これまでのお話
実家を処理することを決めて、庭の森のような樹木の伐採を始めた。
ボロボロの車庫の解体も解体業者さんに頼んであるが、業者さんのご都合で作業は、その時から1ヵ月以上先の3月頃になることのこと。
庭の樹木の伐採は、細かいものはもう済んでいるが、枝が電線にかかっている梅の木たちは関電工にお願いすることになった。
その伐採予定は2023年の2月の中頃だった。
関電工に伐採をお願いする木々は、樹齢が永い。
でも特に、御神木というわけではない。
祖父や祖父の親が植木が好きで植えて、祖父が存命の時はそれなりに手入れもしていたようだ。
しかし祖父が亡くなってからのおよそ40年間、ただただ放置していたのだ。
それでも5年とか10年に一度とか、大きな枝を落としたりはしていたらしい。
でも、ここ数十年は母の老いと共に、完全なる放置だったようだ。
特に樹齢100年以上の柿の木はとても高くそびえたっている。
樹齢100年超えとあって、見た目も神々しい。
私が子供の頃は美味しい柿が生っていてよく食べたが、今では高くそびえた枝に生った柿の実を、カラスたちがひたすら消費している。
関電工に伐採をお願いした時は、私は特に何も恐れていなかった
だって、ただ放置してきただけの木々だもの。
特になんのいわれもないし、言い伝えもない。
私は何も気にせず、ただ伐採の日を待っていた
しかし・・・
私は大のオカルト好きである
伐採もあさってに迫った日、ふいにザワザワと不安になってきた
オカルトYouTubeで見た、自然に宿る神々の祟りの話や廃墟に残る怨念とか、なんかグルグル思い出してきた
もしも樹齢100年以上の柿の木を切って、障りがあったらどうしよう
いや、そんなのはあるはずない。大丈夫。
でも待って。柿の木を切ったことでみんなが不幸になったりしたら・・・
いや、そんなのないない。気にしない、気にしない。
という心の揺れを、私はしばらく繰り返していた。
そして私はついに思い立った
やっぱり、お祓いしてもらおう。
と。
井戸を埋めたり氏神様を撤去する時、実家のご近所さんたちはある神主さんを呼んでいるそうだ。
その方は、出張でお祓いやご祈祷をしてくれるとのこと。
「その方にお願いしよう。」
と急に思いついた。
しかし今回もまた、私はその神主さんの名字しかしらない。
で、私はまたGoogle map を使い、実家のそばで、その方の「名字、ご祈祷」を入力して検索してみた。
すると、ある神社がヒットした。
Google ってさすがだなと思った
きっとこれだと思った。
そして今回もおそるおそる電話してみた。
しばらくベルが鳴って、どこかに転送されたようだった。
電話に穏やかな声の男性が出た。
そして、その人はまさに噂の神主さんだった