★お宅の相続ここがポイント 「法定相続分」で分けてはいけない! | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

★超入門・お宅の相続で何が起きるか 「法定相続分」で分けてはいけない!
http://yuigonsouzoku.net/ultra-introductory-inheritance-problem/

 

このところ「相続税」について書き続けています。
「相続税」と書くと、この文字を見ただけで「関係ない」「資産家の話なんて読みたくない」とスル―されがちなんですが・・・・。

 

 

私が”資産家向けの話”なんか、書くと思いますか?

私の興味は自分と同じ「庶民の家庭の相続」にしかありません。

 

 

昨年から相続税の基礎控除額が40%も減額されたので、中の上クラスでも「相続税がかかるか、かからないか、ビミョーなところ」という人が増えてきました。

この層を狙って、さまざまな相続関連業界、金融・保険・不動産・各種士業・ファイナンシャル関係・・・・など、雨後のタケノコのようにさまざまな提案を行ってきています。
もちろん私も行政書士であり、この”業界”の端っこに存在しています。だから私も、正しいと思ったことは積極的に提案し、発信しています。

 

 

その中で「これは違うと思う」ということを言う人が出てきており、案外多くの人がそれを頭から信じているようなので、ひとこと言ってみたくなりました。

 

 

それは「夫が亡くなった1次相続で、配偶者の税額軽減の特例を使って妻が全財産を相続するようなことをすると、確かに1次相続では税が大幅減額されるが、配偶者がいない2次相続でかたきを取られ、1・2次合計ではかえって高くつく」という論です。

 

 

コレ、間違いではありません。
5億、10億円以上を持つ資産家に言うなら「その通り」。
しかし純資産1億、2億円くらいの”ちょい富裕層”に言うなら慎重でなければならない、と忠告申し上げたい。

 

 

自宅の不動産まで加えて1、2億のこの層は、必ずしも現金、預貯金をふんだんに持っているわけではありません。

加えて今は「100歳長寿時代」。
それも「寝たきりでも100歳長寿が不思議でない時代」ですよ!
まさかの大長寿の間に、老後資金は底をつくかもしれない。
介護が必要になったり、脳梗塞に見舞われずっと病院や施設にお世話になるかもしれない。
介護費、医療費、無料ではありません。

 

 

子に法定相続分を相続させる余力がありますか?
マイホームを相続するとその価値があまりに大きいために、現金・預金は子よりも少ない金額になることは必定!
なんで壮年期にいて自力で生きられる「子」に大金を持たせなければならないんですか?
持ってもらうべきは妻(子から見れば「お母さん」ですよ)!

 

 

それを数字バカは”現場”を見ずに、「資産家さんたちは専門家がついているので1次相続、2次相続のからくりを知っている。しかし相続税がかかるかどうかの家庭では(専門家がついていないから)この話を知らない。だからもし機会があればアドバイスしてください」なんてことを言ってしまう。

 

 

話はあべこべです!!

 

 

配偶者の取り分を減らしてでも2次相続に備えるべきは「大資産家」の相続。
「プチ富裕層」の相続では、配偶者にグッと厚めに相続させるべきです。
目先の相続税を減らしたいためじゃない、
配偶者に安心できる老後を過ごしてもらうために!