NDISがやってくる8 《サポートカテゴリーを理解する》 | カイとわたしの場合~オーストラリアx自閉症xシンプルライフ

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高校生になった自閉症児カイと、シングルマザーのわたし。オーストラリアはメルボルンにて、ふたり暮らし。そんな私たちの毎日を綴っています。

土曜日は2時まで仕事をした後一度家に帰り、夕方から今度はカイのOT(作業療法)セッションでした。
 
 
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OTのセッションはカイも毎回楽しく通っているので、NDISからもしっかりファンドが出るといいのですが…
 
 
 
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さて、ちょっと間が空いてしまいましたが・・・

オーストラリアで障がい児を育てている人、もしくは障がいのある家族を面倒見ている人に向けて送っている、NDISシリーズ第8弾です。

 

前回までの記事はこちらから

 

① NDISがやってくる 1 《予想外の展開》

② NDISがやってくる 2 《今までとどう違う?》

③ NDISがやってくる 3 《人生のゴールは何ですか?》

④ NDISがやってくる 4 《一番最初のプロセス~申請の仕方は?》

⑤ NDISがやってくる 5 《合理性と必要性》

⑥ NDISがやってくる 6 《管轄を意識する》

⑦ NDISがやってくる 7 《客観的な視点でケアを考える》

 

 

今回はNDISのファンドを理解するのに重要な、3つのカテゴリーについてです。

 

このシリーズ最初の記事に載せた、NDISプライスガイド

5ページ目にこのようなリストがあり、「サポートカテゴリー(Support Categories)」となっています。

 
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 NDISのプライスガイドは全部で15のサポートカテゴリーがあります。
 
そしてこの15のサポートカテゴリーは、目的別にさらに大きく3つのカテゴリーに分類されています。
 
 
☆CORE
 
☆CAPITAL
 
☆CAPACITY BUILDING 
 
 
この3つのCのカテゴリーの下に、15のサポートカテゴリーがそれぞれ振り分けられているのです。
NDISを考える上で、この3つの大きなカテゴリーと15のサポートカテゴリーを理解することが重要になってきます。
 
 
3つのカテゴリーを大まかに言うと、
 
☆CORE = 日々の生活サポートに関するファンド
 
☆CAPITAL = グッズや装備などを購入するためのファンド
 
☆CAPACITY BUILDING = 能力強化などに必要なファンド
 
 
となります。
 
☆COREのカテゴリーに属するのは、
1.Assistance with Daily Life 
2.Transport 
3.Consumables 
4.Assistance with Social & Community Participation 
 
日々の生活をする上で必要となるサポートの数々です。だからコアなんですね。
 
例えば、朝起きてシャワーを浴びるのを手伝ってくれたり、色々な場所に連れて行ってくれるサポートワーカーさんのお給料。
 
また、オムツや排泄補助用品購入費用。
今までMedicareから出ていたオムツ代補助金もこちらに移動になっています。
 
トランスポートは、障がいのある人がコミュニティにアクセスする際に必要な移動手段をサポートしてくれます。
 
これは障がいの為に公共交通機関の利用が難しいということが前提になってます。
あとは職場まで行くための移動手段や、学校に通うためのスクールバスなんかも含まれますよ。
 
 
☆CAPITALのカテゴリに属するのは
5.Assistive Technology
6.Home
 
こちらは消耗品ではない物品や設備等の購入費用になります。
 
車椅子の購入、車椅子搭載のための車の改造費用、お風呂場やトイレ、手すり付きスロープ設置の改造費用など。
 
自閉症の人だと、例えばコミュニケーションのための音声デバイスの購入とか。
あとは家を抜け出してしまう自閉症児がいる場合にゲートの取り付け費用なんかも出たりします。
 
ただ、こういう改造系は持ち家じゃないと難しいです・・・賃貸だと、大家さんが許可をしてくれないと改造が出来ないので、いくらファンドが出てもアウトですね。
 
このカテゴリのものは、自分が「これが欲しい」というだけでなくて、スペシャリストがサポートレターを書き、さらに見積もりなどを具体的に提出しないとファンドが降りないそうですよ。
 
原則がReasonable & necessaryですからね!
 
 
☆CAPACITY BUILDINGのカテゴリは
7.Coordination of Support 
8.Improving Living Arrangement
9.Increased Social and Community Participation
10.Finding and Keeping a Job
11.Improved Relationship
12.Improved Health and Wellbeing
13.Improved Learning
14.Improved Life Choices
15.Improved Daily Living Skills
 
こちらは主に、障がいのある人の能力を伸ばしていこうというカテゴリーです。
 
STやOTなんかのセラピー費用はこちらのカテゴリのファンドとなります。
他にも、自立に向けて料理などの日常生活のスキルをあげたいとか、今の仕事を続ける為のサポートが必要という場合もこちらになります。
 
ちなみに、7のCoordination of Supportというのがちょっと特殊なのですが、これについては後で別記事で書きますね。
 
 
とりあえず大きな3つのカテゴリに分かれているということが理解できたかと思います。
 
注意ここで重要なポイントがあります注意
 
貰ったファンドは、この3つのカテゴリ間を移動することは出来ないのです。
 
例えば、COREのカテゴリで貰った「サポートワーカーさんに来てもらう為のファンド」が余っても、それをCAPACITY BUILDINGのカテゴリである「セラピー代」に使ってしまったりは出来ません。また、セラピー代が余ったからといって、それをオムツ代購入に充ててもいけません。
 
でも、逆に同じカテゴリ内のものなら結構フレキシブルにファンドを使えるようです。
 
COREでコミュニティアクセスの為に来てもらってるサポートワーカーさんに、入浴のお手伝いなどをしてもらってもいいわけです。
また、CAPACITY BUILDINGとして最初にSTとOTのふたつのセラピー代を10回分ずつ貰っていたけど、途中で「どうもうちの子にはSTが合わないみたい」となった時、ST用に出たファンドをOTに使ってもいいそうです。
 
※追記
この大カテゴリ内のファンドの移動は、COREの方はかなりフレキシブルに移動できるようですが、他のCAPITALとCAPACITY BUILDINGだとそこまで自由に使うことは出来ないみたいです。
 
例: 同じ小カテゴリ内での使用はフレキシブルにできる
15.Improved Daily Living Skills ST用ファンドをOTに使う→OK
15.Improved Daily Living Skillsのファンドを10.Finding and Keeping a Jobに使う→ダメ

 
 
このように、NDISのファンドは大きく3つのカテゴリに分かれている・・・ということ、またその大カテゴリ間でのファンドの移動は出来ないということ、を知っておくといいと思います。
 
 
またそのうち続き書きますね♪