旅の思い出「八景島シーパラダイス」でレッサーパンダの赤ちゃん観察(神奈川県・八景島) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

横浜・八景島シーパラダイス

℡)045-788-8888

 

往訪日:2022年9月18日

所在地:神奈川県横浜市金沢区八景島

開館時間:土日祝日10時~19時

(水族館4施設)料金:

一般3,300円 小中学生2,000円 幼児1,000円

アクセス:シーサイドライン・八景島駅から徒歩5分

 

《もはやヒヨコではなかった…》

 

ひつぞうです。シルバーウィークの三連休は期待も虚しく、颱風14号の直撃に見舞われて登山は中止(そもそも行く気があったのか微妙)。しかし、臍を噛んだのも束の間。セカンドプランは用意していました。それはレッサーパンダの赤ちゃん観察です。7月9日に八景島シーパラダイスで誕生。飼育員さんの懸命な介護のもとスクスクと成長し、雨後の筍の勢いです。タケノコも竹になっては一文の価値もなし。天使の片鱗が残るうちにその姿を双眸に納めねば。以下、往訪記です。

 

★ ★ ★

 

八景島を訪れるのは19年ぶりである。横浜に越してきた僕らは、犬が縄張りを執拗に嗅ぎまわるように、当時、横浜のありとあらゆる繁華な一画を訪ね歩きまくった。八景島もそのひとつだった。

 

 

京急・金沢八景駅からシーサイドラインに乗り換えて、いよいよ八景島駅に降り立つ。この日、すでに線状降水帯に覆われた三浦半島は、ときおり強烈な驟雨に襲われたが、折よく止んだところを突いて島に向かった。

 

 

駅からゲートまで五分。同時に下車したのは寝ぼけ眼のスタッフの一軍くらい。一般客の姿はない。レッサーパンダアクアミュージアムで飼育されている。陸上動物なのになぜ水族館なのか。そんな野暮な質問を投げかけてはならない。パンダは遊園地の花形。どんな場末の歓楽街にも「うそ!どうしてキミみたいなひとが」と息を飲むような、掃きだめに鶴、水族館にパンダ的な美人がいるように、どこの世界にもやんごとなき事情がある。

 

なお、公開は9月7日~10月16日まで。

そう。パンダの成長は早い。

 

そして公開時間は…

 

10時~14時

16時~17時

 

朝一番の枠が4時間と長い。以前訪ねた那須どうぶつ王国スナネコの赤ちゃんの場合、一日一回しかチャンスが与えられなかったが、今回は回数制限については言われていない。しかも哺乳類は給餌のあとは寝るものだ。活発に動き回るチャンスは朝一番と踏んだ。

 

★ ★ ★

 

ゲート前に着いたのは開場50分前。天気が芳しくないことが幸いしたか二番乗りだった。周到に事前予約を済ませて、QRコードもスマホに忍ばせてある。あとは本でも読んで待てばいい。

 

では、その二番乗りがなぜ先頭にいるのか。

 

 

それはゲートが二箇所あるからだ。互いに場所を譲った次第だ。その後、列は着実に伸びていった。しかし、伸びるのはもう一方のみ。後続者は「あー間違って並んでいるバカがいるよ~」的に僕らを見ているのだろう。

 

人間とは邪説に惑わされやすい存在である。自分は大丈夫と思った処で、アルアル詐欺や、巧みな勧誘に乗ってしまう。カンダタを見放したのは蜘蛛の糸だったが、シーパラの長い列もまた我が身のつたなさを思い知る仮り初めの幸福の隊列。サンティアゴ・デ・コンポステーラの長い巡礼者のごとく、果てしなく伸びていった。

 

会場10分前にスタッフがようやく「ゲートは二箇所です。二列に並んでお待ちください」と叫んだ。一瞬、何を言われたのは判らないという群衆の表情。鳩に豆鉄砲。しかし、その豆を巧みに捉える鳩もいる。敏くも事態を理解する者が現れるが、そこは日本人、先行者を差し置いてまで先行しようとはしない。こうしてモーゼの十戒よろしく列に裂け目が出現。オオイカリナマコのように僕らの後に連なった。そして10時の開場。多くの客の流れを後目に、僕らは会場脇のエレベーターに突進する。

 

 

そう。レッサーパンダの獣舎は四階にあるのだ。

 

「事前検証済。わくわく」サル

 

扉が開くとともに走ってパンダ舎へ!

 

しかし!

 

「どこにもいないよ」サル

 

慌ててスタッフに詰め寄る。

 

たじろいだ様子で「赤ちゃんは一階の特設会場ですよ」と虚しい答え。

 

なんということだろう。赤ちゃんだけ一階にいるとは…。当日券も含めてすでに百人以上の人の波が館内を埋め尽くしていることだろう。パンダのためだけに、一時間前から3,300円も払ってきたのに…。

 

「慌て者はバカを見るだにゃ」サル

 

おサル二人ともそのバカだよ。

 

ところがである。

 

 

パンダの神様は見放さなかった。一階に戻ると、親子連れのほぼすべてが順路に従って進んでおり、少し脇にそれたパンダコーナーは無人だったのだ。

 

「運がいいにゃ!」サル

 

しかし!事態は二転三転。

 

 

パンダの稚児はいぎたなく寝ていた。早く起きろよ。朝だぞ!

 

 

レッサーパンダにサイコキネシスやテレパシーは通じない。ロデムと意思疎通できるバビル二世が羨ましい…。

 

 

すでに生まれて二か月余り。誕生時に比べて10倍になっている。

 

 

女の子。少し明るい茶色。生後14日目あたりが見たかった。出来損ないのコツメカワウソっぽくて可愛すぎる!

 

 

男の子。やはり13日目あたりがベスト。モコモコ短足で漫画のいぬ君みたいだ。

 

ということで、寝る子は育つ。果報は寝て待て。いや、寝ている暇はない。とりあえず魚でも見て時間を潰してもう一回チャレンジすることにした。

 

「そのために来たんだしにゃあ」サル

 

 

それでは順路に従って。

 

でも、普通の熱帯魚とか水産魚はいいかも。水族館はここ数年だけでも相当いったし。

 

「飽きやすい性分だものね」サル

 

 

鰯トルネード

 

ああ、鮨食いてー。

 

 

「これなに?」サル

 

タコノマクラだよ。ウニのいとこみたいな生き物だね。桜の花模様みたいでしょ。

 

 

ヒフキヨウジウオ

 

ヨウジウオの仲間では大型だね。オスが卵を抱いて孵化させるんだよね。

 

「食べられる?」サル

 

ムリ。食用ならこれだよ。

 

 

江戸前のアナゴ。

 

「鮨食いて~」サル

 

 

「これは?」サル

 

スソウミヘビだね。見るのは初めて。水深420㍍の砂底に潜って生活するって。もちろん鰻やアナゴの仲間。食用にはならないそうだ。ダイナンアナゴもそうだけど、アナゴの仲間って意外に美味しくないんだよ。

 

 

「きゃー!」サル

 

グソクムシでーす。こうしてみるとダンゴムシ。

 

 

ダイオウグソクムシを正面から見ると、松坂慶子さんの鼻腔に棲息した宇宙細菌ダリーだな。

 

「ヤゴなんじゃね」サル

 

 

世の中の混沌を感じ取っているのだろう。タカアシガニだって、ええじゃないかを踊りたい。

 

「これ動いているにゃ」サル

 

なになに?ああ、サメの卵嚢だね。

 

 

ナヌカザメの仔魚だよ。サメって孵化まで一年かかるって。

 

「鱶だけに深入りしたくないにゃ」サル気持チ悪イ!

 

じゃ最後にキレイなものを。

 

 

「ベルサーチ?」サル

 

ニシキテグリだって。でも似ている。こういうスカーフ流行ったもん。7センチ程度しかない小さな魚。

 

★ ★ ★

 

ということで11時近くなったのでイルカショーへ。

 

 

シロイルカとご挨拶。頭いいんだよね。

 

 

これこれ。これを観ないと。それにしてもすごい雨だ。天幕あるけど全く意味をなさない。

 

 

バンドウイルカとカマイルカのショー。しぶきが届かない場所なのに雨でずぶぬれだよ。

 

 

感動した会場のチビッコ諸君。科学に目覚めてぜひ将来の日本を支えてね。

 

 

楽屋裏ではイルカたちが激しく賃上げ交渉中。

 

「ダメすか?今日の俺たちの芸じゃ!」🐬

 

さすが知能犯。団交に持ち込んでいる。

 

★ ★ ★

 

そこそろお昼。ものすごい人で爺さんの僕もお疲れ。もう帰りたいかも。

 

「も一回パンダ見る」サル

 

えー!見るの?最初来ないっていったじゃん。自分。

 

「混雑するのがイヤだったけど、来たからには見る!」サル

 

どうしても生で動くパンダベイビーを観たいのだそうだ。

 

で、行ってみた。すごい状列になっていた。しかし、その先には何やら動く物体が。

 

 

なんだよ。活発に動いているじゃん。

 

 

お!いいね!その動き。しかし、自分が写り込んで絵が決まらん。

 

「なんか全然こっち向いてくれなかった」サル

 

じゃ二巡目まわる?

 

どうやら、行列の三分の一は同じメンツがベストショットを狙ってグルグル回っている。

 

 

二巡目完敗…。三巡目で不機嫌そうなメスの正面顔をゲット。

 

 

あーそうそう。そんな感じでおもちゃに絡んで。

 

 

「寄り過ぎだって」サル

 

おサルの写真は悉くピンボケだった(笑)。

 

 

四巡目。そこそこいい顔(男の子)。

 

でももう大人じゃん。どうしてヒヨコはヒヨコのままでいてくれんかの。

 

 

女の子はおすまし顔。おサルが心霊写真みたいに写り込んでいるのが怖いけど。

 

 

とまあ、こんな感じでレッサーパンダの赤ちゃんに触れあいまくった三時間だった。

 

ということで、この日は虎ノ門で夕食の予定。どうしよう。まだ四時間以上あるんだけど。

 

「ノープラン」サルトリアエズ昼飯ハ蕎麦ダニャ

 

仕方ない。金澤八景駅の近くの旨い蕎麦屋でランチして、東京駅に向かうことにした。

 

(つづく)

 

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