これまでのお話 実家処分を決意するまで
母が実家を離れて半年、色々なトラブルに見舞われた私たちは、ついに実家を処分する決意をした。
まず、車庫の屋根の修復に協力して下さった、ご近所のAさんに、どこか良い解体業者を知らないか訊いてみた。
こういうのは、地元で訊くのが一番だ。
(Aさん登場記事)
Aさんは答える。
「うーん、直接は知らないんだけどね、ほら、あそこの○○通りのそばに、古い公共施設があったじゃない
あれを市の入札で落として解体した人が△△さんて言うんだけどね、その人、腕がいいらしいんだよ。
××あたりに住んでいてね。
もし良かったらその跡地を見に行ってごらん。すっかりきれいな更地になっているから。」
とのこと。
私はAさんの話を聞いて、市の入札で仕事を依頼されている人なら信用できると思った。
そこでとりあえず、その解体されて更地になったという公共施設の跡地を見に行ってみた。
すると・・・
そこは見事なまでにきれいな更地になっていた。
真っ白な砂利が、敷地のきっちり端まで真っ平に敷き詰められていて、周辺は工事をした形跡は何もない。
凄いと思った。感動した。
私は、この解体業者さんにお願いしたいと思った。
そこで、Google mapを開き、Aさんから教えてもらったその人が住んでいるという字の場所で、「その人の名字、解体業」と入力して検索してみた。
すると、それに該当する業者が一つ出てきた。
おそらくこの人だろうと思った私は、その日のうちに思い切って電話してみた。
すると、奥さんらしい人が電話に出た。
社長は現在外出中とのこと。
そこで私は彼女に状況を話してみた。
ボロボロの車庫のトタンが剥がれて今にも飛んでしまいそうなこと。
ご近所さんが補修してくれたけど、応急処置であること。
その車庫を解体して欲しいが、もしそれまでに時間がかかるのなら、とりあえず屋根を補修してほしいこと。
以上を一生懸命話してみた。
すると奥さんは、
「それは大変ですね。なるべく早く対応させていただきます。
うちの人に連絡して、いつそちらに伺えるか折り返します。」
と言ってくれた。
解体業者の検索にも、「引っ越し侍」みたいなサイトはある。
でも、いったいどの業者を選んでいいのか、実家を離れて久しい私には全く分からない。
それならば、ご近所さんからの評判を信じてみようと思った。
これまでのところ、植木屋さんも、関電工さんも、解体業者さんも、ひとつも他社と相見積もりを取らず、一発で決めている。
もしかするとそれは危険なことなのかもしれない。
他社に相見積もりを取ったなら、他にもっと良い業者さんに会えるのかもしれない。
でもこの時は、カンというか、実家のご先祖様のお導きというか、
なんだか良く分からないけど、それに決めてしまっていいと思った。
大丈夫だと思った。
母にも兄弟にも、夫にも、
「これこれこういう人で、大丈夫そうだから任しちゃうけど、いい」
みたいな強引な確認をしたが、不思議なことに誰も反対したり異を唱えなかった。
やっぱり、導かれてんじゃないの~
良く分かんないけど・・・
それに私達は、Aさんちご家族に多大な信頼を寄せている。
母の人脈に感謝である。
この時、私は母と違って、自分のご近所さんのこと全然知らないな、と思った。
長い年月そこに住んで、家の手入れはちょっとおろそかだったけれども、それに幻滅されることなく、ご近所さんと良好な関係でいられる母を、この時見直した。
凄いな、と思った。
ご近所さんは大切だと強く感じた。
そしてそれから間もなく、Aさんからの紹介の解体業者さんから、折り返しの電話がかかってきた。