から堀辰雄山荘でおこなう小展示「H・ノーマンとE・ライシャワー展」について、予告しておきましょう。H・ノーマンは歴史家でカナダ人外交官。101年前、軽井沢で誕生。E・ライシャワーは歴史学者で、のち駐日アメリカ大使やハーバード大学教授。100年前、明治学院大学の宿舎で誕生。2人は少年時代、夏の軽井沢で一緒にテニスをした仲でした。ノーマンの父は「軽井沢の村長さん」と親しまれたカナダ・メソジスト派の宣教師ダニエル・ノーマン。ライシャワーの父はアメリカ・長老派教会の宣教師オーガスト・ライシャワー。今回は、ともに軽井沢にゆかりの深い2人の生誕100年を記念して、写真、日本での著作などを中心に、その人と業績の一端を、堀山荘「暖炉のある部屋」において紹介します。
2010年03月22日 黄砂降る!
きのう、強風が吹き荒れ、軽井沢でも多量の黄砂が降りました。車のガラスがすべて真っ白くなってしまいました。一時、雪も降ったため、雪が融け、ガラス全面に痕跡をのこしたようです。黄砂の発生地は中央アジアのゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などといわれますが、もしそうだとすれば、ずいぶん長い距離を旅してきたことになります。
なお、きのう建築史家の鈴木博之東大教授が奥様とご来館になりました。立原道造のポストカードをたくさんお買い求めになりました。
2010年03月20日 新潟「深沢紅子展」本日からスタート!
新潟市にあるNST新潟総合テレビ本社での「深沢紅子展~野の花を描く~」がきょうからスタートします。私はきのう、作品の飾り付けのため、新潟に行ってきました。1階、3階の計3部屋をそれぞれ、油彩室、水彩室、屏風室に明確に分けて展示しました。作品点数は油彩27点、水彩42点、墨絵6点、屏風6点、掛軸1点、挿絵・装丁本10点の計92点ほか、というまさに壮観の展示会。ほぼ1日かかって飾り付けを終え、テレビの番組収録も済ませ、夜半、手袋・マフラーの要る軽井沢に戻ってきました。展覧会は今月29日まで。
2010年03月17日 韓国から建築家、ギャラリーオーナーら来館
3月16日、ソウルから建築家、アーティスト、ギャラリー・オーナー、銀行家の4人がご来館しました。私は事前にご連絡を受けていたので、高原文庫の各施設をご案内しました。韓国には文学者の別荘を移築保存し、一般公開しているという例はあまりないとのことで、皆さん、敷地内に復元した堀辰雄山荘、野上弥生子書斎、有島武郎別荘をとりわけ熱心にご覧になっていたのが印象的でした。
2010年03月16日 『古事記』読後
日本最古の著作であり、文学書といってもいい『古事記』(712年成立)を岩波文庫版と福永武彦訳『古事記物語』を読み比べながら、読了しました。そこに出てくる古代歌謡の面白さに目を開かれ、今は「神楽歌」「風土記」にとりかかっています。それはさておき、日本の古代神話、王権の成立、天皇家の系譜といったテーマが、私の中で浮かんできました。『古事記』を読む限り、たとえば重要な場としての位置を与えられているのは、最終的には大和であり、大坂であるようです。その前には九州。繰り返し現れてくる場所として出雲があり、伊勢などがあります。九州北部から畿内に移動し、そこで王権が確立した、と見る見方がやはり自然のようです。一方、壱岐、出雲、因幡、新羅といった日本海(東シナ海)の地名がところどころに登場するのは、やはり朝鮮半島との深い関わりを示唆しているのでしょう。なお、『古事記』が著作物であること、自己を正当化するためのものであったかもしれない点も考慮しなければなりません。
かつて加藤周一氏は、その著作の中で、日本の神は「成る」という点に、注意を促していました。それはユダヤ教、キリスト教、イスラム教などの神と決定的に違うと。『古事記』の表現では、神は「成った」となっています。
2010年03月15日 新潟市で20日から深沢紅子展
新潟市で3月20日から「深沢紅子展~野の花を描く~」を開催します。3月28日まで。主催はNST・駒形十吉記念美術館。場所はNST新潟総合テレビ本社(新潟駅から徒歩7分)。作品は深沢家から16点、深沢紅子野の花美術館から70点余りを出品予定。油彩、屏風、水彩など90点ほどが一堂に会する珍しい展示になりそう。私も3月19日に飾りつけに行ってきます。入場無料。
2010年03月13日 加賀乙彦館長朝日新聞インタビュー「2010 東京 そして私 」
2010年3月12日付朝日新聞オピニオン欄で、加賀乙彦館長のインタビュー「2010 東京 そして私 」が大きく紹介されています。とても読み応えがあり、私は3度熟読しました。このアプローチの仕方はかつて、私の記憶では3年ほど前、日本経済新聞が大きく取り上げた取り上げ方と似ていますが、それをもう少し作品そのもの、および東京の越し方行く末という2点に重心を据えたものと言えます。加賀先生の紹介の仕方としてはこれはベスト(の一つ)と私には思えます。一つの主題を20年以上も歴史資料と格闘し、思索しながら悠々と書き続ける作家は、今日、他にほとんど見られないからです。1985年に「新潮」に連載が始まった『永遠の都』『雲の都』シリーズは、一時中断をへて、現在も続いています。
2010年03月12日 磯崎新 文化の「鎖国化」で独自価値を
これだけ情報があふれ、日々否応なくさまざな情報が私たち一人ひとりのもとに飛び込んできます。それが正しい情報なのか。自分にとって大事な情報なのか。そうしたことを常に見極めなければなりません。
一月ほど前、磯崎新氏が日経の「領空侵犯」インタビューで、日本は今は和様化に徹すべき、というグローバル化という潮流に逆行するような内容のことを唱えていました。磯崎さんは、最近の日本の政治や経済の動きを見ていると、外に対してあまりにもびくびくしすぎていると見ているようです。島国である日本の歴史をさかのぼって考えると、外圧→内乱→大陸からの文化や技術の移動→日本的なものに洗練(和様化)→今までなかった野蛮なものを持ち込んで転換、という変化を繰り返してきたというのです。今こそ、グローバル化により外から持ち込まれたものを和様化する、文化の鎖国時代に突入すべきだと。かつての安土桃山文化、江戸時代の近松門左衛門や葛飾北斎に代表される町人文化が成熟したように、もしかしたら、アニメや漫画、秋葉原に象徴されるオタク文化のようなもの、あるいはネット社会で生まれたブログサイトが和様化して一大文化に成長するかもしれないと見ています。
2010年03月11日 『古事記』
マンガ『古事記』を読み、面白かったので、岩波文庫『古事記』(倉野憲司)を再び取り出して、読み直しています。同時に現代語訳もと思い、福永武彦『古事記物語』と読み比べています。福永さんのは少年少女向けに書かれた訳のため、原文のなまなましさを削ってしまったところがありますが、なんといっても文章にリズムと品があります。私は上巻の部分にとりわけ興味をそそられました。712年に出来た日本最古の書物です。江戸時代、本居宣長が20年以上かかって『古事記伝』44巻を刊行したことに、今更ながら思いを馳せています。
2010年03月09日 映画「加藤周一 幽霊と語る」上映中
加藤周一氏が2008年に他界するまでの2年間に寄り添い、最後のメッセージを記録した映画「しかし それだけではない。」が、東京・渋谷のシネマ・アンジェリカで上映されています。副題は「加藤周一 幽霊と語る」。製作は元NHKディレクター桜井均氏。(以上、日経2010.3.4記事より)
私はこの映画をまだ見ていません。昨春、堀辰雄山荘で加藤周一全著作展を開催した際、加藤夫人からのお電話で、映画を撮っているNHKの方と展示を見せていただきました、とおっしゃったので、私の不在時にいらっしゃったことを知り、残念に思ったものでした。加藤夫人にはその前、3月にお目にかかりましたが。
加藤先生の晩年の『日本文化における時間と空間』を私は今年になって、時間をかけて精読し、これは初期の『芸術論集』などから一貫して続く、加藤先生の日本文化論のいわば決定版であることを確信しました。そこに強く主張された、日本文化の特質の一つとしてまず挙げるべきは、「いま、ここ」に生きることである、とする指摘は、もう少し、私なりに時間をかけて考えてみたいと思っています。
2010年03月08日 館長の信毎好評エッセー
今年1月から館長が、信濃毎日新聞に月1回、「思索のノート」と題するエッセーを発表しています。毎回、普遍的、根源的なテーマが取り上げられています。3回目は3月6日。今回のテーマは、死刑廃止論。ここでは、死刑囚の残酷な日常生活が語られています。日本は、少なくともこの問題に関する限り、世界の後進国であることを知りました。
2010年03月06日 軽井沢検定合格発表
昨日3月5日、2月に行われた初の軽井沢検定試験(3級)の合格発表が行われました。100問の設問の内、10問が文学。文学は難しかったという声が聞かれました。4択のマークシート方式。20代から80代までの284人が受験したと聞いています。次回は8月22日(2級、3級)。軽井沢検定に関する問合せは軽井沢観光協会まで。
2010年03月05日 ボッティチェリ
『フィレンツェの美術』全六巻(小学館)を眺めながら、花の都フィレンツェの芸術における絶頂期の作品群にあらためて感動しました。ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロの3巨匠は、どう見ても芸術性、完成度、質の高さにおいて群を抜いています。かつてサン・マルコ美術館を訪ね、私が出会って感激したフラ・アンジェリコも、違った意味で迫ってくるものがあります。そしてフィレンツェといえば、ボッティチェリ。「プリマヴェーラ」「ヴィーナスの誕生」は今回も釘付けになりました。どうしてこのような作品が生まれえたのでしょう。まったく不思議です。同じボッティチェリの「 マニフィカトの聖母」は今回、私が認識を新たにした作品です。じつは今年はボッティチェリ没後500年! 大規模なボッティチェリ展がどこかの都市で開催されないでしょうか。
2010年03月04日 『福永武彦論』
西岡亜紀『福永武彦論』は、比較文学的視点から福永武彦の作品を論じた研究書。福永武彦が世を去って30年ほどが経過した現在、単行本ととして福永武彦の作品を論じたものはいまだ数点しかないと思われます。もちろん比較文学的視点からのアプローチは初めて。フランス文学、とくにボードレールとの比較を通じ、福永武彦の作品の生成に迫る本書は、お茶の水女子大学の博士論文がもとになっているとか。
2010年03月03日 「文学に描かれた軽井沢120年の物語」スタート
3月1日より新年度がスタートしました。2階展示室では「文学に描かれた軽井沢120年の物語」を開催しています。ぜひお出掛け下さい。