スクールホリデー第2週。
木曜日はホリデープログラムでファームに行き、昨日の最終日はみんなで公園ピクニックでした。
新しい福祉システムNDISを理解するシリーズです。
オーストラリアで障がい児を育てている人、もしくは障がいのある家族を面倒見ている人に向けて送っています。
NDIS準備編~ 11記事上げています☆
④ NDISがやってくる 4 《一番最初のプロセス~申請の仕方は?》
⑦ NDISがやってくる 7 《客観的な視点でケアを考える》
⑧ NDISがやってくる8 《サポートカテゴリーを理解する》
⑨ NDISがやってくる 9 《ファンドの管理・3つの方法》
⑩ NDISがやってくる 10 《常に最新情報にアップデートすべし》
⑪ NDISがやってくる 11 《誰が誰?NDISで必須の単語集》
そして前回からはNDIS実践編。「NDISがやってきた」シリーズ始まりました。
今日はプランニングミーティング当日の話の続きです。
ミーティングはなんだか世間話のような感じで進んでいきます。
「一緒に出掛けるようなお友達はいるの~?」みたいな(笑)
でも私にはわかっていましたよ。これもれっきとした質問項目なのです。
Informal Support/インフォ―マルサポートという言葉があります。
これは、家族や親せき、友人や近所の人など、公的なシステムやサポート以外に障がいのある家族(我が家の場合はカイ)のケアを手伝ってくれる人のことです。
このInfomal Supportは、NDISでも重要なキーワードです。
Informal Supportもサポートのひとつとして見なされるので、このInformal Supportがカバー出来ていない不足分のみに公的サポートが出ます。
例えば、カイと同程度の障がいのある子がいたとして・・・
その子は両親がいて、さらに年上のきょうだいがいて、祖父母や叔父叔母やいとこなんかも皆近くに住んでいる。そして何かあれば気軽に面倒を見てくれる。
この場合はInformal Supportが沢山ある状況ということになります。
そして我が家の場合、ひとり親でカイにはきょうだいもいない。家族はビクトリア州にいない。母方の家族なんて日本に住んでいる。友人はいるが皆も障がい児の親だったりするし、カイの場合は色々な難しいビヘイビアもあるから、気軽に預けたりすることは出来ない。
実際にカイを友人に預けたことはほとんどありません。それも小さかった頃。
最近はまったく預けたりせず、すべてレスパイトワーカーさんにお願いしています。
そんな我が家、カイのInformal Supportは私ひとりのみ!ということになります。
このInformal Supportが私だけ、というのが今回のミーティングで私がぐいぐい押していったポイントでした。
緊急の場合などに安心して預けられるようなサポートが必要、などと訴えました。
ちょうど目を怪我していたので、説得力があったのかも知れません(笑)
その他、ミーティングに持参したもの。
●サポートリスト
今現在カイが受けているサポートと、カイが必要としているけど今は受けていないサポートをリストにして、さらに私なりに考えたカイのゴールも準備しておきました。
このリストが結構役に立ちました。
やっぱりミーティング中って、頭がフリーズしたり、言おうと思ってたのに忘れちゃったりがあるんですが、そんな時もこのリストを見れば「ああそうだった」と思い出せました。
それから、簡潔にまとめたリストだったので、アドボケートの同僚もこれを見ながら私が言い忘れたことをこっそりフォローしてくれたり。
ゴールも私が考えたものでほぼオーケーという事で、それをプランナーさんが持ち帰って少し言葉を直してくれることになりました。
●Carer Statement(ケアラーステートメント)
ケアラーステートメントは、障がいのある家族を世話するケアラーの視点から、障がいが生活にどのような影響を与えているかについて詳しく書いたものです。我が家のようにシングル親であるとか、ケアラー自身も持病があるとか、そういった家庭の事情を説明するには最適です。
このCarer Statementを書くためのワークショップにも参加して、例を参考に我が家の場合を書きました。ポイントは、ケアラーである私の視点からでありつつ、結局はカイの為になるというような書き方をすることです。
例えばレスパイトのサポートがもっと欲しい場合、
「カイの世話が大変で私はもっと休みが必要!疲れた!」
とだけ書くと私視点のみですが・・・・
「私一人でカイをあちこち連れ出すのが難しいので、カイに充分コミュニティにアクセスさせてあげる機会をあげられない」
「私が体調が悪くなったりした場合、カイを面倒見る人がいない」
「カイの面倒を出来る限り家でずっと見るつもりでいるので、一人親の私がそうする為にも長期のバックアップサポートが必要」
というような書き方をしました。
「このサポートをくれることで、結局はカイの利益になりますよ」という訳です。
こうすることで、NDIS側も「このサポートはReasonable & Necessaryだな」と考えやすいのではと思います。
Carer Statementについては、こちらに説明が載っていました。
Support for Families and Carers in the NDIS
その他提出したもの。
●カイのセラピーの必要性を書いたセラピストからのサポートレター
これにはカイはすでにどれくらいの期間OTに通っているか、どういうエリアのスキルを伸ばすためかなどが書いてあります。
そして忘れてはいけないのは、どれくらいの頻度のセラピーを必要とするか書いてもらうこと(週一でセラピーが必要 など)。NDISでは頻度×Price Guideに載っている単価 でファンド額を決定するためです。
●ホリデープログラムからのサポートレター
どれくらいの期間、どれくらいの頻度で通っていたかなど。サポートの割合も「一対一のサポートが必要」と書いてもらいました。
Price Guideでは、一対一のサポートとグループでのサポートは単価が違うのです。グループサポートでファンドを貰うと、実際は一対一の方がよかったとなってもファンドが足りなくなってしまったりするので。
●学校からのビヘイビアマネジメントプランと外出時のリスクマネジメントプラン
本来NDISは学校に関するサポートはしませんが、学校内でのビヘイビアに対応しているかというビヘイビアマネジメントプランと、遠足など学校外に出かける時の注意事項を記したリスクマネジメントプランを担任の先生がくれたので提出しました。
うちは特にコミュニティに連れ出してくれるサポートワーカーさん用のファンドが沢山欲しかったので・・・
「スペシャリストである学校の先生でもこれだけ入念な準備をするくらいなので、母親ひとりだけで外に連れ出すのは大変なんです」というエビデンスの一部として。
●ちょっと購入したいなと思ってるものリスト
前にも紹介したJettProofの肌着とか、絵カードを作れるBoard Makerなど、ちょっと欲しいなと思ってるけど別にスペシャリストが正式に「これ買った方がいい」と勧めているわけではないものがいくつかあったのでリストにしました。
NDISでは、高額なものはスペシャリスト(OTなど)が「これはカイに必要です」という推薦をしないと購入できないのですが、$1000以下ならそういったスペシャリストのおススメなしに購入出来たりするらしいです。(その分のファンドが出れば、です)
もちろん、何でもかんでも買っていいわけではないけど、例えばセンサリートイなどちゃんと障がいのニーズに合わせたものならこちらで決めて購入できるんですって。
ちなみに、JettProofはNDISプロバイダーとして正式に登録されていましたよ!
こんな感じで色々な提出書類を持参しましたが、私はダイソーで安い薄めのフォルダを買ってきてこれらの書類を全部入れておき、プランナーさんにミーティングの最後にフォルダごと渡しました。
※原本ひとつしかないものは、コピーを取ってプランナーに渡してください。絶対にオリジナルを渡してしまわないように!
※同じフォルダをふたつ作って、ひとつはプランナーに提出、もうひとつは自分の手元に残しておきましょう。
ここに書いたものは、カイのファンドをもらうためには出した方がいいと私が判断したものですので、我が家の場合として参考程度に考えてくださいね。
必ずこれらのサポート書類を出さないといけない!というわけではありません^_^
長くなったので続きます☆