これまでのお話
実家をしまう ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲
解体業者さんに不動産屋さんのことを相談してから少し経過したある日、突然その不動産屋さんが実家にいる私を訪ねて来てくれた。
私は、片付けをする時のお決まりの服装、頭に水玉の手ぬぐい、首にタオル、サングラスにマスク、レロレロの服装にエプロンの状態だった
片や不動産屋さんは、ピカピカの車にビシッと決めた紳士的なスーツ姿・・・。
私との差があまりにもありすぎ、恥ずかしかった
不動産屋さんは、地元で永いことお仕事をされている方で、公的機関関連の仕事もしている方だった。
解体業者さんもそうだけど、公的機関の仕事をしている方なら信用できると思った。
公的機関にしろ、業者さんにしろ、どちらかに何か不正があったら双方全てがダメになるから、きっとクリーンな業者さんだと思う。
また、母は永いこと、いくつかの地元のボランティアグループでリーダーをしていたので、顔が知れ渡っていた。
そのため、その不動産屋さんにも一目置いてもらえたようだった。
母の顔が効いて良かった。
母のボランティア活動が、意外なところで役に立って良かった。
私は不動産屋さんに詳しく土地のことを尋ねてみることにした。
不動産屋さんは私の質問に色々詳しく答えてくださった。
ご近所さんとの土地の区分の問題も少しあったので、家族やご近所さんを交えて、これからの実家をどう処分していくのか話し合うことになった。
話し合いではまず、ご近所さんと打ち合わせて、土地の区分の問題を解決した。
それから、実家をいつまでにどのくらいの価格で販売するかということを家族を交えて話し合った。
その結果、母屋を2023年9月までに解体して更地にし、企業に売却することに決まった。
なぜ2023年9月までに解体するかというと、その年の10月からアスベストの事前調査が義務化されるということだったからだ。
それ以降だと手続きにとても手間がかかるので、その前までに解体しようということになった。
母の場合永年住んだ住居の売却で、転居してから1年以内、また売却利益は3,000万円を下回るので非課税になるらしい。
良かった
実家じまいを始めた頃は、ジャングルに廃墟が3軒建っているような田舎の家で、本当に処分できるのか心配だった。
しかし今回も、不思議なほどスムーズに話が進んでくれて、本当に助かる。
その年の秋から、アスベストの事前調査が義務化されることも知らなかったし、まさにギリギリのタイミングだ。
それぞれの業者さんとの出会いも良かった。
やっぱりご先祖様が「そろそろなんとかしろ。」と、導いてくれたのかもしれない
400年の歴史の重さも時々頭をかすめるので、それを紛らわすためにも、
そういうことにしておこう。
後は、9月の解体までに母屋の片付けが間に合うかどうかである
あの・・・
あの、要るものも要らないものもグチャグチャに混ざって収納してあるあの母屋・・・。
アレ、本当に空にできるのかな
解体期日が決まったのはいいけれど、
スムーズな売却は、それまでにアレを空にできるかどうかにかかっている
母は全く頼れない。
ゴミ袋2つくらいまとめると、ぐったり疲れてしまう
弟や夫にも週末と祝日しか手伝ってもらえない。
この時、実家売却まで3ヵ月くらいだったと思う。
途方もなく遠いゴールを想像しながら、ただただ遠い目になってしまう私であった (笑)