これまでのお話
実家をしまう ①
実家の車庫の解体を決めて、ご近所さんから情報を得た私は、その解体業者に連絡を取ってみた。
解体業者さんは、その日だったか、翌日だったかに、奥様と一緒に小さめのトラックで来てくださった。
業者さんは私より5~10歳くらい若そうながっしりした方だった。
奥様はスレンダーで本当にお綺麗な方で、親しみやすかった。
業者さんは、ひょいっという感じで車庫の屋根に登り、すぐに様子を確かめてくださった。
スイスイ屋根のてっぺんの柱の部分を歩いている。
「あんな高い所、怖くないのかな さすがプロだな。」と思った。
業者さんは、ご近所さんたちが補修してくれたところを確認し、さらに強化してくださった。
そして、またひょいっと屋根から降りてきて補強したことを伝えてくれた。
それから、奥さんと一緒に巻き尺などで車庫の大きさを計り、「近々、解体の見積もりをだします。」と言った。
車庫は4本の柱にトタンの屋根を乗せただけのものだが、
屋根の下に大量の篠は生えているし、農機具、農機、材木、古い自転車とかが積み上げてあって、とてもゴッチャリしている
なので、見積もりがいったいいくらくらいになるのか心配だった。
後日、見積もりが出た。
確認したところ、車庫の解体費用はそれほど高くはなかった。
しかし、車庫中の資材の片付け撤去費用に、解体費用と同じくらいの金額が示されている。
ひゃぁ~~
とは思ったけれど、農機とか材木とか、私達素人では片付けられないから、お願いするしかないと思った。
そして、「なるほど」と思った。
資材や荷物の片付けって、とてもお金がかかることをこの時知った。
車庫の他にも、2階建ての納屋、母屋に物がぎっしり詰まっている。
あれを便利屋さんとかに任せると、きっととてつもないお金がかかるんだろうと、その時認識した。
あれ・・・、あの、家が建ってから56年、生活ごみ以外は何も捨てなかったんじゃないかと思うほどのあの荷物たちを、
解体までに捨てなくちゃいけなんだと悟った。
恐ろしい・・・
どんだけ~ (古い)
出口の見えないトンネルに入っていくような気分だった。