4連休中の我が家、昨日は色々お出かけしたので、今日はおうちでのんびりデーの予定です。
ということで、NDIS記事の続きを書きますね。
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オーストラリアで障がい児を育てている人、もしくは障がいのある家族を面倒見ている人に向けて送っている、NDISシリーズ第9弾です。
前回までの記事はこちらから
④ NDISがやってくる 4 《一番最初のプロセス~申請の仕方は?》
⑦ NDISがやってくる 7 《客観的な視点でケアを考える》
⑧ NDISがやってくる8 《サポートカテゴリーを理解する》
今日は、実際にNDISからファンドを貰えたあとの、ファンドの管理方法のお話です。
NDISのプランが出来上がると、そこには「どのカテゴリにいくら・・・」という形で貰えたファンドの金額が記載されています。(カテゴリについては⑧の記事を参照してください)
さて、サポートやセラピーを受けた後って、もちろん支払いが生じますよね?
NDISでは、その支払いの方法が3種類あるのです。
1.NDIS Management
2.Plan Management
3.Self Management
1.NDIS Management
NDISが直接プロバイダーとやり取りして、支払いをしてくれる方法です。
例えば、サポートワーカーさんに来てもらったり、セラピーを受けた後、彼らは直接NDISに請求書を提出してNDISから直接支払いを受けます。
だから、サービスを受ける側の私たちは支払いに関してやり取りをしなくて済みます。楽ちんです♪
ただ、このNDIS Managedの方法を選ぶには条件が付きます。
この場合はサービスをNDISに登録済のプロバイダーの中から選ばないといけないのです。
そのプロバイダーが事前にNDISの登録条件をクリアして登録を済ませているからこそ、NDISとプロバイダーの間でスムーズなやり取りが出来る訳ですから。
つまり、NDIS Managementを選んだ場合:
今すでに利用しているスピーチセラピストを今後も使いたいと思っても、もしそのスピーチセラピストがNDISにプロバイダー登録していなければ、ファンドをそこに使うことが出来ないのです。
支払いに関して楽ちんな代わりに、プロバイダーの選択肢が「NDIS登録済みプロバイダー」の中からしか選べないということになり、選択の自由は減ります。
また支払いの金額も基本的にNDISプライスガイドに載っているそのままの金額が請求されます。
2.Plan Management
このPlan Managementというのは、NDISでも自分でもない第三者の団体・オーガナイゼーションに支払業務をお願いするというやり方です。
NDISの方にこのPlan Managementをお手伝いできる団体のリストがあるようで、その中から選べばいいようです。
私の友人はどこがいいか分からなかったので、NDISにおススメしてもらった団体を選んだそうです。
このPlan Managed方式でやると、サービスを受けた後にPlan Managerが支払い業務を行ってくれます。
ちなみに、このように第三者に支払い業務をお願いするにはもちろんその分費用が発生します。Plan Managerが受け取る支払業務の手数料です。
この手数料分がかかるから、自分のプランからファンドがその分減ってしまうように思いがちですが、実際はそうではなく・・・
プランニングミーティングでこのPlan Managementを選択すると伝えると、本来のプランの金額にこの手数料分を上乗せしてくれるそうです。
だから自分で手数料分を支払うという心配はないのです^^
また、このPlan Managementの利点は、サービスを選ぶ際にNDIS登録プロバイダー以外のプロバイダーからも選べるというところです。
だからこの方式を選んでいれば、お気に入りのスピーチセラピストがNDIS登録プロバイダーでないとしてもNDISのファンドを使ってサービスを利用することが出来ます。
NDIS Managedの場合よりも、より多くの選択肢があるということです。
3.Self Management
このSelf Management方式は、その名の通り自分で支払い業務をする方法です。
今回紹介した3つの方法のうち、一番フレキシブルで選択の自由が増えるやり方です。
その代わり、色々と手間が複雑でもあります。
先日の記事で「NDISのセルフマネジメントのセミナーに行ってきました」と書きましたが、このやり方を学ぶためのセミナーだったのです。
このSelf Managementを選ぶと、自分で支払い業務をする必要があるため、まず専用の銀行口座が必要になります。
この銀行口座は、16歳以上の場合は障がい者本人(NDIS participant)の名前の口座です。
すでに持っている口座を利用してもいいのですが、それだと日常生活に必要なお金の出入りも一緒になってしまうので、純粋にNDISファンドの管理をするのにやりづらいですね。
さらに、Self Managedでやっている場合はNDISからの監査が入ることがあります。
ファンドを不正な使い方していないかなどしっかりチェックされるので・・・
普段の生活費の動きと一緒になっている銀行ステートメントをNDISに見られたりするって、なんだか嫌ですよね(汗)
ということで、皆さんNDISファンド専用の銀行口座を開設しているようです。
このSelf Managementを選択する人たちは、ファンドの使い方が柔軟に出来るという理由から選ぶ人がほとんどみたいです。
先日のセミナーの講師の方の話で、そのあたりが具体的に分かりました。
まず、自分の好きなサポートワーカーを選べる。例えば、地元の大学生をサポートワーカーとして雇ってもいいのです。
ABN(Australian Business Numberを持っていない人をワーカーとして雇うことも出来ます。
そして、最低賃金をクリアしていれば、お給料もワーカーさんとの話しあいで自分たちで設定できます。
先日の講師の方は、4人自分で選んだワーカーさんを娘さんの為に雇っているそうです。
どこかのエージェンシーに登録している人の中から派遣してもらうのではなくて、自分の子に一番相性のいい信頼できる人を雇いたいから、この方法なのだそうです。
このSelf Management方式は、そんな風に選択肢の幅が広がる上に柔軟にファンドを使えるという素晴らしい利点があります。
でも、その分「責任」もついてきます。
この方式でサポートワーカーを使うということは、ある意味で自分が「雇用主」になるということです。
そのワーカーさんのお給料はもちろん、WorkCover(労災保険)や税金、場合によってはスーパーアニュエーションのことも手続きしないといけません。
NDISに受けたサービス分の請求を自分で申請して支払いを受けます。
受けたサービスの記録をきちんと保管し、監査の際には全て提出します。
請求した金額とNDISから支払われた金額が合っているかなどのチェックも随時必要になってきます。
タイムシートの管理、ワーカーの緊急連絡先の管理などもあります。
ほんとに、ちょっとしたビジネスオーナーという感じです。
こういうのが苦手な人、または忙しくて時間があまりない人は、サポートワーカーをSelf Managementで雇うのは慣れるまでちょっときついかもしれませんね・・・。
先日のセミナーでもらった資料も分厚かったです。
もちろんオーストラリアでのビジネスの基本をすでに理解している人には楽々なのだと思いますが・・・
私はABN、PAYG、WorkCover、Tax withheld、Time sheetsなどなど、読んでたら頭がくらくらしてきました(笑)
でもサービスの選択肢が広がるという以外に、このような手間をかけてでもSelf Managed方式を選ぶ人気の理由が他にもあるようです。
長くなったので、それについてはまた別記事で。
今回は、NDISファンドの管理の仕方は3種類あるということが分かってもらえれば嬉しいです♪